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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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#140字小説

140字の【犯人は僕】

僕は爆発物処理班の一員。高度な訓練を受け、幾度も爆破テロを未然に防いできた。でも、仕事の…

こし・いたお
12時間前
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140字小説【山男に導かれ】

僕は早朝から六時間かけ山頂まで登った。雲の上から高みの見物をしていると、背後から声がした…

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140字小説【檻の中の憂鬱】

日の出からしばらくして人間がやってきた。ここは人間が鶏舎と呼ぶ場所。昨夜は隣の檻に住む仲…

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140字小説【爆弾を仕掛けた犯人】

爆弾テロが起きた。楽しみにしていた再放送のドラマは臨時ニュースに切り変わり、僕はテレビを…

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140字小説【追憶】

お皿に高く積み上げられたホットケーキ。狐色の焦げ目が食欲をそそる。「ごめん、シロップ買い…

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140字小説【食べることは生きること】

私は万屋の暖簾をくぐった。「何かお探しですか?」私は訳がわからぬほど病んでいた。だからあ…

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140字小説【走り幅跳び】

私は若い頃、走り幅跳びの選手だった。渡し守に船賃を渡し川を渡ったが、向こう岸から戻ってこいという家族の声がする。姿は見えないし、渡し守も首を横に振った。そもそも人の跳べる距離ではない。でも軽くなった今なら跳べる気がした。私は失敗した時のことなど考えない……ただ三途の川を跳ぶだけ。

140字小説【結婚はできません】

AIの発展により学校と仕事は消え、ベーシックインカムにより無収入でも生活できる西暦二千百年…

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140字小説【優しい使用人】

私は幼い頃から立派なお屋敷で暮らし、執事や優しい使用人からお嬢様と呼ばれ暮らしてきた。た…

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140字小説【退職の理由】

新しい職場で働き始めた私には一つだけ不安がある。パワハラ気質の上司がいることだ。上司は甘…

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140字小説【浮遊大陸】

「嵐の中心に浮遊大陸を発見!!」耳を疑うニュースが飛び込んできた。発見したのは高校の同級…

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140字小説【父の秘密】

母と亡き父の部屋を整理していた私。一枚の色褪せた写真を見つけた。幼い父が庭で背の高い竹馬…

140字小説【窓に映った自然】

「電車に間に合ってよかった……たまには自然もいいね」僕は始発電車の窓に映る妻と娘たちを見…

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140字小説【奈落の高利貸し】

奈落にも高利貸しはいた。でも貸していたのは、男が家族よりも大切と豪語していたお金ではない。「時間だ!」鬼がそう怒鳴ると、男の幼少期の思い出や、大切な人との時間さえも、霧のように消えていった。「では取引成立だ」家族を捨て、己の欲を満たすために偽りの記憶を借りていた男は全てを失った…