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台湾LGBT映画「藍色夏恋」(蓝色大门)

主演:グイ・ルンメイ(桂纶镁)、チェン・ボーリン(陈柏霖)、リャン・シューホイ(梁又琳)
2002年 83分
いしゃーしゃ的オススメ度:★★★★☆
(写真=eiga.comより、(C)ARCHETYPE CREATIVE LTD all rights reserved)

フォローしているnoterさんからのオススメもあり、ずっと観ようと思っていたこの作品。現在アマプラで配信中だが、プライムビデオも頻繁にチェックしていないと、急に配信終了になってしまったりするので、長くリストに入れてあるものは観ていかないといけない。プライムでの配信が終了になっても、レンタルができるのならいいが、配信形態からなくなってしまうものも結構多いと気がついたので、早めに観ておこうと決心した次第である。

高校生の淡い恋物語

グイ・ルンメイ演じる女子高生モン・クーロウ(孟克柔)は、リャン・シューホイ演じる親友のリン・ユエチェン(林月珍)から頼まれて、彼女の好きな男子校生、チェン・ボーリン演じるチャン・シーハオ(士豪)にラブレターを渡すことになった。
しかし、シーハオはクーロウのことを気に入ってしまう。

シーハオのアタックを受け、ユエチェンに申し訳ないとは思いながらも、クーロウはあることを確かめたくて、シーハオとデートしてみる。そして彼からあまりにもしつこく迫られるため、クーロウは自分の秘密を打ち明けることにするのだった。

自分のセクシュアリティについての悩み

相変わらずあらすじもろくに読まずに観始めた本作、Coming of ageものとはわかっていたが、LGBTの要素があるとは正直知らなかった。約20年前の作品なので、まだそういうカテゴリーもなかったと言える。
ここではクーロウがシーハオとデートして確かめたかったこと、それは自分のセクシュアリティである。ユエチェンからシーハオとの仲を取り持つよう頼まれるも、最初はずっと断り続ける。ただ面倒くさいだけかと思っていたら、そうではなかったのだ。
自分の好きなユエチェンが男子にとられてしまう。。。
でも自分は女の子のことが好きなんだろうか。。。
彼女のそんな葛藤、苦しみがとてもよく描かれていた。

藍色の門を越えてみる

邦題には「夏恋」という言葉が使われているが、原題は「藍色大門」。そして英題は「Blue Gate Crossing」。
藍色、あるいはインディゴというのはカラーセラピーなどによれば、

青をさらに深くした色→心の奥深くをみる色

というもので、自分が何者なのか、自分を知ろうとするときに惹かれる色らしい。(注:いろいろなカラーセラピーのサイトを見て、こんな解釈が多いと感じたが、間違っているかもしれません)
本作では藍色のオブジェや何かが特にフォーカスされているわけではない(あるいは私が気が付かなかっただけか?)。藍色というのはあくまでもシンボルであったと思うが、どうだろう。クーロウが自分のセクシュアリティについて気がついたとき、やっと大きな壁(大門)を越えることができた、そんな感じだろうか。しかし、彼女が越えたのはやっと一つの門で、まだまだこれからいろいろな門を開けていかなければならないだろう。
ちょっと前に視聴した香港LGBT映画「FOREVER 17 (推開世界的門)」にもあったように、こういうテーマの作品に「門」という字が使われるのは意味があるのだと思った。なので、邦題、ちょっと残念だなぁ。
青、藍色、インディゴ、ダークブルーがタイトルに使われるのも、意味があるのだと一人で納得した次第である。

というわけで、こちらのnoterさんたちの記事に感謝。
広葉さんの記事で読んで以来、ずっとチェン・ボーリンが気になっていたので、観てよかった!

本作をより映像の視点から考察した記事を書いていらっしゃるこちらの衣川正和氏の記事もオススメ。

こちらがチーア・チェン(陳綺貞)が歌う主題歌「小步舞曲 A little step」♪映画のシーンも使われている。


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