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〜 キャライメージ 〜







物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 イメージリボン 〜

軽快なフットワークで走り回る彼女は、毎日忙しそう
今日は西に、明日は東に駆け回り仕事をこなしていく
最近は忙しく話をすることがなかったのだが、彼女が久しぶりにオフィスにいるので、私は思い切って声をかけてみた
『これからランチに行くのですが、一緒に行きませんか?』
久々にランチへ誘うので、なぜか緊張する私
『うん!行こう!』
にっこり可愛い笑顔で良い返事をくれる
私は、どこか嬉しく、そしてわくわくする気持ちが止まらなかった
·
彼女とは、少し年の差があるが入社したのは同じ時期
同僚でもあるが、年上である前に私は尊敬しているところもあったので、敬語をなくすことはしなかった
一度だけ、彼女は〈気にしなくていいのに〉と言ってくれたが、それっきり
別に敬語だからといって、上下関係があるわけでも変わることもなく、私は気にせず話している
『ここ美味しいって言ってたのよ!一度ランチで来てみたかったから、あなたと行けて嬉しいわ』
『私も聞いた事があるくらいだから、きっと美味しいところですね』
最近出来たこの店は、リーズナブルで気軽にフレンチを味わえる、と社内でも評判だ
ランチ時間に、フレンチが食べられるのはポイントが高い
今日のランチはここに決まり
さっそく、重たい木の扉を開けて中へ入る
二人がけの机と椅子が6席、黄色い壁にはオシャレな絵画が飾られているのが見える
木を基調とした、こじんまりとした可愛い印象のお店だ
·
ちょうど1テーブルだけ空いていたので、そこへ私達は腰を下ろした
『雰囲気良いね』
『本日のランチが気になりますね』
束の間のひとときに、穏やかな空気が流れていく
『この間映画行ってきたよ。ほら、前に言ってたでしょ?』
『あ!あの映画?面白かったですか?』
『うん!教えてくれてありがとうね。もう一回観たいくらい』
『そんなに?見すぎでしょ。はは』
他愛のない会話は、時間を忘れさせる
もちろん、運ばれてくる料理にも夢中になり、お喋りに食事にと、大忙しのランチの時間は、あっという間に過ぎてゆく
ランチの時間がこれほど楽しかったのはいつぶりだろうかと思うくらいの有意義な時間
彼女といるといつもそうだ
他愛のない話の中には、わくわくする話ばかりで、自分では体験する事がないような話や勉強になる話がたくさん
物の捉え方と感じ方が、私と少し違っているので、とても面白く新鮮な話ばかりに感じる
そんな彼女のことを尊敬しているし、同僚というより大好きな友達に感じる
彼女と出逢えた事で私も大きく変わったのではないかと思う
『そうそう、前に言ってたマンガ読みました?』
『読んだよ!あの女の子かっこいいね』
『でしょ!?強くいなきゃ!ってめっちゃ頑張るとことか好きです。あんな風になれたらなぁ』
『え?そんなタイプよ?あなたも似たような感じだよ。真っ直ぐ進んでいくとこ私はいいなっていつも思ってる』
『え?』
意外な言葉に私は戸惑う
『強くなろうと思わなくていいけど、真っ直ぐ前見て何でもやってくの素敵だと思う』
『あり、ありがとうございます』
『ふふ、こちらこそいつもありがとう』
思いがけぬ言葉に少し照れながらも、私はお礼を言う
『あの!私も言っちゃいますが、前からずっとあなたのことは大好きだし尊敬してます!私と友達でいてくれてありがとう』
『ありがとう。ふふ。私達似てるかもね。そろそろ時間だし出ようか』
『はは。そうですね』
机に置かれているレモン入りの水を私は一気に飲み干した
·
穏やかな陽射しの中、私達は店を後にする
いつも背中ばかりみていたと思っていた友達は、いつも隣にいたようだ
歩幅を合わせる事はしなくとも、一緒に歩いて進んでいく
『午後も頑張ろうね!』
『はいっ!』
空へと伸ばす腕をパタンと下ろし、チラリと彼女を見る
彼女も同じように伸びをしている
ふと目が合った二人は、くすっと笑い合う
初夏の暖かな午後を感じながら、ゆっくりと真っ直ぐ歩いてゆく
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