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140字小説【奈落の高利貸し】

奈落にも高利貸しはいた。でも貸していたのは、男が家族よりも大切と豪語していたお金ではない。「時間だ!」鬼がそう怒鳴ると、男の幼少期の思い出や、大切な人との時間さえも、霧のように消えていった。「では取引成立だ」家族を捨て、己の欲を満たすために偽りの記憶を借りていた男は全てを失った…



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