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新婚旅行でアラスカに行く話 #4

はいどーも、いさなです。
今回も、新婚旅行でアラスカに行く話です。

前回は、アラスカへ向けた準備についてまとめました。

今回は、旅程の中でも最も長く(8泊)滞在する、ナショナルパーク“デナリ国立公園”について詳しくまとめようと思います。

デナリ国立公園とは

デナリ国立公園は、アメリカにある59の国立公園のうちの1つです。アラスカ州内陸部に位置し、北米最高峰の“デナリ(マッキンリー山)”やゴールドラッシュ の遺産として残る廃墟の街“カンティシュナ”を含んでいます。国立公園の面積は、24,585 km²(9,492 平方マイル)で、日本の四国よりも一回り大きいという驚きのサイズとなっています。

デナリ国立公園には、入り口から西に90マイル続く“パークロード”という道があります。来場したキャンパーやハイカーは専用のバスに乗り、この道を辿って目的のエリアへと向かいます。キャンパー専用のキャンパーバスや、日帰りのお客さんのためのツアーバスなど、さまざまな路線が存在します。最奥地にあるキャンプ場“ワンダーレイクキャンプグラウンド”まで7時間かけて走るバスなどもあります。

手付かずの自然が残されているデナリ国立公園は野生動物の楽園でもあります。バスの中から動物を見つけた際にはバスは走行をやめ、動物の撮影大会が始まるのだとか。

公園入り口付近の“デナリナショナルパークビジターセンター”、パークロードの66マイル地点にある“アイルソンビジターセンター”には動物の生態やデナリ国立公園にまつわる歴史の展示などがあり、“アウトドアガチ勢”以外でも楽しめるコンテンツが用意されています。
ビジターセンターにはデナリ国立公園のスタッフであるレンジャーがいて、困りごとから素朴な疑問、滞在中のアクティビティにまつわるアドバイスなど、丁寧な英語で対応して頂けます。

アンカレッジから観光バスを使ってアクセスするのが一般的ですが、古くから親しまれている“アラスカ鉄道”も独特の旅情があり人気です。

独創的な植生

公園全体を走るアラスカ山脈の地形によって、独創的な植生が見られます。アラスカの代表的な植生であるツンドラ(ほとんどコケしか生えない)とタイガ(低木の針葉樹林)に加え、氷河由来の川と氷河に削られた山々、アラスカ固有の動物などを観察することができます。さらに特筆すべきは、植生が切り替わるボーダーライン(緯度、気温、標高などの複合的な要素)に位置した公園のため、トレイルを歩いているうちにみるみると植生が変化していく様を楽しむことができるという点です。

タイガ

ウェットツンドラ

ドライツンドラ

6つのキャンプグランウンド

デナリ国立公園には、予約さえできれば誰でも利用可能なキャンプグラウンドが6つあります。それぞれのキャンプ地ごとに特色があり、設備も全く違うため、複数のキャンプグラウンドをはしごする連泊をするのも楽しそうです。

Riley Creek Campground

デナリ国立公園の最も入り口付近にあるキャンプグラウンドで、公園内に滞在する人は一度はこのキャンプグラウンドに泊まるのではないでしょうか。車での乗り入れも可能(RVキャンプグラウンドというらしい)で、水場、トイレ、売店(ビールとか生理用品とかも買えます)、ゴミ箱、シャワー、ランドリー等の設備もあります。焚き火も可能で、もちろん薪も購入できます。

Savage River Campground

パークロード13マイル地点にあるキャンプグラウンド。スプルースの森の中にあり、晴れた日にはデナリを望むこともできるそうです。
設備は水場、トイレ、ゴミ箱で、車の乗り入れが可能となってます。

Sanctuary River Campground

サンクチュアリーリバーキャンプグラウンドはパークロード23マイル地点にあります。このキャンプグラウンドには7つしかテントサイトが無く、サイトとサイトの間も離れていて森が深いので、自然を満喫するのにうってつけのキャンプグラウンドとなっています。
設備は非水洗式のトイレのみとなっており、水場すらない為、必要な水は持っていくか浄水器を利用しなければならないという点では上級者向けかもしれません。車の乗り入れももちろんダメなので、アクセスにはキャンパーバスを使いましょう。

Teklanika River Campground

テクラニカリバーキャンプグラウンドは入り口から29マイル地点にあります。通常、自家用車での公園への乗り入れは15マイル地点のサベージリバーまでとされていますが、テクラニカリバーキャンプグラウンドの利用者は申請すれば通行可能となります。ただし、テクラニカリバーキャンプグラウンドに自家用車で乗り入れる場合は最低3泊しなければならず、宿泊中に車を使って公園外へ出ることは禁止されています。勿論、キャンパーバスを利用することも可能で、バス利用者は3泊する必要はありません。設備は水場、ゴミ箱、日水洗式トイレです。
キャンプ場から少し歩くと、氷河由来の広大な川テクラニカリバーを見ることが出来ます。

Igloo Creek Campground

パークロード35マイル地点にあるのが、イグルークリークキャンプグラウンドです。森と茂みの中にテントサイトが7つあるのみで、サンクチュアリーリバーと同じく自然を満喫したい方向けです。
このキャンプグラウンドはオンラインでの事前予約不可となっており、公園内のデスクで利用申請をしてください。
設備は非水洗式トイレのみで水場もありません。

Wonder Lake Campground

デナリ国立公園のキャンプグラウンドの中で最も人気なのが、このワンダーレイクキャンプグラウンドです。パークロード最奥地85マイル地点にあるこのキャンプグラウンドは1番デナリに近く、曇ってさえいなければその絶景を望むことが出来ます。キャンプグラウンドを挟んでデナリの反対側にはワンダーレイクがあり、こちらも時を忘れてのんびりと過ごすのに最適なスポットです。
設備は水洗式トイレ、水場があります。車での乗り入れは出来ません。6月には蚊が大量発生するので対策は忘れずに。

初心者向けから上級者向けまで幅広いラインナップのトレイル

公園内にはいくつかの“名所”と呼べるような場所があり、各所に整備されたトレイルが用意されています。勾配がほとんどない遊歩道的なものから、最大勾配25%のハードなものまであり、それぞれ違った魅力があります。僕の調べでは公園全体で21個のトレイルがあり、ここで全てを紹介しきるのは難しいので、代表的なものをいくつかピックアップして簡単に紹介します。

先ずは、パークエントランスからすぐにアプローチできるトレイルから

Horseshoe Lake Trail
ビジターセンターから30分ほど歩いたところにあるトレイルです。2マイルを二時間程かけて回るトレイルで、高台から湖を見下ろすことができる人気のあるトレイルです。最大傾斜は20%で岩場もあるそうです。

Mount Healy Overlook Trail
こちらはビジターセンターから片道2時間ほどのもの。最大傾斜は25%となっているハード目なトレイルです。しかし、マウントヒーリーの頂に到達すれば素晴らしい景色を堪能することが出来ます。

McKinley Station Trail
ビジターセンターから片道一時間のトレイルです。アラスカ鉄道の高架下を通り、緩やかな丘を下ります。

Triple Lakes Trail
デナリビジターセンターから公園付近を走るハイウェイ沿いの駐車場までを繋ぐ片道4時間のトレイルです。公園内で最大のトレイルで、小川、スプルースの森、3つの湖、名前のない山々の形作る景色など、ボリュームは満点です。最大傾斜は20%となってます。

次にパークエントランスから15マイル地点にあるサベージリバーのトレイル2つをご紹介します。自家用車でのアクセスも可能です。

Savage Alpine
サベージリバーとマウンテンビスタ・デイユースエリアを繋ぐトレイルです。2マイル登り、2マイル下りの計4マイルで所要時間はおよそ3時間程です。西側からの登りは特に急で、最大傾斜は25%となっています。ハードなロングトレイルですが、稜線から見る景色は格別です。

Savage River Loop
東をマウントヒーリー、西をマウントマーガレットに挟まれた、美しい渓谷であるサベージリバーをぐるりと一周するトレイルです。1.7マイルを一時間ほどで一周できる内容です。このエリアはトレイルから外れてハイキングすることが許可されているため、好きな場所でマウントマーガレットに取り付き登山する事も出来ます。(マウントヒーリー側は切り立っているので危険)

そして、パークロード66マイル地点にあるアイルソンビジターセンターからアプローチするトレイル

Thorofare Ridge Trail
片道0.8マイルの短いトレイルですが、尾根からはデナリと広大なツンドラの景色を見ることができます。

最後はデナリ国立公園最奥地の秘境“ワンダーレイクキャンプグラウンド”にあるトレイルです

McKinley River Bar Trail
片道2.4マイルを90分ほどかけて歩くこのトレイルにはデナリ国立公園の魅力が詰まっていると言えます。歩をすすめるごとにスプルースの森、野生のブルーベリー畑、ウェットツンドラの湿原、はるか遠くに見える山脈のリッジラインなどめまぐるしく景色が変わります。そして最後には氷河由来の大河、マッキンリーリバーが目の前に広がっています。

究極のアウトドア“バックカントリーキャンピング”

整備されたトレイルを使わず、キャンプグラウンドも使わない、そんな究極のアウトドアアクティビティがバックカントリーです。デナリ国立公園は公園全域を87のユニットに分けて入場規制をかけています。各ユニット毎に“バックカントリーパーミット”という許可を得た人のみがそのユニット内で自由にハイキングし、キャンプすることができるのです。
オンラインでの事前予約は不可で、バックカントリーを希望する場合はビジターセンターに赴き、必要な申請(緊急連絡先や装備の内容など)を行い、動植物に対する注意事項のビデオを観ることではじめてパーミットを取得することができます。

来場者を運ぶ“動脈”無料シャトルバス

デナリ国立公園パークエントランス周辺にはビジターセンターを始めとする公園の施設や、アラスカ鉄道の駅舎、ライリークリークキャンプグラウンド、高級なホテルやロッジなどがあります。それらを繋ぐのが無料のシャトルバスです。


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