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〜 お茶会 vol.2 〜




物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 お茶会 〜

ハーっと白い息を出しながら軽く時計を見る
少し冷えくる時間になってきた
周りを見渡せば街路樹に巻き付けているイルミネーションの色が昼間よりもキラキラと目立ち始めている
早めに着いた私は、手をさすりながら今度は自分の手にハーっと白い息を吐きかけた
『ひゃっ!!』
突然、ぽっぺたを冷たい何かが触ったので、私は思わず変な声をあげてしまった
『来るの早いじゃん。待った?』
聞き慣れた声に安堵した私は後ろを振り返り、もっと冷たい私の手を彼のほっぺたに添えてあげた
『うっわ!つめてっ!俺の手よりめっちゃ冷えてるじゃん!何か温かいものでも飲むか?』
『大丈夫だよ♪それよりイルミネーションそろそろ始まるのかな?行こうよ』
『まぁ、時間だしそうなんじゃない?温かいものいいのか?』
『うん♪歩こう!』
『楽しみにしてたもんな、お前。じゃあ行こうか!』
·
手をつなぎゆっくり歩き出す二人の両サイドには、キラキラきらびやかに光る街路樹がズラッと並んでいた
途中通る道では、歴史的な建造物にもイルミネーションされていたり、広場ではプロジェクトマッピングの上映もされるようだった
付き合って3ヶ月の私にとっては、冬の一大イベントの1つでもあるイルミネーションへ彼と来れた事がとても嬉しかった
もう一つの一大イベントは、もちろんクリスマスを一緒に過ごす!である事は言わずとも分かるだろうが
『寒いね?』
『おぉ、さみーな!』
『ふふふ』
『なんだよ?』
『何でもない♪』
何の他愛も無い会話なのだが『寒い』と言って『寒い』と言う温かい返答があることが私にとって幸せな事でもあった
中学の国語の授業で、どこかの作家さんが言っていた事が、本当だったのだと気が付いた事が一番の発見でもあったからだ
私は、ギュッと彼の手を握りしめながらゆっくり歩みを進める
·
ズラっと並ぶ街路樹は、どこまでも続き人もだんだん増えてきている
イルミネーションに気を取られた私は、うっかり躓きその反動で隣の人と、ぶつかってしまった
それに加え、弾みでカバンに付けていた『お茶会』も落としてしまい、ぶつかった人に拾ってもらうという漫画のような事を起こしていた
『すみません!ありがとうございます』
お互い頭を軽く下げ、事なきえた
ごった返しまではいかないが、少し歩きつらくなってきているようだった
『大丈夫か?もう少し端歩こう』
そう言って街路樹側に私を歩かせ、彼が人との壁のようになって歩いてくれる
『ありがとう』
『あ?何もしてねぇけど?』
そう話をしながら繋いでいる手を離さずに、彼は自分のジャケットのポケットへ私の手ごと優しく突っ込んだ
ふと、見上げる私に気が付いた彼は、そのクリっと大きな二重の優しい目で私を見下ろす
『さみーな?』
『・・・うん。寒いね?』
『こうしたら、温かいだろ?』
『ふふふ。うん♪』
『そろそろ温かいものでも飲まね?』
『そうだね』
『あっ!すぐそこに美味しい紅茶があるらしいぜ?行く?』
『行く♪』
·
きらびやかに演出されるイルミネーションと冬の冷たい空気は、隣に人のいる温かさを静かに教えてくれていた
·

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