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日本映画「クレイジークルーズ」

主演:吉沢亮、宮崎あおい、吉田羊、菊地凛子、永山絢斗、泉澤祐希、蒔田彩珠、長谷川初範、高岡早紀、安田顕
2023年 127分
いしゃーしゃ的オススメ度:★☆☆☆☆
(写真=Netflixより)

あー、これは観なくても良かったわ。。。
私はクルーズには数回行ったことがあり、結構好きなので、あまりきちんとあらすじとかも読まずにクルーズ船を観たくて視聴。

エーゲ海に向かう巨大な豪華クルーズ船・MSCベリッシマを舞台に、お客様からの注文に無心で仕えるバトラー・冲方優(うぶかたすぐる/吉沢亮)と、ある目的のために客船に乗り込んできた謎の女性・盤若千弦(ばんじゃくちづる/宮﨑あおい)が、船上で起きた殺人事件の謎に迫っていくミステリー&ロマンティックコメディ。

Filmarksより

ありえないつまらなさだったんですけど!

途中まで観て、あまりのつまらなさに心が折れそうになり、調べたら、あ。。。坂元裕二か。。。納得。
私はあの会話劇が苦手で、彼の脚本の最近のドラマはほとんど全て挫折しているので(今調べたら、15年ぐらい前のARATA様のとつよぽんのは完走している)、仕方がないかと思ったが、船も見たいし、2時間ほどの映画なので、なんとか完走。
いやぁ、でもここ最近、ここまでつまらない作品は観た記憶がない。

ダメダメポイント満載!

❌何を伝えたかったの?

まず、あらすじに「ミステリー&ロマンティックコメディー」とあるが、何がミステリーで、何がロマンティックで、何がコメディーだったのか???

視聴者を惹きつける要素の全くない、訳のわからないミステリー。
金持ちの親父が船上で死んでしまう。しかも殺人事件なわけだが、まずこの時点でクルーズの旅を続けられることが信じられない。どこかしらの寄港地(本作の場合なら香港だと思うが)の警察、日本人の客なので日本の警察、あるいはこのMSCベリッシマ号はマルタの船籍らしいので、マルタ警察が来るべきではないのか?警察の介入がないところが納得できない。
アガサ・クリスティー的なものを狙っていたのかもしれないが、意味不明。
吉田羊演じる船長がおちゃらけているのも信じられない。

そして、ロマンティックな要素が一切なし。
吉沢亮と宮崎あおいのケミも全く感じられなかった。クルーズ船を舞台にしたロマンティックな王道といえば、やはり世界的には『タイタニック』があるし、アジアなら『ハートに命中!100%』が挙げられるが、その足元にも全く及んでいない。

で、どこがコメディー?
おそらく受けを狙っている箇所があったのだとは思うが、ひたすら寒いだけで、なんだか豪華俳優の無駄遣い。

❌クルーズ船の魅力が出されていない

上記のように、私は何度かクルーズに行っており、MSCの船にも乗っているのだが、本作を観ていて、船内の様々なシーンに色々と違和感を感じた。調べてみたら案の定、実際に船内で撮影したのではなく、セットだった。コロナの影響でMSCベリッシマ号が日本に入港できず、止むを得ずセットでの撮影となったらしい。

これは仕方ないだろう。
MSCベリッシマ号のサイトを色々とみたが、まあ、セットをある程度同じように作った努力は認める。

写真をクリックすると公式サイトへ(MSC CRUISE公式サイトより)

ただ、やはり撮影期間はコロナ禍という特殊な状況であったとはいえ、ライバル会社「コスタ・クルーズ」の客船を舞台とした『運命100%の恋』では、キャビンからレストラン、カジノ、デッキまで船内の魅力がとても上手く撮影されていたので、本作のセットで撮影とは大違い。残念な出来になってしまっていた。

また、クルーズ船というのは満員ならば、とにかく24時間、どこでもいつでも人がいっぱいいるのである。私が乗船したMSCの船はこれより少し小さいものだったが、この船は乗客定員4500人、特に事件現場のプールサイドがほぼ無人という状況はありえない。
昼間は日光浴を楽しむ人たち、夜はディスコのようになり、パリピで溢れるのである。

❌なんだか全体的に古臭い

MSCやコスタは、ここ数年、より「カジュアルなクルーズ」というのを打ち出している。期間を短くし、より多くの若い人にも乗船しやすいようなルートとプログラムを多く出しているのが特徴である。
2019年3月に初航海したMSCベリッシマ号も、現在ではアジアを中心に3泊4日からのクルーズを販売している。

最新の船と言える訳だが、劇中での船内の登場人物の雰囲気やその他の演出というのが、なんだかタイタニック号かなんかのような古さで、時代錯誤なのだ。
「レトロ」と言ったら聞こえはいいかもしれないが、そうではなく、なんか一昔前のクルーズ船のイメージに仕上がってしまっているのがなんとも残念であった。

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坂元裕二作品のファンの方や、推しのキャストが出ているなら観てもいいかもしれないが、ちょっとネトフリにしてはお粗末な出来の作品だった印象が拭えない。。。

こちらが予告編。


こちらは実際に乗船されたasaotoさんのMSCベリッシマ乗船記!本作と同じようなバトラーのいるヨットクラブに乗られたようで、羨ましい!(てか、大変だったようですが。。。)


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