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140字小説

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削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
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2023年5月の記事一覧

140字小説【二人を繋ぐパスワード】

他部署で働く彼が退職を決めたらしい。想いを伝えるチャンスに恵まれず、時間だけが過ぎていく…

12

140字小説【鏡に映る犯人】

殺害現場となった部屋では、被害者が何かを指差し倒れていた。呆然とし立ち尽くす被害者の兄。…

4

140字小説【不機嫌になったお母さん】

「し!静かに!ぼくの部屋に誰かいる!」旅行から帰り、家に入ろうとした私たちに戦慄が走る。…

9

140字小説【予期せぬサークル】

ぼくは退職してからサークルを探していた。青春時代のような胸躍る体験がしたい。気づけば登山…

9

140字小説【忘れっぽい妖精の贈り物】

森の奥深くにとても忘れっぽいと噂の妖精が住んでいた。妖精の仕事は夢を運ぶこと。ある晩、妖…

5

140字小説【彼のランチ】

街の片隅にある公園のベンチ。そこで彼は毎日、一人で静かにランチをとり、隣のベンチに座るう…

10

140字小説【二つの太陽】

地球によく似た星を探すというミッションを終え、地球に帰還した宇宙飛行士たち。ミッションは失敗に終わった。それでも青い空、緑の大地、懐かしい光景にホッとした様子だ。だが、彼らの一人が異変に気づく。「おい!!空に太陽が二つあるぞ!!ここは地球じゃない……」

140字小説【レターケースの中身】

私はたまに彼の部屋を掃除する。私たちには隠し事をしない約束があった。ある日、彼の部屋を掃…

4

140字小説【あなただけ】

毎朝駅で「行ってらっしゃい」と、笑顔で挨拶する気さくな駅員さん。休日はスーパーで偶然顔を…

8

140字小説【ハコブネ】

方舟と呼ばれる巨大な宇宙船が月に向かって飛び立った。「裏切り者!」や「二度と戻ってくるな…

3

140字小説【二つの世界】

「地下水路は迷宮のように入り組んでおり、光さえ届かない。懐中電灯の電池が切れるのも時間の…

3

140字小説【見えない落とし穴】

廃屋の裏庭には巨大な落とし穴がある。そんな噂を聞き探検していたぼくは、隠された巨大な落と…

4

140字小説【来なくていいよ】

数年ぶりに登る険しい山。妻より一足先に着いたぼくは、崖の淵で妻が来るのを心配顔で待ってい…

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140字小説【悪魔のブラックジャック】

詐欺師が夜の街をぶらついていると女が話しかけてきた。「二人だけで一夜限りの遊びをしない?」男は密閉された部屋に案内され、トランプを持った女と向かい合った。悪魔の一枚目は10、ニ枚目がA、男は10にも満たない。女が消えると部屋の酸素濃度は10%を下回り、詐欺師は永遠の眠りについた。