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〜 うさぎコサージュ 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 うさぎコサージュ 〜

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ピンク色のお花があちこちで、おめでとうと口ずさんでくれている
桜並木を、真新しい大きなランドセルが自慢気に歩いていく
明日からちゃんと背負っていけるのだろうかと、母の心配をよそに、左右に大きくランドセルを振りながら、写真を撮るパパに向って走っていった
『歩いてるとこを写真に撮ってるのに、こっち来ちゃ撮れないでしょ』
『だって早く学校行ってみたいもん!』
きっとそんな話しをしているのだろうと予想をしながら、私は、ゆっくりと二人の元へ足を運ぶ
はしゃぐ娘の晴れ姿を一生懸命何とか写真に収めようとするが、なかなか一筋縄では行かないようだ
学校までの道のりを、一緒に親子で歩くのは、これが初めての事
少し距離はあるが、私の母校ということもあり、一人懐かしい気持ちで歩いていた
満開の桜は、淡いピンクの花びらをひらひらと舞い踊らせる
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学校の門をくぐり、入学説明会で渡されたプリントを取り出した私は、自分の教室がどこなのかを娘と確認しながら、教室へと向かう
1年生は1階の北校舎のようだ
教室の目の前にはプールがあり、夏はすぐにでも入りたくなるだろうから、恰好のよそ見スポットになること間違いなし
もちろん、そのよそ見スポットナンバーワンの窓際の席が、娘の席である
入学式が始まるまでの間、子どもたちはこの教室で待機するようで、保護者は皆、体育館へと移動するよう促された
体育館へ入ると、色画用紙で作られた大小様々な桜の花が、あちこちに装飾されているのに目につく
花道には、横に長い植木鉢の中に4本ずつ植わったチューリップがズラリと並べられ、今から始まる学校生活を見守ってくれるようにも見えた
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たくさんの拍手の中、花道をまだまだ小さな子どもたちが歩く
キョロキョロと少し緊張気味の子どもたちを、温かく迎える大人たち
誰もが皆優しい笑みを浮かべ、中には涙を潤ませている人もいる
いつの間にか大きくなる娘の姿に、私の膝の上に座っている息子を見るなり、ずっとこのままでもいいかもしれないなと、ギュッと息子を抱きしめた
先程の教室で、説明を受けていたのか、お辞儀をする場面で、一斉に子どもたちがお辞儀をする
前にいる人で、あまり姿が見えなかったが『髪飾り』でどこにいるのかは把握出来ていた
よそ見をしているのは、うちの子だけ
そうは言っても、 一瞬で大人びて見える我が子に胸を熱くさせながら、あっという間に過ぎる入学式を拍手で見送った
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帰りのランドセルには、たくさんの教科書が入り、結構な重さになっている
後にひっくり返らないかと心配になりながらも、手を繋ぎ歩く娘と息子
胸元の『うさぎのコサージュ』が楽しそうに笑っている
いつしかこの道の往復も見慣れてくるようになるのだろうか
ふわっと春の薫りをさせながら舞い踊る風は、ひらひらと桜の花びらを乗せて優雅にお辞儀をする
入学おめでとう
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