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ビバ・平凡人生

誰でも、一度は思ったことがあると思う。
「自分には何か才能があるんじゃないか」と。
私も思っていた。平凡と言われた。


昔から褒められて育ってきた。
稚拙な絵も文も、周りから「いい子いい子」されてきた。
だから、高校生までは「自分は才能がある」と思っていた。


大学は美大に入学し、文芸学科を専攻。他学科の友達も出来た。
みんなの作品を見て、圧倒と絶望を何度したか分からない。
「天才って、こういうことか」と思ったことが、たったの2年間で数知れない。
「自分には才能が無いんだろうなあ」と思ったことも、数知れない。


そして、時が流れて今年の5月、上司から正式に「平凡」認定を受けた。
私の描いたデッサンを見てのことだった。
納得したけれど、ほんの少しのショック。
きっと、心のどこかでは「天才!」と言ってもらいたかったのだろう。


でも、あれから3ヶ月。
ちょっとずつだけれど、変化が起きた。
デッサンが、少~~~~~~~~~し、良くなってきている気がする。
「慣れ」と、やっぱり何より「継続」が理由だと思う。
「平凡が天才と渡り合っていくには、継続。これしかない」
上司が、私を平凡認定した日に教えてくれた。
今なら意味がよく分かる。
まだまだ天才には程遠いけれど、地道に変化を楽しめるのは平凡ならではの醍醐味だ。
平凡もなかなか悪くない。


ちなみに、平凡認定を受けてすぐ、平凡についてのエッセイを書いたのだけれど、あまりにも出来が悪くてボツにした。
今回、当初と同じ内容で文章を書いている。
以前よりは読みやすい文章が書けるようになっている。
どれもこれも、継続のおかげだ。

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