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握る

空を掴むように、
影を追うように、
見えないものを手繰り寄せる。

風の中、ひそやかに、
指先に秘めた温もり、
消えゆく前の、静かな叫び。

密やかなるこの絆、
強くすればするほど、
遠ざかる感触。

透明な糸に繋がれた、
心と心、
触れれば触れるほど、
霞んでゆく輪郭。

そして、やがて、
何も感じなくなるその時、
手の中に残るのは、
ただの影。


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