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黒毛和牛肉、なぜ高いか知ってる?

どうも、石原牛の石原です。

今日のメインのおかずは何にしようかしら?
鶏肉?
豚肉?

黒毛和牛のお肉は…
お高いですよね~。

なぜ高いか説明します。



◎解説

結論:「かかっている経費が高いから」です。
これにつきます。

ではなぜ経費が膨大にかかるのでしょうか…?
比較するために、豚・鶏を見ていきましょう。

●豚

・妊娠期間:114日(年に2~2.2回出産可)
・一回の分娩で約10頭
・出荷までの日数:6カ月
・出荷時の生体重:110~115㎏
・1㎏増体するのに必要な飼料:3㎏


●鶏(ブロイラー)

・孵化までの期間:21日
・出荷までの日数:小型サイズは約4~5週間、大型サイズは約7週間
・出荷時の生体重:小型サイズは1.7㎏、大型サイズは3~3.5㎏
・1㎏増体するのに必要な飼料:2㎏


要点をまとめると、豚・鶏はこんな感じです。
次は注目の黒毛和牛を見ていきましょう。


●黒毛和牛

・妊娠期間:280日
・一回の分娩で1頭(双子、またはそれ以上の場合もありえる)
・出荷までの日数:30カ月
・出荷時の生体重:760㎏(弊社平均 約850㎏)
・1㎏増体するのに必要な飼料:10㎏

これが書物に書かれている一般的な黒毛和牛の数値です。


●黒毛和牛はコスパが悪い

数値でも分かるように、黒毛和牛は他と比べて圧倒的にかなり手間暇がかかります。
そしてその分コストがかかります
分かりやすい部分をピックアップすると、増体率です。
黒毛和牛は食べた物の10%しか身になりません
飼料をはじめ全ての高騰が続いている昨今、こういった部分でも黒毛和牛は苦労します。
さらに追い打ちをかけるのが出荷までの日数です。
30カ月ですよ、30カ月。
一頭出荷するのに30カ月もかかるんです。
そして一年に1頭しか生まれません。
お腹に入っている期間も含めれば、約40カ月もかかるんです。

●黒毛和牛は歩留り最悪

さらにさらに追い打ちなのが「歩留り」です。
まず歩留りという概念を説明しますと、
簡単に言うと食べられる部分、骨や内臓(食べられない部分)を取り除いた販売できるお肉としての割合のことです。
それでは各々の生体→精肉への歩留り変化を見ていきましょう。

・豚 44%
・鶏 43%
・黒毛和牛 36%

これを見て、「なんだ、10%も差はないじゃないか」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
しかし、
豚の出荷時が110㎏だとして、1%は1.1㎏
鶏の出荷時が7㎏だとして、1%は0.7㎏
黒毛和牛の出荷時が760㎏だとして、1%は7.6㎏

10%なら、どうでしょう…。

ということなのです。

●黒毛和牛はだから高い、だからこそ旨い。

だから黒毛和牛は高いんです。
だから黒毛和牛は旨いんです。
これだけ手間がかかっていて、不味いわけがないでしょう。


少し脱線しますが、豚・鶏は生まれてから出荷まで1つの農家で終始する一貫経営が主流です。
しかし黒毛和牛はの場合は、生まれてから10カ月程度までを育てる「繁殖農家」と、
その子牛をセリで購買し20カ月程度肥育して出荷する「肥育農家」と
分業するスタイルが主流です。
(※黒毛和牛も一貫経営は存在します。)

出荷までの日数が長い分、黒毛和牛は飼育方法が千差万別。
各農家によって何から何まで違ます。
そこも含めて奥が深いんです。

石原牛は弊社社長が修業時代を長野の村澤勲氏(村沢牛)に師事していたので、「村沢方式」という肥育法で育てています。

これは長くなるので、またの機会で記事にするかもです。



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