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#23 食事、ドリンク、海賊版

人物、バンド名等説明
・ RIGHTEOUS JAMS
:2003年ごろから数年間ボストンで活動していたHARD COREバンド。
・ SLEEPER CELL:2003年ごろから活動していたボストンのHARD CORE PUNKバンド。
・ アダム:ボストンでSLEEPER CELLの後TEROKAlなどでも活動。オレゴン州ポートランドに拠点を移し、現在はWILD MOHIKCANSで活動中。
・ DROP DEAD:1991年にロードアイランド州プロヴィデンスで結成だれたファストHARD CORE PUNKバンド。
・ ベン:DROPDEADのギタリストで、レコードやCDなどのディストリビューターでもある。
・ ディストリビュート:レコードやCDなどの作品を流通させる仕事。日本の会社とは違いアメリカD.I.Yシーンでは個人のレコード店のようなもので、各会場で販売業務も行う。
・ 海賊版:ブートレグとも言われる。バンドの許可なしにグッズやレコードなどを勝手に作り販売する。利益がバンドに還元されることはない。信じられない作品やカップリング、オムニバス、Tシャツなどがたくさんあり、安値で売られている。日本でもバンドに許可を取らず勝手に販売する人間もいるので要注意。
・ アナーキズム:日本ではアナキズムとも言われる。無政府主義と訳される場合が多いが、国家や政治、宗教などを否定し、相互扶助精神をもとに助け合う、平等で自由を求める精神。

#23 食事、ドリンク、海賊版

 ボストンの会場に到着すると、ステージがありバーがあり、PAシステムもモニターやスピーカーも揃っていて、基本的にバンドの演奏が行われるような、日本でいつもやっている「ライブハウス」と同じで、やりやすいだろうと感じられた。アフリカ系アメリカ人が多い地域の一角だったと思うが、HARD COREのライブがいつも行われているようだ。
 この日からライブ会場のある場所が、怪しい雰囲気になっていく。アメリカに行く前にガイドブックを何冊か読んでいたのだが、どれにも書いてあった「行ってはいけない場所」と、まるっきり同じである。まだこの日はマシな方だとは思うのだが、初めてのアメリカなので、危険な雰囲気にも気を巡らさなければ生命が危ない。

 この日は運転してくれたクリスのバンドRIGHTEOUS JAMSも出演するのだが、メンバーに地元で有名なギャングの人間がいるらしく、会場の中にも警察官がいて、ライブ中に何か起きないか監視していた。
 客席に警察官がいるライブも初めての体験だ。まぁ私服警官がいたライブは日本でもあったとは思うが、いかにも「私が警察だ!」という制服の警察官が客席にいるなど初体験だ。一体このボストンという街のHARD CORE PUNKシーンはどうなっているのだろう?日本の創成期のHARD COREまた違う雰囲気だとは思うのだが、銃社会のために他の武器なども日常的に持っている可能性がありそうだ。
 やや緊張感のある気持ちでライブ開始を待っていたが、幸いこの日に揉め事はなく無事に終えることができた。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!