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note創作大賞とは何なのか?そして、イケてる応募作品①

昨年(2023年)の秋からnoteに記事を投稿しているのだが、特に私自身が有名でもなければ記事の内容にも話題性は無いので、大抵の記事はせいぜい50~100ビュー止まりになっている。
それでも、たまたま誰かの目に留まったかnoteのおすすめに引っかかるようになったであろうものがあると、1,000ビューを越えるかどうかのビュー数になる記事がチラホラ出るようになった。

自分でも大して上手いとは思えない記事であるから、これだけの方々に読んでもらえているか、あるいは読んではもらえていないのかもしれないけれども、それでも目に留めていただけるのは、十分ありがたい限りではある。
しかし、人間というのは数字を目の前に出されると欲が出るもので、もっとビュー数を稼ぎたい、スキを付けてもらいたいと欲が出てしまう。

ところで、noteの機能にはキーワードで検索をして、人気順に記事を表示する機能がある。
この機能を使うと、私の記事と同じジャンルや同じタグの付いた記事でも、私の記事の10倍以上のスキが付いている記事を探して見れるようになっている。
スキが何百、何千とついている記事はさぞや面白かろうと、敵情視察の意味もあるが、謙虚に優秀なクリエイターの成果を見たいという気持ちもあり、それらの記事を見てみる。
すると、これらの記事が私の記事より10倍面白いかというと、、、たとえばイラスト付き、マンガ付きの記事であれば、それはもうコンテンツとして魅力や対象とする読者層の厚さが、文字と写真だけの記事とは全く違うから勝ち目が無いのはわかるのだが、私と同じような文字と写真だけの記事を見ると、正直、これが?というのもある。結構ある。

上で自分の記事を「大して上手くない」と謙遜をした舌の根の乾かぬ内に、このような有様であるが、そう思っちゃったのだから仕方ない。

とはいえ、これらの感想はきわめて個人的で主観的なものに違いない。
客観的に見たら、ビュー数やスキ数の多い記事は、やはり面白い記事で、私の記事はつまらない、取るに足らない記事でしかないのだろう。
このあたり、できるのならば信頼のおける知人などに私の記事のレビューを依頼したいのだが、私の記事には私個人に関する、あまり知人や職場の人間には知られたくない情報も含まれている。
そのような記事を、知人に見せてどうだ面白いだろ、なんてやったら、これはもはやアレの部類になってしまう。

では、どうしたものかと思案をしていたところ、noteにはnote創作大賞という投稿記事のコンテストが毎年催されていて、受賞作品であれば審査員の寸評が得られる。
これに応募して受賞をすれば、私の記事の評価も得られるというものだが、当たり前だが私の記事が受賞する可能性は、限りなく低い。
可能性は低いけど、応募しなければ受賞はしないのだし、私の作品より優れているとされた受賞作品とその寸評を見れば、少しは今後の私の記事執筆にも役に立つかもしれないと思い、これまで投稿した記事と、直近の記事の何件かに「創作大賞2024」のタグと、部門別のタグをつけて投稿した。

さて、1,200字以上を使ってだらだらと前置きを書いたが、せっかく応募をしたnote創作大賞について、そもそもこのコンテストは何なのか、あとは他の方の応募記事の感想を書いていきたいと思う。

貧しい一応募者の視点として、である。


note創作大賞とは何なのか?

note創作大賞とは何なのか?という問いの答えは、note公式で公開しているnote創作大賞2024の募集開始記事を見れば自明である。

しかし、この記事の内容をもって、「note創作大賞とは何なのか?」の回答としてしまっては、何の芸も無いので、もう少し深掘りをしてみたい。

note創作大賞の協賛メディア

note創作大賞のトップ画像の下部には、数々の協賛メディアが名を連ねている。

note創作大賞2024の協賛メディア

note創作大賞では、note公式でも賞を決めるが、これら協賛メディアも独自に最終選考を実施して賞を与えるシステムとなっている。

こうなると当たり前だが、朝日新聞とプレジデントオンラインと主婦と生活社が、全く同じ選考基準であるとは思えない。
メディアにはメディアの色があり、各メディアを支持する読者層がある。

この協賛メディアから、求めている作品は多様だと推測できる。

note創作大賞は商用メディアの作家品評会

これだけの商用メディアが名を連ねて、note創作大賞を開催するのであるから、協賛として参加しているメディアの目的は明白である。

「自分のところで使えそうなライターの発掘」だ。

ここで注意したいのは「ライターの発掘」であって「優秀作品の選出」ではない点だ。
表向きは作品の選出を旨としているかもしれないが、優秀作品を選んでも、その受賞した作者が今後、メディアと契約してコンスタントに品質を維持して作品を発表してもらわないと、賞を与える協賛メディア側としてはあまり価値は無い。

一つだけでも優秀な作品を作れるのも重要だが、コンスタントに品質を維持した成果を出せるクリエイターであるかどうかも、影の選考基準となっているだろう。

あらためて、異なる立場の三者が、それぞれ別のメリットでnote創作大賞に参加しているのを確認しておきたい。

  • note公式:noteの利用活発化。noteに面白い記事が多いという世評が広がれば、noteの利用数が増え、有料記事売上や商用利用が向上して収益増につながる。

  • 協賛メディア:自メディアで使える作家、記者の発掘。いつまでも同じ作家を使っていると時代の流れに乗り遅れるから新陳代謝をしたい。自前でコンテストをするには知名度も低いし、選考作業に莫大なコストがかかるのをカットできる。

  • 参加クリエーター:入賞すれば、自分の投稿記事と自分自身の知名度を上げられる。書籍化、映画化すればそこから収益を得られる。有料記事を公開していれば、売上アップを見込める。

中間審査を突破する基準

この記事を書いている6月3日の時点で「創作大賞2024」タグが付いている記事は40,000件を越えている。
おそらく、締め切りの7月23日までの応募総数は10万件を軽く超えるものと思われる。

7月23日に応募締め切りで9月中旬に中間発表とあるから、おそらくその間の2カ月間で応募作品の中から中間選考に残す記事を選ぶのだろう。

この中間選考の作業を想像してみる。

中間選考の期間は2カ月である。
中間選考に協賛メディアは参加せず、noteのみで選考を行うものとされている。
自前でコンテストを開催した際に発生する、多数の応募作品の中間選考にかかるコストを削減できるのが、協賛メディアにとってのnote創作大賞に参加する最大のメリットであるだろう。

中間選考は記事の良し悪しというより、基準に満たない記事の足切りをする選考だろう。
とはいえ、中間選考での選考基準が審査員によって偏ってはいけないだろうから、何百人もの大人数に分けての審査はできないだろうし、それほどの人数を短期間の臨時雇いでは中々集められない。
常駐のnote職員を含めてせいぜい10~20人で、この中間選考をしなければならないと思われる。
多めに見積もって、中間選考の人数を20人として、この人数で7月24日から9月中旬までに選考をすると、どうなるだろうか?

10万件の応募記事に対して、一件の記事にどれだけの時間を費やせるか?
単純に期間は2カ月であるから40日の営業日に20人の人員、一日一人の作業時間を8時間とすれば、全体で6,400人時の工数をかけることができる。
これから一つの応募記事に対応できる時間を出すのであるが、すでに一つの記事に数時間はかけられないのは見えているから、6,400人時を人分になおす。すると、384,000人分である。

これに対して、応募作品は10万件。

10万件の応募記事に対して384,000人分の工数で全ての記事を見るのであるから、一件の記事にかけられる時間は3.84分しかない。3分50秒である。50秒という数値の正確さに意味は無いから、以降は4分弱と表記する。
次から次へと応募記事を選考するのに、一つの記事にかけられる時間は4分弱である。

4分弱で記事を評価するのであるから、「最後まで読めば面白い」記事では失格になるだろうというのは、想像に難くない。
そういう記事を売り込みたいのであれば、多数の応募があるこの手のコンテストでの入賞は諦めた方が良い。
どこかの編集部に持ち込んで、直接編集者に見てもらうべきだ。

他にも、絶対に中間選考に通らないであろう記事は、以下のようなものがあるだろう。

  • 応募条件を満たしていない

  • 見出し画像かタイトルがキャッチーではない

  • 冒頭の文章がつまらない

  • NGワード(差別語、放送禁止用語、スラング)が含まれる

  • 記事全体の文体や書きっぷりが、商用メディアにそぐわない

これらの一つでも当てはまれば、どんなに内容が面白く素晴らしいとしても、絶対に中間選考は通らないだろう。

実際の選考では、各審査員にもっと具体的な審査基準が示されているのだろうけど、おそらくこれらの審査基準が設定されていると予想する。
それぞれ、見ていきたい。

応募条件を満たしていない

これは、当たり前のようであるが、意外な盲点でもある。

例えば小説部門であれば、「文字数は2万字〜14万字まで」と「作品の冒頭に、あらすじを記入します。文字数は300字までです」というのがあるが、特に「冒頭に300文字までのあらすじ」を満たしていない応募作品が意外に多い。
たしかに、読者にとって意外な展開をする小説であれば、冒頭にあらすじを書きたくないだろうけど、この条件を満たさずに応募すれば、無条件で失格になるはずである。
プロを目指すのであれば、提示された条件を満たすように作品を作るのも、プロの仕事である。
note創作大賞の応募者全員がプロを目指しているわけではないだろうけど、審査員は間違いなくプロになれるかどうかという目線で審査をしている。

あと、意外にも多いのが「創作大賞2024」タグは付けているのに、応募部門のタグを付けていない記事がある。
これらは、当然だが、選考対象外で失格となってしまうだろう。

見出し画像かタイトルがキャッチーではない

タイトルは凡庸だけど中身は面白いんだ、なんて言っても10万件近い作品の中からそれを見つけてもらおうなんて考えは、クリエイター側の傲慢だろう。
第一印象のインパクト、他の記事と並べられた時に目立つ要素、これらを出せない作品や作者に光が当たる機会はないはずだ。

であれば、やはりタイトルが平凡であったり、見出し画像が目を引くものでなければ、審査員の目には留まらず見捨てられるだろう。

凡庸なタイトルから、読んでいくうちに読者を引き込んで魅了する作品は、有名になって固定ファンが付いてから、いくらでも書けばよい。
まずは、10万件の記事に埋もれず、タイトルと見出しで目を引くことだ。

冒頭の文章がつまらない

応募条件を満たした、タイトルも際立ってはいないが、読んでみたいと思わせるようなタイトルは付けた。

では、中間選考の審査員がどこまでその記事を読んでくれるかといえば、流し読みであれば3分で10,000字は読めるかもしれないが、審査のための精読で読めるのは、せいぜい最初の1,000字程度ではないだろうか。
参考として、ニュースを読むのは平均で1分に300字程度らしいから、3分で1,000字という精読の分量は適当だと思う。
漫画部門は、短編であれば最後まで目を通してくれるかもしれないが、長編で何件にも記事を分割した作品であれば、最初の1件目で合否が決まるだろう。

何度も書くが、中間選考の審査員がひとつの記事にかけられる時間は、おそらく4分弱である。自動的に振り落とす記事があっても、せいぜい5分程度。どんなに長くても、一件の記事の審査に10分以上の時間をかけるとは期待できない。
すると最初の3分間で審査できる冒頭の内容で、続きも読みたいと思わせなければ、それで審査は終わり、中間審査は落選となるはずだ。

であれば、冒頭の1,000字までで読者の心をつかみ、続きが気になるようなしかけを仕込まないといけない。
間違っても「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」であってはいけない。
読んでいけばいずれわかるとか、最初は我慢しても最後は面白くなる、といった作品ではダメなのだ。
読者の信頼~このまま読み進めても面白いという信頼~を、記事の冒頭で勝ち取らないといけない。

NGワード(差別語、放送禁止用語、スラング)が含まれる

これは、もう問題外である。

私の想像だが、NGワードが含まれる記事は機械的に選別・排除されて、審査員の目に入る前に失格となるのではないだろうか。
何度も書くが、note創作大賞は商用メディアの作家選評会である。
商用メディアに載せられない記事は、門前払いだと思っておいた方が良い。

記事全体の文体や書きっぷりが、商用メディアにそぐわない

商用メディアというのは、多数の読者を相手にしているのだから、文章や漫画の書体や形式も、一般的なもの、常識的なもの、これまで使われてきたものが求められるはずだ。
見たことない前衛的な表現は、極々一部の読者には受け入れられるかもしれないが、なかなか多数の読者に受け入れられるものではない。

あと、これは勝手な想像だが、詩的な表現も審査に受かるのは厳しいと思う。
詩は、日本では商用コンテンツになりにくいからだ。

あくまで、記事の内容に意外性や独創性はあっても、表現形式は一般的なものを踏襲していないと、受け入れられはしないだろう。

最終審査で選ばれる記事

最終審査は、note公式の他に、各協賛メディアが独自に審査をして入賞を決める。
その点も考慮して、最終審査で選ばれて入賞するには、以下の考慮が必要になるはずである。

  • プロの目にかなう記事

  • 協賛メディアの方針や読者層に合った記事

  • 協賛メディアの政治的信条や倫理事項に合っている記事

  • 「パクリだけ」ではない記事

  • 審査員の好みに合う記事

  • 一発ネタの記事ではない

プロの目にかなう記事

やはり、プロというのは仕事にしていて、それで食っているわけであるから、素人は知らない知識、スキル、技術を持っている。
審査員は文章のプロであるから、応募記事の文章においても、「絶対に売れる文章」まではわからなくても、「これは売れない文章」というものはわかる。
その選別眼は持っている。

文法がおかしい、言い回しがくどい、内容の焦点がぼやけているなんて記事は、やはり売り物にはならないだろうし、そういう記事にならないためには具体的にどうしたらよいか、どう直せばよいかというノウハウを持っている。

商用の記事となれば校正が入るから、校正で直る範囲であれば審査員のお目こぼしがあるかもしれないが、校正による修正だけではどうにもならない記事であれば、やはり入賞は難しいだろう。

協賛メディアの方針や読者層に合った記事

審査する協賛メディアは多岐に渡っているが、応募作品はその中でも特定のメディアに刺さる内容である方が、入賞確率は上がるだろう。

協賛メディアに角川ホラー文庫と光文社はあるが、岩波書店はない。
であれば、岩波書店向けの小説を書いても入賞は難しいだろうし、やはり、角川ホラー文庫か光文社のどちらかの主要読者層に絞った作品にした方が良いはずだ。

これは、入賞して作家デビューした後、メディアに掲載するコンテンツを売っていく作家になるのであれば、それで食っていくのに必須のスキルだと思う。

協賛メディアの政治的信条や倫理事項に合っている記事

たとえば、朝日新聞が政治信条的に中立でないのは、今更言うことでもないだろう。
彼らには彼らの正義があるのだ。

別にゾルゲや尾崎秀実やレーニンや毛沢東などを、ことさら持ち上げる必要はないだろうけど、いたずらに彼らの政治信条を挑発するような内容の記事を書いても、当たり前だが朝日新聞には選ばれないだろう。
露骨な内容であれば、他の協賛メディアだって横のつながりはあるだろうから、あえて入賞させたりはしないだろう。

2024年現在、世界的にLGBTQやSDGsは必ず守らなければならない常識的な倫理となっている。
このような世間の流れに逆らって疑問を呈する内容の記事を応募するのは自由だけど、その記事を入賞させるには、作者よりも入賞させる企業側の方がむしろ大きいリスクを負う。
そういうリスクを積極的に負ってくれるような企業は、昨今は特に少ない。
このような作品は、限りなく入賞の可能性が低いと思っておきたい。

「パクリだけ」ではない記事

またまた書くが、note創作大賞は商用クリエイターの品評会だと認識しておくべきだ。
すると、いくら面白い内容でも、すでに世間で大成している作家やライターの二番煎じで、それにクリエイターの個性を付け加えられないようでは入賞の可能性は低い。

あるいは、全くの二番煎じであっても、同じ品質の作品を低価格で請け負って安定して作品を生産できるクリエイターであれば、拾う価値はあるかもしれないが、中々、そのようなクリエイターは多くないだろう。

審査員の好みに合う記事

審査員も人間であるから、結局その個人に刺さるような内容でなければ、入賞は難しいだろう。
もちろん、審査員個人に刺さる以前に、一般的な様々な基準を満たしている必要はある。

それでも、おそらく10万以上の作品の中から、一つあるいは数件の作品を選ぶのだから、そこに残るにはどうしても審査員の個人の好みが反映される。
であれば、一度のコンテストで落選したとしても、それで、自分の作品はダメなんだ、自分には才能が無いのだと見切りをつけるのも早計というものだろう。

一発ネタの記事ではない

記事としては面白くても、内容が一発ネタ、奇跡的な面白いネタであって、そう何度も出せないような絶妙な内容であると、中々入賞はできないだろう。
それよりも、平凡で凡庸な内容を、読者が最後まで目を離さずに読み通してお金を払っても良いと思える品質の作品に仕上げる方が、入賞確率は高いと思われる。

これは、上で書いたnote創作大賞とはどのようなコンテストかを振り返れば自明だろう。
決して、一番面白い記事や作品が選ばれるコンテストではない。
あくまで、note創作大賞とはプロ作家の品評会なのだ。

note創作大賞の応募作品からイケてる記事を探す

さて、ここまでnote創作大賞の意義や選考について、色々と推測をしてみたので、実際にnote創作大賞の応募作品となっている投稿記事の中で、入賞しそうな記事を探していきたいと思う。

果たして、こうして選んでみた記事が本当に入賞するかは定かではないが、ざっと検索して出てきた記事の上位から、目に留まった記事をピックアップした。

創作漫画部門

やはり、読者層が厚い漫画部門が最も注目されるだろうし、商業的にも当たれば大きい。
一方で、ただの文章とは違い、作者のスキルによる作品の品質の差が大きく出てしまうジャンルでもある。

そんな漫画部門の中で、これはというものをさらってみる。

【創作漫画】しあわせなら手をたたこう

まず、見出し画像の女の子が可愛い。

主人公の女の子は、片思いの好きな男の子とハイタッチがしたいという、自己評価が超低い女の子の恋の行方を主題にして、最後まで主題がブレずに読者を引き付けようとしている点が、好印象で中々良いように思えた。

絵柄は少女漫画風で、あまり私が読むジャンルではないが、読んでいて拒否反応やストレスを感じないので、それだけでもかなりレベルの高い作品のように思われる。

【障害児のママは神様に選ばれたと言われて】第1話

絵が丁寧に書かれているなというのと、作品内容がブレてないなというのを感じた。
あと、マンガ内で余白をうまく使う漫画家さんだなとも思った。

#1 ブルーマンデー 【それでも働くゾウの4コマ】

ヘタウマ漫画でどうにか読めるものを探したら出てきた。

ヘタウマ漫画は本当に下手なだけの作品が多いなかで、これは良い感じでゆるーい雰囲気を絵と内容で出せているように思える。

漫画原作部門

漫画では稀に原作と作画が別の作者になっている作品がある。

そのような漫画で読者が目にするのは完成品の漫画のみであるから、漫画原作というのは、一般読者には目に入らないジャンルである。

そのようなジャンルに、素人の私が良し悪しを決められるはずもないのだが、どうにかがんばって「これは漫画化したら面白そうだ」というものをピックアップした。

余命80年は長すぎる! 第1話

タイトルがキャッチーなのと、とりあえず初盤は話が盛り上がるので、ピックアップした。
私の漫画原作の選別眼に自信はないが、応募作品の中では品質が高いように思えた。

「捨てられた建築デザイナーは秘密を抱えた天才建築家に愛される」第1話

果たして、これを原作にした漫画が面白いのかわからないけど、とりあえず第1話の最後まで読める作品だった。

多分、内容は仕事も絡んだ恋愛もので、「課長島耕作」並みのエリートご都合主義ストーリーなんだろうけど、漫画のプロットというのはそれくらいの方が良いと思う。

レシピ部門

料理レシピには、ブームがあるように思う。

ガチガチのプロの技を伝授するのがブームになったと思えば、家庭で簡単にできるものに急に振れたりする。
少し前ならば、アウトドアブームに乗じてアウトドアレシピが流行っただろうし、コロナ渦では家籠りレシピの需要が高かっただろう。

今はどんなレシピの需要が高いのだろうか。
あるいは、新たな魅力を提示して需要を掘り起こせば、大当たりが期待できるかもしれない。
記事の品質が基準を満たすものであるのに加えて、世間のブームに乗るか起こさないといけない点で、普遍的な作品の優劣だけでは決まらない、狙って入賞するのが最も難しい部門かもしれない。

失敗点をすべて解説!きれいなかためプリンの作り方

「レシピ部門」タグの人気最上位にいた記事である。

レシピ記事は、要はハウツー情報であるが、失敗点の解説を丁寧にしている点が、この記事の最大の特徴だ。もちろんその分、読者にとっては冗長な記事になるし、書いている方もパワーがいると思うが、よくぞ書ききったと言いたい記事である。

アジフライの下克上

レシピ記事として内容は平凡だが、タイトルに下克上と入れてフライに順列をつけているあたりに、作者のセンスを感じさせる。
この世界観が広がると面白いかも。

「これはズルい」今川焼をさらに美味しく食べる方法を知ってほしい「背徳感がすごい」「1日1個まで」【至高の食べ方】

今川焼を二度焼きしてバターを載せるという、言われてみれば旨そうなレシピというかライフハック記事。
レシピとしては邪道だし、一発ネタ的な要素がつよいので、おそらく入賞はしないのだろうけど、こういう記事がnoteの真骨頂のようにも思う。

エッセイ部門

おそらく、エッセイ部門が最も応募数の多い部門ではないかと思われる。

一方で、審査側、主催者側から見れば、最もジャンルが曖昧で幅広くもあるから、審査の目も厳しく、そう簡単に入賞はできないだろうというのも、想像に難くない。

私なりにピックアップをしたが、この作品が良作とされ、入賞作品になるかどうかは、どうにも自信が無い。
それは、感情的に共感したくなる作品が多いからだろう。

重力を軽くする少年

全体的に軽い印象でありながら、鬱を息子に救われている現状を素直につづった、読んでいて気持ちの良い文章である。
後半の写真にもセンスを感じる。

夫から届いた暗号。

短い文章内で読者に謎を提示して、謎の答えは何だろうと引き付ける構成がお見事。
危うさのない、ほのぼのとした夫婦のやり取りであるのも、安心して読める。

憧憬

note上の段落分けをせず、一気に最後まで読ませる小品。
決して奇をてらった内容ではなく、読むのにストレスのない文章なので一気に読める。
この方の文章は、もっと長く重厚な作品を読みたいと思わせるものがある。

さいごに

あらためて、他人の記事を色々と読んでみると、note記事の魅力というものも見えたように思う。

私の記事は、ほとんどが10,000字越えのやたらと文字数の多いものばかりで、読者の方にとっては読みづらいことこの上ないのだろう。
そのような記事ばかり書いている私にとって、短い文章と写真で読者の感動を勝ち取れる記事を書ける人は、純粋に尊敬してしまう。

こうして感想を書くために、他人の作品を色々見て回ったら、思わぬ発見や感動があったから、再度note創作大賞の感想記事を書いてみたいと思えた。

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