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戯曲公開『バスタブで遊泳するあなたへ』

2010年 第37回 テアトル・エコー 創作戯曲募集・佳作入選作品。

コメディの老舗劇団、テアトル・エコーさんから賞をいただいた作品です。
2013年にはリーディング上演していただきました。
もともとは日本劇作家協会・戯曲セミナー研修課コースにて井上ひさし先生に師事していた際、ご指導いただいていた作品です。初稿をお読みいただいた日が、先生とお会いした最期の日となってしまいました。
また受賞後すぐにテアトル・エコーさんが内部向けに朗読会を開いて下さったのですが、その際、熊倉一雄さんの隣の席に座らせていただきました。あのニコニコした笑顔で観ておられたのを覚えています。
この作品は二人の巨匠と巡り会わせてくれた、感慨深い作品となりました。
舞台装置がバスタブ6つであったり、登場人物が人魚(半魚人?)であったりするせいか、まだリーディング上演のみで、一般的な上演はされたことがありません。ぜひ舞台化の意欲がある演出家さんや劇団さんに出会えたらと願っています。

※上演を希望される場合は、戯曲の最終頁の「上演許可について」をご確認の上、必ず著者までご連絡ください。無断上演は禁じております。 

【ページ数】99ページ (全10場)
【上演時間】約120分
【キャスト数】12名(男8・女4)
【初演】2013年 テアトル・エコー SIDE B リーディング上演

【あらすじ】
会社員の成澤キミハルは人魚になってしまった。
自宅のバスルームで湯船に浸かっているうちに、気づいたら下半身が魚になっていたのだ。
入院することになったが、病院の離れにある大部屋に並んでいたのはベッドではなく、6つの白いバスタブだった。
入院患者たちはキミハルと同じように下半身が魚になってしまった者、反対に上半身が魚になった者、あるいは植物になってしまった者・・・人としての生活を営めなくなった者たちだった。
妻・マミコは妊娠中で出産予定日も近い。夫婦は立ち会い出産を希望していたが、人魚が立ち会った前例はなく、担当の産婦人科医を悩ませてしまう。
夫婦はお互いに助けたい・助けてほしいと思いながらも、人魚と妊婦の身ではそれもままならない。かと言って、人魚になったことを会社や周囲に話して助けを請う勇気もない。そして出産予定日が近づいて来る・・・
キミハルの足は戻るのか。
人魚はお産に立ち会えるのか。
患者たちはバスタブから出られるのか。
その家族はどこまで寄り添えるのか。
6つのバスタブの患者たちと家族が織りなす、異形ゆらゆらコメディ。

 「じつは僕、入院していまして・・・すみません、黙ってて。
  人魚になってしまいました。
  人間としては病気ですが、人魚としては健康そのものだそうです」

バスタブp1

バスタブp2

バスタブp3

バスタブp4

バスタブp5

バスタブp6

バスタブp7

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 石原美か子website http://www.ishiharamikako.com/


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