〜 青春して何が悪い?! 〜
物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪
〜 青春して何が悪い?! 〜
運動場では、どの運動部も忙しなく立ち止まることを知らない
今日もキラリ光る汗が君たちをより輝かせている
野球部は、声を出して走る
サッカー部は、走り込み
陸上部は、ストレッチ
ラグビー部は、組み合い
テニス部は、素振り
各々することは違っても、部活に対する思い入れは同じだろう
室内を見れば、柔道部、空手部、剣道部、弓道部
日本古来からの稽古が、凛々しく際立つ
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文化系と言えば、真っ先に思い付くのが、吹奏楽だと思うのは、きっと私がこの間まで入っていたからだ
美術部、茶道部、イラスト部、文芸部、華道部、演劇部、軽音楽部
優雅に見える文化系の部活も意外と、体育会系のように厳しくもある事は実はみんな知らない
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『部活、みんな楽しそうだね』
そんな私は、羨ましく思う反面、今は帰宅部と言う部活へ入って每日塾へ通う
だが、最近は彼氏という人が出来たので、いつもの每日がどうにもこうにもキラキラして見えるのは内緒の話
『もう一度、入部したらいいのに』
『んー。勉強優先にするって自分で決めたからさ。そういえば怪我したから、今日は部活早退なんでしょ?大丈夫?』
『県立狙ってるって言ってたもんな。今は勉強が一番か。あぁー、うっかり足捻ってしまってさ、今から病院だ』
『気を付けてね』
『ありがとう』
そういって少しよろける彼を私が支えた時だった
『いいなぁ、青春してんな♪』
ふと横を見ると、ニヤニヤしながら歩いて行く少し柄の良くなさそうな二人組
ただ言いたかっただけなのが分かった私達は、絡まれる前に足早にその場を去った
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運良く、そのまま絡まれずに、駅へと無事に着いた私達は、路線が違う彼と別れるまで少し話すことにした
『ねぇ?何で高校生が二人でいると、青春してるって言われるんだろうね?』
『今が、一番楽しい時期って言われてるからじゃね?』
『そうなのか。大人になったら青春しなくなるのかな?』
『んー。あ!一生青春してたらいいじゃん。はは』
『なにそれ!每日、楽しそう!いいね、それ!』
くすっと笑う私は、隣で大きく笑う彼を見て、心の奥底から温かい気持ちがいっぱいに広がるのを感じる
大きく笑う彼が、私に目線を落とし穏やかに微笑む
私の頭を包むように、ポンポンと手のひらで叩くように撫でる
ふわりとどこか優しい空気が一瞬漂ったのだが、ここは駅の改札だということを思い出す
ピッと姿勢を正した私に気がついた彼は、クイっと私の顎を持ち、ニヤリと笑う
『青春して何が悪い?』
そう言って、私の柔らかな唇に軽く口付けをした
『ちょっと!もう!』
『ははっ!いいじゃん!こんくらい!ってことで、また明日』
そう言いながら、私に近づいた彼は、また軽く口付けを交わして立ち去っていった
二度も不意打ちを食らった私は、思わず口元に手を持っていく
『うーん。青春は悪くない・・・悪くない?』
私は、少し頬を赤くしながら、改札へと入っていったのだった
·
終
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