劇団員、客演のススメ。 その7|自分の劇団に、客演先から持ち帰れたもの
どうもこんにちは!加藤彩です。
私はいま、「劇団員、客演のススメ。」という題で劇団員として客演してみてヨカッタ!!という経験を書くシリーズをこのnoteで連載してまして、今回第7回目を迎えました!なんと次がラスト!!
前回の記事は以下のリンクからどうぞ!
そして今まで書いてきたものと、これから書いていく内容はこちら!
①まずは自己紹介と、なんでこの記事を書こうと思ったかについて
②私が「劇団員は、劇団の広告塔になれる」と思ったキッカケ。
③よーし客演するぞ!!!の前に、準備したほうがいいこと3つ
④いざ、外部の団体へ!のときに気をつけたいこと
⑤客演してみて「よかった〜!」と思ったこと
⑥知らなかった!!ということに対する自己嫌悪タイムとの闘い方!!!(前回)
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⑦自分の劇団に、客演先から持ち帰れたもの(今回!)
⑧劇団=自分のホームがあったからこそできたこと
さあやっと劇団の話ができますね!自分の劇団に、客演先から持ち帰れたものについてです。劇団Яealityで客演経験が一番多かった私が、客演先で得てきたものをお伝えできたらと思います。劇団員が客演をするのを勧めるというコンセプト上ここが一番重要かつ楽しいところになってくると思うのでウキウキしながら書いていきたいと思います。るんるん。
稽古ってどうやって進んでいけばいいの?がわかってくる!
(今回のお写真は劇団Яeality第5回公演『Яe:act』(第15回杉並演劇祭優秀賞受賞作)より)
稽古から本番初日までの時間は、取れた稽古場の関係などで稽古が始まる前から決まっています。で、その限られた時間をどう使うかっていうのはだいたいどこへ行っても一緒で、本番初日までに必要なものをリストアップして、それをいつまでに(稽古期間中、劇場入り、あるいは具体的に何月何日までとか)用意するか、できるようにするかを考えればいいといった感じです。
例えばセリフをいつまでに入れるのか、小道具はいつまで代道具(本番用が用意できるまで、あるいは本番用を壊さないように代わりで使っておく小・大道具)を使うのか、そして本番用はいつから使い始めるのか、特殊なものを使うならその実験をいつやるのか、衣装は自分で用意するならいつまでに探しておくのか、通し稽古はいつからやるのか、などなど……
客演先でそれぞれ決まりやペースがちがうことがあるので客演しに行く劇団員は毎回合わせるのが大変かもしれませんが、その時経験した一番ベストな方法を劇団に輸入できるし、よりいい方法が見つかればその都度劇団の方法もアップデートできるのです。
特に旗揚げしたばかりの頃は全体のペースが掴みにくく進めにくいですが、客演先で得たもので良いと思ったものを提案したり、劇団のなかで試していくことで、自分の劇団が作品作りをしていくときのガイドラインができていき、全体の見通しが立てやすくなっていきました。
稽古から撤収まで、限られた時間を計画的に!
さらに輸入してきてよかったものの例を挙げていきます。
劇団を立ち上げた当初で一番掴みづらいのが全体の仕事量の把握と時間配分だと思うんです。何をやればいいかわからない、誰が何をするべきか不明確、誰でもできるはずのタスクがいつの間にか一人の人に集中したりその大量さ膨大さが発覚したり、ひぇ〜なことが起こりがち。
それが顕著に現れるのが劇場入りです。
劇場に入って公演を打つために舞台や楽屋、受付周りを整備していく作業。場当たり、ゲネプロ……
Яealityもはじめのうちは舞台監督がスケジュールを把握して都度指示を出すことで劇場を仕込んでいくといったことが行われていましたが、徐々に劇場入り前日の稽古に仕込みのタイムテーブルと作業内容、役割分担を確認する時間を取るようになり、そして来られなかった人にはLINEなどでその情報が共有されるようになりました。
これは客演する役者や、演劇経験が少ない人が多いЯealityでかなり有効で、その時に役者からの疑問点や劇場入りしてからの心構え(「指示待ち人間になれ!(下手に動くと危ないので)」など)をЯealityでの劇場入りの仕方を初歩から伝えることができる手段となりました。そして劇団員に客演の役者の役割がわかっていることで人手が足りているところから足りないところへ人を回したりするなどの全体の把握に役立ちました。
この徐々にЯealityに出来上がっていった劇場入り前の確認作業ですが、はじめは私がタイムスケジュールを把握したいみたいなことを提案してやりはじめて、のちに第5回公演から劇団員(当時)になったφ村が主宰と話してよりブラッシュアップしていったという風にしてできていったものです。
(旗揚げの時点からマジでゼロからスタートだったんだなということを改めて認識させられる内容ですね……ッ!)
新しい概念の輸入!他団体との合同ワークショップ
そして他団体との交流です。(画像はイメージです)
Яealityは以前お話しした通り、なんか知らんけどなんもない空間にいきなり劇団立ち現れちゃったみたいな状態でスタートしたという劇団です。
客演先も自分でオーディションやワークショップで探しに行き、だんだんと呼んでもらえる団体ができていったというものでした。
そうしてつながりができてきた段階で、今度は他の劇団員をそのご縁につなげるということをやり始めてみました。
具体的には劇団員(当時)の丹波を楽園王のワークショップに連れて行ってみたり、あとは楽園王の長堀さんにご協力いただいて劇団Яealityと楽園王の青少年向け合同ワークショップをやらせていただいたりしました。(オール楽園王)
(当時の情報です!あしからず!)
文章は当時私が考えたのですが改行が少なくて読みにくいですね……くう……!といった反省はさておき!!
劇団Яealityは学生で構成されており、公演を打つ夏休みと春休み以外は基本的に学業を優先するといったメンバーで構成されておりました。外部に客演しに行くのは私とφ村くらいだったのですが、ご存知の通り私は客演してよかったと思っている人間なので、他の劇団員にもそのご縁がつながればいいなと思っておりました。
ワークショップで劇団員が別の団体の方法論や横月以外の台本のセリフを口にしている様は新鮮でした。出演が決まるとかいったことは今の所ないのですが、劇団員の新しい顔を発見できたのでやってよかったなあと思っています。
それから青少年にひらかれたワークショップということで、過去に客演してくれた人たちが来てくれたり、Яealityを観にきてくれている人が参加してくれたりしました。劇団という場を通して演劇を学ぶ機会を提供できたということはとても意味のあることだったのではないかなと思っています。
はい!今回はこんなところでしょうか。るんるんで書き始めたはずなのに、なぜかとても難産な記事でした……ふうー……!
そして次回は最終回!!「その8 劇団=自分のホームがあったからこそできたこと」です!!
まて次号!!↓
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