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#75 水の都ヴェネツィア

人物、バンド名等説明
・サマール
:VENETIA HARD CORE FESTのオーガナイザー。
・シンヤ
:MUSTANGのベーシスト。2024年現在はDEATH SIDEのベーシストでもある。
・あけみちゃん:MUSTANGのドラムで、元etæのドラム。
・THE EU’S ARSE:1981年にイタリアのウーディネで結成されたHARD CORE PUNKバンド。
・リチャード:THE EU’S ARSEのボーカル。
・ANTIFA:積極的にファシズム(独裁主義。イタリアで生まれた大衆動員を積極的に利用し、市民的自由や人権を無視する国家主義をかかげ、反対派を弾圧する政治体制や思想)に反対している個人や集団、またはハンファシスト運動を指す言葉。
・ラト:イギリス人で、ヨーロッパのDEATH SIDEのライブにはほとんど来る友人。
・マーク:元EXTREME NOISE TERRORのベーシストで、ラトと一緒にいつもDEATH SIDEのライブに来てくれる友人。

#75 水の都ヴェネツィア

 DEATH SIDEは、LA、オークランドでのライブを終え、帰国した翌週の2019年5月8日に、弁慶が地元函館で活動しているMUSTANG と一緒にイタリアのヴェネツィアへ旅立った。馬車馬のような海外予定ではあるが、これだけ海外へ行ける幸せを噛み締めている状態である。
 久々に友人のバンドと海外へ行くのはかなり楽しみで、ヨーロッパは入国審査の心配がないため、みんなで一緒に行ける。
 飛行機会社が初めて乗るロシア航空だったので、モスクワ経由でイタリアへ行ったのだが、シェメチェボ空港が事故を起こしたばかりだったようで、滑走路に着陸すると飛行機内で拍手が起きるなど、今まで経験したことのない雰囲気だった。
 シェレメチェボ空港では円が全く使えず、換金所のレートが載っている掲示板にすら円は表示されていない。空港内で現金は確かロシアルーブルしか使えず、おまけに荷物に厳しい。他国は少しぐらいなら見逃してもらえることが多いのだが、重量やサイズがオーバーでは、きっちりと金を取られるので、ロシアは強気な国だなと感じたのを覚えている。
 とはいえMUSTANGと一緒の旅なので、ここ2回のアメリカへはひとりで飛行機に乗っていた俺は、みんなで飲みながら出発を待つのは非常に楽しかった。

シェレメチェボ空港でのトランジット

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!