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神社の『名称』『立地』~手を合わせ祈ること~

初詣などで、神社へお参りには行かれましたか?
神社の名称、立地にも注目してみましょう。

ぼくは、子どもの頃は、何でこんなことせないけんのやろ?って不思議に思っていました。

今でも無宗教のぼくですが、ここ数年で、何だか腑に落ちたところがあり、とても清々しい気持ちになる行事です。

歳とともに、というわけではなく、NPOでの地域活動などで見えてきたことが理由です。
ぼくの肌感覚をもとに、勉強不足ながら少しだけアウトプットしてみたいと思います。



①神社の名称・由来に注目

神社には、色んな名前の神社がありますよね。
皆さんのまちにも神社があると思いますが、どんな名称ですか?

その土地の名前がついているパターンも多いかと思います。
土地が先か、神社名が先か、っていうのも面白いですね。
いずれにしても、神社の名称とそのまちの名称が、ともにその土地を表して続いてきているということですね。

多くの地域にある神社の名称としては、
稲荷、八幡、貴船、日吉、恵比寿、祇園、白山、綿津美、金毘羅、天疫・・・などなど、あげればきりがないですね。

全国的に多い名称や、スポット的にその地域で多い名称もあるかと思います。

自分のまちの神社の名称は、「ふ~ん」って思っていても、もっと別のまちの神社の名前を見たときに、「あ、うちのまちと同じ」っていう発見は多々あります。

多くのまちで重複している神社の名称には、いわゆる系列・系統のようなものもありますし、その名称に意味が込められているものもあります。

例えば、ぼくは小倉北区貴船町の出身なんですが、『貴船神社』があります。
秋にはお祭りもあって、太鼓とお神輿というか山車のようなものもあります。町内でするような小さなお祭りです。

『貴船』という言葉ですが、多くのまちに同じ「貴船神社」があります。
同じキフネでも、「貴布祢」という名称であったり、少しずつ違ったりしています。
いずれにしても「キフネ」という言葉は、水を司る神様のことを指すようですね。

うちの貴船町は、2級河川である紫川のすぐ横にあるまちで、一帯が低地で、以前は田園地帯だったようです。
そうか、川の洪水を鎮めたり、貴重な水を引くために祈ったり、水の流れとともに生きてきたこの町で、この神社を大切にしてきたんだなと感じます。



②立地に注目!

東日本大震災のときに、津波から助かった場所に神社があることが注目されました。
結構海から離れている場所に「浪分神社」というのがあり、その足元まで津波がきたという話を聞きました。こんなに遠くまで!?という感じだったのですが、実際に自然の猛威がそこまで達したということでした。
しかしながら、先人たちは繰り返す災害から、その地のこと、自然との共存について後世に伝えていきたかったのだと思います。

ぼく自身、いろんなまちに行き、地域づくり、郷土愛の育み、防災まちづくりなんかのお手伝いをしているわけですが、
最初に、地名・地形を見て、必ず、神社の位置に目をとめます。

地形図を見て、実際に現地を歩いて、アップダウンを感じながら、神社を訪れた際に、納得がいきます。
特に災害に関連することが多いです。

『この場所なら大丈夫』という位置に神社があることが多いです。

川の洪水の達しない場所、
山からの土石流に当たらない場所、

見事に場所を選んでいます。

考えてみると、重機などない時代、人力のみで、資財・人員・労力を投入して神社を建設するわけですから、しょっちゅう災害に見舞われるような場所には建てられないですよね。

しかしながら、暮らしの中にある場所でないと、大切に祀れないわけですから、ちょうど良い場所に。

文字通り、『そのまちの守り神』となるわけですね。


で、ウチの貴船神社もそうですが、何でココ?っていうような神社もたまに見かけます。
不思議になって、地元に詳しい人に聞くと「移転したんです」とのこと。
以前の場所を聞いてみると、「うんうん、そこなら納得!」という場所であったりします。



③手を合わせ願うこと

そんなこんなで、色んな場所で足で肌で感じてきたことは、
こうした先人から伝わってきている、
自然との共存・共生、畏敬の念を大切に大切に感じていくということです。

信仰や宗教はあまりありませんが、
自然は明らかに目の前にあり、
恩恵もあれば、ときに牙を向きます。

鎮めるも祈るのも、自然とともに生きてきた先人たちの思いは、大切に受け継がねばと思います。

『SDGs!!』なんて声高に聞こえる昨今ですが、
こうした過去から現在までに伝わる大切なこと。
その礎の上に現在があることを感じることが、これからの未来を大切に考えていける一歩目
じゃないかなと思います。


冒頭の写真の場所、家のすぐ近くのひっそりと在る神社に、子どもたちを連れてお参りに行きました。

手を合わせ祈ること、
「今年も、このまちが安全にありますように」
「今年も、この子たちが、このまちで健やかに育ちますように」

まちの守り神に手を合わせ祈ること、
自然や伝統と向き合う一歩目になるかと思います。

こうした機会を通じて、子ども達にも、先人たちから引き継いできた『想いのバトン』を渡していけると良いなと思いました。


今日もご覧いただきありがとうございます。
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