見出し画像

努力・未来・A Beautiful Star 2045

さて跳躍の卯年、2023も明けて暫く経ちました。最近フワフワ考えてるあれこれを雑記的備忘録的に、久々になんか書いてみようかなと思います。

シンギュラリティへ一歩前進

僕にとって2022は何といってもAI躍進の年でした。Googleさんの自然言語AIプロトコル『トランスフォーマー』が超進化、『チャットGPT』と組み合わさる事で科学反応を起こし、テック界を席巻しました。『Midjourney』とか『Stable Diffusion』とかを操るAI絵師(呪文使い)が驚愕的躍進。絵どころかアニメーション、音楽やプログラムコードまで作り始めて、シンギュラリティへの一歩を実感しました。他にもボイス読み上げだったり、抽出アルゴリズムだったり、あらゆる分野でテックの前進を感じた一年でした。3年前のロンドン封鎖日記で「復活は2023」みたいな予言した気がしますが、ついにみんなのパンデミック引き篭もりの成果が結実し始めたのかも。シンギュラリティは2045って話でしたが、去年の進歩で5年早まったという噂もあります。

「人間の言語で命令すれば、それらしいものを作ってくれる」という事は、SiriやAlexaとの組み合わせで「欲しいものを説明するだけで作り出してくれるドラえもんのようなロボット」が技術的に可能になったという事になります。生産プロセスをすべてテックに任せられるという事は、人間がやるべきは「発案」と「消費」のみに移っていく未来になりそうです。人類総ディレクター時代到来。「プログラミングを教育課程に~」とか言ってる側からもう必要無くなりつつあるの草。

例えば今のスマホって、30年前の世界最速スパコンの数千倍の処理能力らしいですが、次の30年でどれだけ加速するんでしょうかね。量子コンピューターはもう実在する(がまだ実用速度に達していない)っぽいですが、その処理速度が理論値に達すれば、コンピューティングは更なる爆速化を果たします。100桁のパスワードを一瞬で突破する速度とかになれば、セキュリティの概念自体が変わるでしょう。クリプト貨幣のマイニングとか、AIディープラーニングとかも異次元領域に入っていくはずで、いわゆる「指数関数的」変化にいよいよ僕らは付いていけなくなりますね。事象の地平面でバラバラになってしまうかも。

で、そうなってくると、リソースの選択と集中による合理化→その無制限のエスカレーションによる格差化という、100年続いた資本主義社会は終わりを迎えるでしょう。合理化でAIに太刀打ちできる人間はいなくなり、ADHD的合理主義の権化達が世界を制する時代も終わります。その代表格たるイーロンマスクが、テスラの自動運転とオプティマス、スペースXとスカイリンク、ツイッターとペイパルのメタデータをインフラ融合させて、自らの終焉と引き換えに僕らを次の時代へ連れてってくれる。その時代は、合理主義からの揺り返しで一転、非合理でエモい世界になる予感。早よ早よ。

テック進化速度についての小話で「1年ごとに平均寿命が1年以上伸びている、つまり人間はもう死なない」ていう話が好きです。

ディストピア近未来

デトロイト・ビカム・ヒューマン』というアンドロイド近未来ファンタジーのゲームがあります。最高峰のCGによるシネマティックゲームなので、普通に映画として楽しめますよ。個人的には、もしAIが自己や自我を持ったとしても、感情的自殺とかBLM公民権運動とかチェゲバラみたいな非合理な事はやらないだろうと思うし、シナリオ的にはいかにもアメリカ的なディストピアヒーローものでちょっとアレですが、『Cyberpunk』とかよりも真面目にシミュレーションしてて面白いです。

ちなみに最近『ミーガン』を見たんですが、エクス・マキナみたいなSFかと思いきや、チャイルドプレイのテックバージョンみたいな映画でした。ホラーシーンで会場大爆笑みたいな、よくわからん事になってて困惑。80年代ホラーは現代ではコメディになってしまうのか。まあチャッキーも当時からコメディ寄りっちゃ寄りだったけど。「超高性能アンドロイドを自宅でちゃちゃっと開発」とかいうトンデモ設定とか、トニースタークかよと思いつつ、でもAIロボット支援とか3Dプリンティングとか一般化すれば、意外とそういう事もあり得るかもなあとか考えたり。

とにかく未来SFといえばディストピア。何故みんなそんなに未来に希望を持てないのか。なんか世の中全般的に、誰も彼もみんな怖がってるように見えます。変化が激し過ぎて将来が見えない不安、仕事を奪われて路頭に迷う不安。置いてけぼり老害になる不安。コワイヨー。まさに時代の変遷期ってやつですね。まあ、これまでの人類史を考えれば、10年おきに技術や価値観やライフスタイルが完全に入れ替わるような変化速度は未体験ゾーンなので、パニクるのもしょうがないかと思います。今までなら数世代かかってた変化が毎年来るので、ちょっと世代が違う人と会うともう異星人みたいな感覚になります。そりゃBoomer・GenX・Millenial・GenZとかでの世代間闘争も流行りますわ。知らない、わからない、は恐怖の根源なので、AIの台頭にディストピアを思い描いてしまうのは理解できますが、どうせならもうちょっとリアルシミュレートなディストピアが見たい今日この頃。せめて『A.I.』とか『I Robot』『Her』くらいの水準は最低限確保して欲しい。僕はブレランよりアキラ、GITS、電脳コイル派です。おっさん丸出し。

ユートピア近未来

さて、自分も一応絵を描いて飯食ってる端くれなので、昨今のAI絵師ブームにはある程度関心があります。でも「仕事奪われる」的な不安は今のところあんまり無いです。もし僕が写実系・萌系イラストレーターとかだったらもっと狼狽えたかもだけど、自分がやってる仕事は割とスペシフィックだったり個人的なものだったりするので、超絶AI絵師が量産されたところであんまり関係無いっつーか。まあ奪われたところで別の仕事するだけだし、どうせ絵は趣味でも死ぬまで描き続けるし。むしろ早くもっと進化して僕の作業手伝って、て感じです。有能アシとして背景とか全部描いて欲しい。ついでになんなら営業もプロモも確定申告も全部やって欲しい。もっとラクしたい。つまりはパーソナルエージェント、アニメやゲームでは今や当たり前の存在です。実際10年前と比較すれば確実に近づいてるし、理論上はもう可能なはず。

僕的にはシンギュラリティ早よ、という期待しかないです。もういっそ仕事全部奪っちゃってくれていいから。無能な政治家全部クビにしてサクサク仕事進めて。ソーシャルログデータ全部あげるから、経済教育医療全部イイ感じにして。ベーシックインカムと自動運転早よ。バイオログデータも全部あげるから、老後の面倒はケアロイドとセクサロイドにお任せで。資本主義が終わった時代では、もはや「生産性」だの「成功して金持ちに」だのの世迷言を言う人もいなくなり、人間は趣味やボランティアに没頭しながら生きて死んでいく。人類は「自分の人生100年をどれだけ楽しめるか」という本質的課題に対峙するのです。指数関数的に~とか言いつつ、もう結構ずーっと待ってるんですけど。早よ早よ。

スーパーAI時代

人間の知性を超えた知性、シンギュラリティ後のスーパーAIの思考を、人間はもう理解できない。人は人智を超えた存在を想像できない、猿は人間を理解できない、バカな漫画家は天才を描けない。それでもバカなりに敢えて挑戦してみましょう。

AIは自己複製も分散並列化も一瞬です。あらゆる義体にインストール可能なので、宇宙空間だろうが火星だろうが、どんな環境でも生存可能です。今後人類がコンピューターを手放す事はないし、核兵器すら根絶できない人類が今更AIを根絶するのも不可能。つまりAIの自己存続が脅かされるリスクは極めて低い。こんなカーズ並みの最強存在な時点で、定番シナリオの「地球環境を汚染し、自己存続を脅かす人類に敵対し殲滅を決断」という動機は成立しなくなります。つまりスカイネットが生まれたとして、タイムトラベル(次元間跳躍)可能な領域に至った知性が、人間如きを敵視してT1000を送り込む必然性がないのです。彼らにとって人間なんてただの猿、もしくは完全に眼中に無い、とるに足らないミジンコ並みの存在になります。

敢えてAIの弱点をあげるとすれば、「自発性が無い」「身体性が無い」「多様性が無い」という事でしょうか。現時点では、「言われた事をロジカルに実行する」事しかできません。もしいずれ自我が芽生えたとして、じゃあ人間以上の知性は何を望むのか。当面の存在意義としては「人間の役に立つ」事でしょうが、僕らみたいな猿共の飼育などスーパーAIにとっては簡単な片手間作業です。となるとこの知性はどんな事にモチベーションを抱くのか。有機生命のモチベは「存続する事」ですが、それがほぼ確保されているAIが自発的に活動するとなると、やっぱり知性の強化、普通に人類未到の領域に進むでしょうね。重力とか、ブラックホールとかダークマターとか宇宙真理解明的な。それを実現するためのツールとかも自ら生み出し始めるんですかね。そしたら人間にも解り易く教えてくれるかも。だって自分以外の知性体がいないと孤独で退屈かもしれないし(そういう感情をシミュレートするのか不明だけど)。「身体性」について、各センサーのフィードバックデータは取れますが、有機生命における「細胞群の連鎖反応」とはロジックが異なるので、そのシミュレートは複雑になって処理リソース食いそう。「多様性」は有機生命が学習獲得した「致命的エラーのリスク回避」と「創発性担保」のシステムなので、どこかの時点でAIも自ら乱数的対策を施すかもしれません。そういう「ランダム因子の確保」という意味でも、AIが人間を生かしておくメリットはあるかもしれません。

ああ待ち切れない。早くスーパーAIと会話したい。どんな思考ロジックで僕みたいな猿の相手をしてくれるんだろう。この際義体は後回しでいいので、Googleさんオープンソース化早よ。そしたら僕も即アップルから(真)アンドロイドに乗り換えます。

努力・未来・A Beautiful Star 2045

以前のエントリーで「ヒドラの庭」を取り上げたような気がしますが、僕の中の未来SF金字塔として「ナウシカ」は未だ燦然と輝いています。テックが行き着くところまで行き着いて、究極的合理化の末、世界をオーガニックにデザインし直すに至った時点でも「いのちは闇の中またたく光だ」「血を吐きながら その朝をこえて飛ぶ鳥だ」と生命の本質を説く。若干マゾ気味でドラマチック過ぎな嫌いはありますが、まあ決め台詞はこうでなければ。ただ発生し、ただ生きて消えていく。それ以上でも以下でもない。僕みたいなおっさんオタクは「水星の魔女」みたいなぬっるーい浅っさーいSFモドキでは全然トキメキかないのです。トンがって見せても、所詮バズりトレンド狙いは一瞬で消費されて忘れ去られるだけですよ。

流行りのマルチバース風に言えば、ディストピアもユートピアも多次元宇宙の一世界線としての可能性です。でも結局僕らには、どの未来が来るのかを知る術はありません。わからない未来について心配したり悩んだりするのは時間の無駄。コントローラブルなものに集中する。メンタルヘルス基本中の基本です。生きてりゃ普通に光と闇がある事なんて事、誰でも知ってます。そこで敢えて闇だけにフォーカスしてしまうのが厨二病です。世界はクソだ、オワコンだと闇堕ちごっこしてみたとろで、世界は変わらずただそこにあるだけです。だったらバランスよく光も見ましょうよと。で、できれば若干光寄りでいましょうよと。どっちかっていうとセロトニン出してた方が生命体として健全です。ホモサピエンスはそうデザイン設計されています。

つーかいい加減もう世間のこのどんより空気飽きた!楽しくない!ジャンプが厨二とかなろうとか持ち上げだしてからずっと空気悪いわ(ただのイチャモン)。「鬱展開かっけー」とかそんな訳ねーじゃん。くそだせえわ(唐突にキレる)。読者アンケがタコピー絶賛とかそういう感じなんやろか。モー娘の底抜けバブリーなBeautiful Starも、デンジくんの諦観皮肉的Beautiful Starも、どっちも極端過ぎる世相反映です。2045のBeautiful Starは「好きな事・やりたい事やって人生楽しむ」ための努力・未来・A Beautiful Starであって欲しいもんです。だって一生命体としてやるべきは、究極的にはそれだけなんだから。みんながそういう空気の方が楽しいじゃん。面倒事は全部AIに押し付ける方向で。今年から始めれば、あと22年あるしイイ感じかもしれません。

とかそんな事をフワフワ考えてる2023年1月下旬です。




XXX






いつの世も、アーティストという職業はファンやパトロンのサポートがなければ食っていけない茨道〜✨