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吹奏楽を通して、文化を届けたい【Iris Wind Orchestra運営インタビュー⑦】進行・パート管理責任者 浅野 華

皆さん、こんにちは!Iris Wind Orchestraの浅野です。

連載企画の運営インタビュー。
最後にお届けするのは、現在執筆している私、浅野自身の寄稿です。

皆さんは、吹奏楽や夢中になっている”何か”をなぜ始めましたか?
客観的に誰かのインタビューをすることは、私自身にとっても、自分を見つめなおす良い機会となりました。

ぜひ、皆さん自身も自分に問いかけながら読んでいただければと思います。

吹奏楽に描いた夢、吹奏楽で描く夢

ふと思い返せば、気づいたときから私のそばには吹奏楽があったのかもしれません。

その昔、私の小学校では、とある市民吹奏楽団が毎年ミニコンサートをしていました。

地域の吹奏楽団が演奏しに来るというのは今でもよくある話だと思いますが、そのコンサートで見たのは、教員も団員の一人として参加している姿でした。

そう、先生方も所属する団だったんです。

普段は厳しい先生たちが笑顔で楽しそうに、そして一生懸命に演奏している。

体育や音楽といった専門なんてそんなの関係なく、知ってる先生が何人も楽団の中にいて好きな楽器を各々演奏しているのです。表情も動きも、とにかく印象的で、何より大人たちが大真面目に演奏している姿がなんだかユニーク。

「吹奏楽ってとにかく楽しい!」

そう思うのも自然な流れだったように思います。

そんな私の吹奏楽人生に転機が訪れたのは、小学校高学年になった時です。
父に連れられ何となく訪れた埼玉栄高校の定期演奏会。魂が揺さぶられるような夜になりました。

大きな舞台できらきらと輝く楽器と華やかな演奏。
演奏を終えて誇らしげに立ち上がる奏者たち。
高校生のお姉さんたちが、ハイレベルかつ純粋な音楽を“歌う”ように奏でており、そのサウンドは、まさに芸術でした。

ー絶対、私はここで吹奏楽をやりたい。

それが、私の胸に芽生えた小さな夢になりました。風の噂に聞いた「栄中にも吹奏楽部ができる」という話。私もこのステージで皆と演奏できる。

中学受験の選択肢は、「埼玉栄」一択になりました。

願いのとおり、私は吹奏楽を中学から始め、そのままコンクールや数多の演奏会を乗り越えました。

正直理不尽なこともあったし、楽しいことばかりではなかったかもしれません。
それでも、気づけばあの出会いから15年、まだ吹奏楽を続けています。

そして、吹奏楽と出会い、その“えん”でたくさんの人とめぐりあいながら大人になった今の私の夢は、「吹奏楽をしたい」から、「吹奏楽を通して何かしたい」に変わりました。

私は、プロもアマも関係なく、吹奏楽を通して人に与えるということに夢を持つ人生はあっていいと思っています。

物質的な豊かさを超えたこの世の中。個人主義的な価値観が広がり、集団や交流といった概念がここ数年で急速に色あせてしまったように感じています。

それならば、私達の世代の力で日本全体の文化の裾野を広げ、心を豊かにしたい。

皆さんと「文化」したい。

それが私の今の大きくなった夢なのです。

イリスとの出会いで広がった音楽の可能性

そんな私が指揮者の神林と出会ったのは大学一年の時。所属楽団とSMB(神林が所属した楽団)の交流会でした。

学生指揮者ってこんなにアツいんだ。

イリスの初回演奏会や、交流会での吹奏楽への熱量。
それは、吹奏楽人生で二度目の衝撃を受けた瞬間だったかもしれません。

コンクール至上主義の風土で育った私からすれば、「アマチュア、大学生、コンクールもない」という音楽であってもひとりひとり目指すものがあることを知れたことは大きな収穫でした。

そして、音楽の垣根にはプロやアマも関係なく、「音楽を愛する」という枠組みしかないことを知ることができたのは、イリスであったと感じています。

イリスの強みは、何といっても「チャレンジ精神」。神林のインタビューでも取り上げられた「とにかくやってみる」の精神です。

やりたいことは、とにかくやってみる。
そこから、どの団にも無い何かを目指していきたい。

運営メンバーから常に感じるアツさはこの想いの現れだと思っています。

立ち上がってから早7年。時が経つのは早いもので、私自身もイリスの種が蒔かれ、根を張り、芽が出るまでを見届けてきました。

団の名前が変わり、Iris Wind Orchestraと呼ばれるようになったこの団もきっと花が咲く。

そんな行く末をもっと見ていたくて、今でも変わらず運営として携わっています。

毎日がイリス漬け、それもまた愛おしい。

運営になってから…特に今年は毎日イリス、イリス、イリス。

noteの執筆やパートリーダー全般の管轄、インスペクターとまでは行かなくても進行の管理。それに合わせてセッティングや出席管理。

その他細かい雑務にはなりますが、毎度の会議の議事録作成やSNS発信のチームメンバーとして情報発信に励む毎日。

仕事やプライベートも忙しいですが、こうした吹奏楽団でも活動するのはひとえに吹奏楽や文化への愛なのでしょう。

そして、この記事を書いている今も演奏会に向けての練習期間真っ只中なのですが…練習で音からもあふれる、音楽との 再会の喜びには感動が止まりません。

この情勢下でのイベントの実施そのものはもちろん、奏者自身が音楽を継続することはとても難しかったに違いありません。

それでも、沢山の方が一堂に会し、良いものを作ろうとする…メンバーに対して、自分の愛器に対して「ありがとう、久しぶりだね」そんな声が聞こえてくるような喜びを噛み締めている笑顔が嬉しくてたまらないのです。

だからこそ、今回の演奏会でも、練習でなかなか人が揃わなくても、それでも皆をリスペクトして本番に「最高じゃん」と笑い合えるような、そんな演奏会になってほしい。

そして、いつかは「日本の」イリスになったらいいなぁと夢見ています。

「次のイリス募集いつだっけ?」とTwitterで何気ない方がツイートしたり、「今回のイリス参戦します」というのが日本中で見られるような演奏会になってほしい。

日本中から「イリスで音楽したい」と思ってほしい。

可能なら、企画合奏会は日本中から集まるからって大きな箱でやってもいいんです。

アマチュアだけでなく、プロも吹奏楽愛する皆が集まって全力で楽しむような、そんな大きな企画に育てていきたい…夢は大きく膨らみます。

空気を震わせ、輝きを伝える。

皆さんは社会人になっても好きなことを続けていますか?
社会人になってからの趣味の良さって何なのでしょうか。

私なりの考えですが、吹奏楽に限らず、どんな種目でも大人になれば、表現力が突き抜けて成長していきます。

学生時代と比べ人生の酸いも甘いも経験したことによるものでしょう。
一般的には、アマチュアはそれらを表現するテクニックを持たず苦労する…なんて言われることもあります。

しかし、吹奏楽は団体で演奏するものです。
複数人で様々な壁(練習時間、練習場所、人間関係、年齢など)を乗り越え、一つの目標に向かって取り組む…というのは仕事であってもなかなか「目に見えた形では」珍しいのではないかと思っています。

そして、本番になれば、ホールの客席いっぱいに輝かしいサウンドが響き渡ります。
客席からステージを見れば、奏者の誇らしげな輝かしい表情が目の前に迫ります。
コンクールであれば、名演で生まれる栄光と観客の熱狂があるでしょう。

いずれにしても、お客さんも奏者も一体となり、ホール全体が高揚感に溢れるあの瞬間というのは、他では経験できない特別なものだと思います。

だからこそ、私にとっての吹奏楽っていいねとは、「輝き」そのものなのではないかと考えています。
私はこれを味わいたいがゆえに何度も吹奏楽の舞台に戻ってきたいと感じてしまうのです。

そして、吹奏楽がオーケストラと違うのは「呼吸」があること。
感情はすべて息から生まれ、そのうねりを観客もともに呼吸することで感じます。

皆が空間を生み出し、空気を震わす先には人種も言語もありません。
競技と思われがちな吹奏楽ですが、争いだってないはずです。

だからこそ、我々の作るこの音楽の時間が文化を形作るのだと信じています。

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2022年5月28日、当団は"Iris Wind Orchestra"として初の第一回演奏会を開催します。
現在、私達は共に音楽を楽しむ仲間を探しています。興味のある方は、こちらのURLから詳細をチェックしてみてください。

公式Twitter、Instagramもありますので、@Iriswindo でぜひフォローをお願いします。

それでは、また次回!

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