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140字小説【檻の中の憂鬱】

日の出からしばらくして人間がやってきた。ここは人間が鶏舎と呼ぶ場所。昨夜は隣の檻に住む仲間が犠牲になった。明日は我が身。私が朝食を食べていると、人間が眼前の狭い通路に横たわる頭のない仲間を麻袋に入れた。イタチに頭を食いちぎられたのだ。卵ならくれてやる。私は枕を高くして寝たいだけ。


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