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140字小説【追憶】

お皿に高く積み上げられたホットケーキ。狐色の焦げ目が食欲をそそる。「ごめん、シロップ買い忘れた」僕はそう呟き独りでホットケーキを頬張った。生まれつき病弱だった娘は小学生にはなれなかった。僕が床にあぐらをかくと、足の上にちょこんと座る娘。一切れ掴むと僕にどうぞした。そんな気がした。

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