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#41 終わりは始まり

人物、バンド名等説明
・クリス
:POISON IDEAのドラムで、ISHIYAと同じ1967年生まれの未年なので、ふたりで「SHEEPS」と言いあう友人。
・HARD COREの細分化:元々はHARD CORE PUNKというひとつのものだったが、時代が進むにつれ細分化し、中には敵対関係のように他のPUNKを嫌う人間が各国のPUNKシーンに存在する。日本にもいるが、嘘で相手を貶める場合や、根拠の乏しい誹謗中傷による海外ツアー妨害なども見られる。この日のパーティーでも、D.I.Y PUNKシーンの人間が中心だったが、STAR STRANGKED BASTARDSのメンバーは、D.I.Yではないシーンのため、どうなるか危惧があった。しかし、FORWARDとWARHEADのライブ後パーティーということで打ち解けた、嬉しい日でもあった。
・ユウシ:日本で生まれたが、タトゥーアーティストとしてアメリカへ行木、アメリカで仲良くなった友人。現在はオランダ・アムステルダムに移住し、タトゥーアーティストとして活躍中。

#41 終わりは始まり

TRAGEDYと別れ、FORWARDとWARHEADは飛行機で西海岸の北部、オレゴン州ポートランドとワシントン州シアトルへ向かう。
 今回のツアーで1日2回のライブは、フィラデルフィアだけだったが、ポートランドは前回の例もあるので、いきなりライブというパターンも想定しておかなければならない。などと思っていたら、既に前回と同じ場所でのハウスショーが決まっていた。もうひとつのライブも、前回の大きめのライブハウスだ。両方とも経験のある場所なので戸惑うことはない。
 しかし今回のツアーは、かなり疲労感が大きい。前回も疲れたが、初めてだったために疲れよりも衝撃が上回り乗り越えられた。しかし今回は、終盤になって疲労が重くのしかかってくる。
 ライブを全力でやっているのだが、観客にも疲労が伝わってしまうらしい。ポートランドの最初のライブのあと、前回共演したPOISON IDEAのドラムで同い年のクリスに「ISHIYA。疲れているのか?」と言われてしまうほど、疲れが溜まっていたようだ。
 これではまずいと気合を入れ直し、翌日のハウスショーへ挑んだのだが、いい気なものでハウスショーという状況だと疲れを感じず、いつものように自分でも良いライブだと実感できるステージができた。
 不思議と、ハウスショーというライブは、俺のPUNKSとしての原点を呼び起こしてくれるシチュエーションだ。アメリカならではのものだし、日本では絶対経験できないハウスショーが、俺にはかあっているのだろう。実際ハウスショーやガレージショーと聞くと、テンションがあがってワクワクが止まらない。勝手なものである。

ハウスショーへ集まる観客

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30年以上に渡るバンド活動とモヒカンの髪型も今年で35年目。音楽での表現以外に、日本や海外、様々な場所での演奏経験や、10代から社会をドロップアウトした視点の文章を雑誌やWEBで執筆中。興味があれば是非サポートを!