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『天気予報はずれる』
これをどう読みますか?

天気予報や気象情報を、まさに『読み取る』ための心得といっても良いかもしれませんね。

これは、
北九州市のお隣り、山口県下関市出身の、気象予報士・寺川奈津美さんのご講演で教えていただいたものです。
寺川奈津美 - Wikipedia
寺川奈津美(@natumikann541)さん / Twitter


きっと、心のキレイな方は、
『天気予報、ハズレる』
と読まれたと思います。

もちろんそれも正解というか、日常的に使っている言葉だと思います。

予期せぬ雨が降って、傘もってなかったとか、
雨が降ると思って洗濯物を外に干さなかったのに、雨が降らなかったとか。

「明日天気にな~れっ!」靴を飛ばして表か裏かのように、天気をアタリかハズレかという感覚ですよね。

今日の話題としての答えは、
『天気予報は、ずれる』
でした!!

ズレるんですね。

近頃の天気予報はとても精度が高く、ハズレることも少なくなってきましたが、
『ズレる』という感性で、今後見ていただけると良いかと思います。

ズレるというのは、色々あります。主に以下の3つ。

まず、横方向のズレです。
雨域が、東西南北にズレるものです。
少し逸れてくれた。思ったよりこっちに来た。というパターンですね。

その辺に来ることは分かっているんですが、ピンポイントで言うとズレているという感じですね。


次に、時間感覚でのズレです。
当初の予報より、早く降ったり、遅く降ったり。
雲が近づいてくる速度や気流によって、言わば前後にズレが出てくるものです。


最後に、量のズレです。
予報されていたよりも、多くの量が降ってしまったり、全然降らなかったり、そうしたボリューム感のズレです。


自分の頭の上だけの空模様だと、
当たったとか、ハズレたとか、そんな感覚になってしまいますが、
もっと視野を広く捉えてみると、
ズレているんです。

どこかしらには予報どおりの雨が降っていたりします。
思った以上に降った雨も、最大雨量として想定されていたりします。


これから梅雨入りし、
大雨シーズンとなっていきます。

人間誰しもが、自分の都合の良いように気象予報を解釈してしまいます。
ぼくだってそうです。
でも、そんな気持ちがあることを戒めて、ズレてくることも考えましょう。


今日、6月1日から、『線状降水帯予測』が開始されます。

雲が連なって、同じような箇所に長時間にわたって大雨を降らせてしまう、恐ろしい線状降水帯です。

ひとたび線状降水帯が発生し、
自分のまちや、川の上流部の地域にかかってしまうと災害が起きてしまいます。

台風などは数日前からの予報が出され、段々と接近してくる様が分かりますが、
線状降水帯は神出鬼没!
どこでいつ発生するか予測がつかないものでした。

世界一の気象観測・解析を誇る気象庁において、
今日から「予測」がスタートします。

気象庁|報道発表資料 (jma.go.jp)

とは言え、一朝一夕にできるものではありません。
かなり難しい予報のようです。

水蒸気の量や、地上付近の風、上空の風などの様々な判定要素が必要なことと、特に西側の海上で観測網が必要なようです。
陸上での観測網はアメダスをはじめ、かなり充実してきています。
海の上で測るには、船から観測しています。
日本を守る気象情報を確保するために、船上から観測していただいてる方々に感謝しなければいけません。


今日から始まる『線状降水帯予測』については、(ぼくなりの解釈では)
ポイントが2つあります。

ひとつは、予測が出される『時間』です。
『半日前』に発表するとされており、つまり12時間前です。
避難行動などの時間を考慮してのものです。

急に出されても行動できないですよね。
早めの行動のためです。

しかしながら!
早めの情報が故に、ズレる可能性は多いにあります。
別の方へ行ってくれる場合もあれば、こちらに来てしまうこともあります。
また、列をなさず、大した量が降らなかったという場合もあるでしょう。

もうひとつは、予測が出される『範囲』です。
現在の報道発表では、『大区分での地方』を用いるようです。

具体的に、例文では『九州北部』での予測発表となっています。
九州北部といえば、福岡県はもちろんのこと、大分県・佐賀県・長崎県・熊本県まで入ります。
福岡県北端の北九州市から、熊本県の南端まで入ります。
また大分県の東端から長崎県の西端まで、、、かなり範囲は広いですよね。

12時間前の予測では、これだけ広い範囲で呼びかけないといけないということですね。

ちなみに、7年後ぐらいには、市町村単位での予測発表を目指すとのことです。


ひとまず、むこう一週間ぐらいの予報を見ると、梅雨前線は南下して、例年より少し遅い梅雨入りとなりそうですね。
これからの大雨シーズン、
文明の利器である情報を活かしつつ、災害を逃れ、命だけは守る地域づくりを進めていきたいです。

解析や予測、情報がいかに発達しても、
受け取るぼくたちの心持ちしだい
で、いかに活かせるかにかかってくると思います。


今日もご覧いただきありがとうございます。


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