#25 ニューヨーク&ニュージャージーのダブルヘッダー
人物、バンド名等説明
・ CBGB:1973年から2006年までニューヨークのマンハッタンで営業していた老舗ライブハウス。RAMONES、TELEVISION、PATTI SMITH、TALKING HEADS、BAD BRAINS、AGNOSTIC FRONTなど多くのPUNK/HARD COREが出演した。アメリカのPUNKシーンを語る上で欠かせない存在の、音楽とカルチャーを生み出した場所。
・ ニッティング・ファクトリー:1987年にニューヨーク・マンハッタンで開業した、多彩な音楽とエンターテイメントを特徴としたライブハウス。2008年にブルックリンへ移転。
・ LIP CREAM:THE COMES解散後にベースのMINORUとギターのNAOKIを中心に結成された日本を代表するHARD CORE PUNKバンド。
・ JHON ZORN:1953年生まれのアメリカ・ニューヨークのフリージャズサックス奏者。来日公演時にPILLさんや近藤房之助との共演ステージもあり。
・ クラブチッタ:1988年にオープンした神奈川県川崎市にある大きなライブハウス。
・ D.R.I:1982年にテキサス州ヒューストンで結成されたHARD CORE PUNKバンド。現代のPUNK・メタルシーンに多大な影響を与えたクロスオーバー・スラッシュというジャンルの先駆者。
#25 ニューヨーク&ニュージャージーのダブルヘッダー
フィラデルフィアからニューヨークは近い。車で2時間程度だ。実際に東海岸は、大きな街が近く移動距離が短いので、アメリカツアーでもやりやすい地域だと思う。
この日のライブはニューヨークのマンハッタンにある、ニッティング・ファクトリーという有名ライブハウスだ。マンハッタンはニューヨークの中心部で、アメリカの中心地と言っても過言ではないと思う。
当時マンハッタンにはCBGBという超有名老舗ライブハウスがあったが、ニッティング・ファクトリーも引けを取らないライブハウスであるという。「何でこんなところでライブができるのだろう?」と思っていたら、どうやら日本のHARD COREが大好きで、LIP CREAMのPILLさんとも演奏したことのある、フリージャズのサックス奏者JHON ZORNが口を利いてくれたらしい。
「JHON ZORNっていい奴だなぁ。LIP CREAMのおかげだな」と、LIP CREAMに感謝しつつ中に入った。
かなりでかい、日本のクラブチッタなどの500~700人規模のライブハウスである。スケジュール表にはD.R.Iなどが書いてあり、テンションが上がる。
「おお!こんなところでやるのかよ!すげぇな!さすがJHON ZORNだ!」ステージに上がり騒いでいると、会場スタッフに「お前らはここじゃない。下へ行け」と言われてしまう。
「下?」
階段を降りて下の階へ行くと、もう少し小規模な200~300人キャパのホールがある。
「何だこっちか。そりゃそうだよな。あんなでかいとこでやるわけねぇか」と笑っていたら、会場スタッフに「お前らはもうひとつ下の階だ」と言われた。
「マジか!まだ下があるのか!」
と降りてみると100人規模程度の、なんなら広めのバーといった雰囲気の場所が、俺らがライブをやる場所だった。
「あ!そういうことね。ま、そりゃそうだよな」と、苦笑いしながら、まだライブまで時間があるのでニューヨーク観光に出かけることにした。
30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!