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140字小説【山男に導かれ】

僕は早朝から六時間かけ山頂まで登った。雲の上から高みの見物をしていると、背後から声がした。「早く戻った方がいい」こんがり日焼けした山男はそう言い、眼前の小さな雲を指差した。山男は雲に乗った。僕も一歩踏み出すと真っ逆さまに落ちた。目覚めると病室だった。僕は山頂から滑落していたのだ。


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