見出し画像

わたしはわたし。

今なお定期的に見返す、すごく好きなドラマがある。

"ハガネの女" だ。

シーズン1と2があるが、特に好きなのは1の方。

吉瀬美智子さん演じる女教師ハガネ、そして彼女が受け持つクラスの生徒たちのお話だ。

このクラスの生徒の中で、わたしにはお気に入りの生徒がいる。

菊田真理衣だ。

彼女は典型的な女王様タイプ。

常に2人の女の子を従え、勝気で、横暴で、いじわるで、賢くて、正直者。

他の生徒たちにいじわるをすることなんてザラで、生徒はおろか担任のハガネの給食に雑巾汁を絞ってしまうような、そんな女の子。

そんな彼女の台詞の中でも、特に好きなのは、シーズン1の最終話でのこの台詞だ。

「みんなも知ってると思うけど、うちの会社倒産した。わたし、負け組に転落した。だから、土下座する。約束だから。わたしのこと笑ってもいい。いじわるしたっていい。仲間はずれにしたっていい。でもわたし、このままじゃ終わらない。これからは今までの2倍、ううん、3倍勉強する。勉強して偉くなって、絶対家を取り返す。誰に何を言われようと、わたしはわたしだから。」



小学4年生、若干10歳のこの台詞に、わたしは痺れた。

もしもおうちがお金持ちじゃなかったら?との
クラスメイトの問いに、
「そんなのありえないし。
その時は土下座してやるわよ。」
と豪語した彼女。
その後、親の会社の倒産を知らされ、住んでいた家が抵当に入り、住処を追われた。

普通なら、というか、わたしなら、だ。

誰にも会いたくない。
人生終わりだ。

そう絶望するだろう。

とてもじゃないが、「学校に行こう」なんて思えない。

さんざん猛勢を振るい、女王として君臨してきた場所に行こう、なんて。

まして、土下座の約束さえしてしまっている。

それでも彼女は学校へ行き、女王からの転落を自ら認め、皆の前で土下座をした。

約束通り、粛々と。

自らの発言の責任をとり、通すべき筋を通す。

ドラマの中の話とはいえ、大人でもこれができる人は少ないように思う。

最近のニュースを見ていると、特に。

無論、わたしもできるかどうか自信はない。

それでも。

逃げ出しそうになったとき、この台詞を心に留めておくことで、踏ん張れるかもしれない。

誰かに嫌われるかもしれない、と恐れたとき、 "わたしはわたしだ" そう言い聞かせることで、少し強くなれるかもしれない。

いや、なりたいと思う。

心が挫けそうになったとき、何度でも見返す。
そして勇気をもらう。

皆さんにも、そんなドラマはありますか?

#エッセイ #所感 #ひとりごと #ドラマ #ハガネの女 #生き方 #勇気 #わたしはわたし #台詞 #教師 #生徒 #毎日更新倶楽部








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?