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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年6月の記事一覧

140字小説【古い写真家との出会い】

写真家が廃墟で写真を撮っていた。そこへやってきた廃墟マニアの男。彼はいつも休みの日に廃墟…

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140字小説【ねこまた】

(猫を探しています)そう書かれた紙が投函されていた。同じマンション住人の飼い猫が姿を消し…

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140字小説【私が買った権利】

無精髭の酷くやつれた男はヘリから投下された手紙を拾った。(その島は絶海の孤島で助けは来な…

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140字小説【魔法の泉】

薄暗い森の中、旅人は魔法の泉を見つけた。泉のほとりには「高く飛ぶな!」と書かれた立札。泉…

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140字小説【3秒ルールは存在しない】

「あっ!!」キッチンでお母さんの手からこぼれ落ちた一枚のクッキー。床に落ちたそのクッキー…

6

140字小説【肩こりの原因】

最近ぼくは肩がこって仕方ない。なので接骨院に向かった。行きすがら背後で「行っても無駄だよ…

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140字小説【もしやそれは】

幼児は本当に目が離せない。遊びに来ていた2歳の姪が厚紙の切れ端を噛んでいた。いつから口に入れていたのか原形を留めていない。ぼくは1000ピースのジグソーパズルに集中していて気付けなかった。こつこつ2週間かけたパズルも残り数ピース。ぼくはここにきて1ピース足りないことに気付いた。

140字小説【恐怖のロボット】

妻の買ってきた血圧計は、ぼくのベッドの枕元に置いてある。要らないと言っても「私が使うから…

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140字小説【時間泥棒】

「君の狙ってる女は泥棒らしい」ぼくは同僚の心ない噂話にイラっとした。しかしある日、謎の手…

8

140字小説【買い物しにきただけなのに】

今日はショッピングモール内の広場が騒がしい。サンバの催し物だ。躍動感のある激しい打楽器の…

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140字小説【意外な結末】

ぼくはキッチンにて、右手で卵をつまんで器用に転がしながら、左手のスマホで自分の書いた小説…

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140字小説【行く手を阻む番人】

荒波が打ち寄せる断崖絶壁、そこは自殺の名所。誰も立ち入らせないため蜘蛛の巣のように張られ…

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140字小説【君は誰?】

僕がバス停でバスを待っていると、ガラの悪い男と肩がぶつかり、いま財布をすっただろ?と絡ま…

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140字小説【会わせたくない】

僕たち夫婦は離婚した。妻がロボットメーカーの重役だった事もあり、親権は妻に渡った。遠くに住む僕は三ヶ月に一度だけ息子に会える。いつも公園で会っていた。しかしある日、裏切りが発覚する。公園に向かうと、突然、息子が動かなくなった。動揺する僕を尻目に妻は言った。「電池が切れただけよ」