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将棋から生まれた言葉たち
先日、「囲碁から生まれた言葉たち」という記事を投稿しました。
まさか「囲碁」を取り上げといて『将棋』を取り上げないなんてことはないよね?
と関係各位の声がどこからか聞こえた気がしたので今回は『将棋から生まれた言葉』です。
二番煎じと言わないで。
『王手(おうて)』
将棋では、
直接に王将を攻めたてる手。
そこから、
最終的な勝利を得るまであと一歩の段階。相手の死命を制するような決定的な手段。
という普段使っている意味になったそうです。
いや、そんなに普段使わないですね。
あくまで勝利まであと一歩の状態であり、勝利確定の場合には使いません。
なので次の言葉が存在します。
『逆王手(ぎゃくおうて)』
将棋では、
相手のかけた王手の対策として打った手が、逆に相手に対する王手になること。
転じて、
スポーツのリーグ戦などで、優勝候補とされる者を下位の者が追い上げ、逆転優勝の可能性が生じること。
という意味になったそうです。
「逆王手」をさらに「逆王手」したら何手言うのでしょう?
「逆逆王手」? それとも「王手」に戻る?
『成金(なりきん)』
将棋では、
歩兵が敵陣の三段目以内にはいって成ったもの。元の性能が消えて金将と同じ性能を持つ。成歩。と金。と。
転じて、
急に金持になること。また、その人。
という意味になったそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1660124494697-0nTb2fihj2.jpg?width=800)
第一次世界大戦の戦争特需による成金を描いた風刺画が有名。
『高飛車(たかびしゃ)』
将棋では、
浮飛車のこと。飛車先の歩を進め、飛車が定位置から2間上に出た形。序盤の攻撃の構えの一。
通常は自陣に控えさせる「飛車」を前に出し相手を威圧する攻撃的な戦法から転じて、
相手に対して高圧的な態度をとること。また、そのさま。
という意味になったそうです。
将棋の事がわからないといまいちピンと来ない由来ですね。
「飛車」って何それ美味しいの? とか聞かれたらお手上げです。
『持駒(もちごま)』
将棋では、
相手からとって自分の手もとに持ち、いつでも使用できる駒。
転じて、
いつでも必要なときに使えるように用意してある人や物。
という意味になったそうです。
手駒とも言います。
どちらにしろ現在の意味はあまり良いイメージではありませんね。
『詰み(つみ)』
将棋では、
詰むこと。王将がどこにも逃げられなくなること。
「王手」とは違い、勝敗が決した状態です。
現在ではネットスラングとして「確実に助からない状態」や「もはや全てが終わった状態」などに使われています。
『必死(ひっし)』
将棋では、
将棋で、受けの手がなく、詰みとなってしまう状態。また、そのさし手。必至。
転じて、
1 必ず死ぬこと。
2 死ぬ覚悟で全力を尽くすこと。また、そのさま。死にものぐるい。
という意味になったそうです。
「1」は字面からそのままで今ではほとんど使われず、「2」が普段使われる意味ですね。
任務完了。
これで将棋サイドから不公平だと言われることもなくなり一安心です。
ホッとしたところで最後にオススメ将棋漫画を紹介して締めといたしましょう。
『3月のライオン』
![](https://assets.st-note.com/img/1660129521973-35kyI7j0zU.jpg?width=800)
「ハチミツとクローバー」の羽海野チカさんによる将棋漫画。連載中。
アニメ・実写映画にもなっています。
温かみのある絵、ほっこりするような日常、しかしそれだけで終わらないのが羽海野先生。
一転して鋭く内面を抉るような心理描写も秀逸で、ただの鬱展開では終わらないのがお見事です。
もちろん将棋がまったくわからなくても全然問題ありません。
推しキャラは「あかりさん」と「二海堂君」。
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