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#22 アメリカ式パーティーの洗礼

人物像、バンド名等説明
・ CONQEST FOR DEATH
:200年代に入り元ASSFORT、NO THINKなどのドラムだったKIKUとロバートなどで結成した HARD CORE PUNKバンド。
・ ロバート:1990年代からサンフランシスコでHARD CORE PUNKバンドを続けるベーシスト。ボーカルをやることもあり、多くのバンドで活動するPUNKS。
・ ARTIMUS PYLE:1990年代後期から2007年ごろまで活動していたアメリカのHARD CORE PUNKバンド。
・ SUNDAY MORNING EINSTEINS:1990年代後期から2006年ごろまで活動していたスウェーデンのHARD CORE PUNKバンド。
・ クリス:2003年ごろから数年間活動していた、ボストン HARD COREバンドRIGHTEOUS JAMSのメンバー。
・ GANG GREEN:1980年に結成。クロスオーバー・スラッシュメタルの先駆者とも言われる。アメリカを代表するHARD CORE PUNKバンド。

#22 アメリカ式パーティーの洗礼

 アナーバーからバッファローまではカナダを通れば近いのだが、海外から来ている俺たちは、再入国で何かあったらまずいので。アメリカ側を通って行かなければならない。車で6時間ほどかかる行程だが、東海岸に近付くにつれ移動距離は短くなる。
 バッファローへは乗用車で移動するため、2〜3台に分乗して行くこととなる。確か最初は1台で行こうとしていたが、メンバー5人とツアーオーガナイザーでカナダからやってきたUGRY POPのサイモン、さらに機材や物販グッズもある。車を見ると普通の乗用車で、とても全て積み込めないとなり、アナーバーの友人たちが車を出してくれ、機材と人間が別にバッファローへ向かうこととなった。
 機材を積んだ車はカナダ回りで行ったため、途中ナイアガラの滝を見て来たアナーバーの友人たちは「やっぱりナイアガラはカナダ側がいい」と、しきりに言っている。俺は初めてのアメリカでナイアガラの滝も見たことがないし、時間がなくて行けていない。どっち側でもいいからナイアガラの滝が見たかった。

 ツアーオーガナイザーのサイモンは、かなり呑気で「バッファローといえばバッファローチキンだ!」と、チキンの話しかしない。俺たちはこんな男にツアーをオーガナイズしてもらったのか。まぁ面白いしいい奴なのだが、物販をさせるとグッズの横にチキンの食いカスが山盛りになっていたり、行動にも適当さが現れまくっていた。
 そんな男ではあるが、気のいいヤツですぐに仲良くなれた。ちなみに顔が昔の芸人せんだみつおに似ているので、俺たちの間では「せんだ」と呼び「ナハナハ」というせんだみつおのギャグも覚えさせたりはしてかなり打ち解けた関係になっていた。

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!