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海外MBA不合格体験記~GMATとGRE両方受験した私の学び~

2024年3月、私の海外挑戦プロジェクトが終了した。いつか海外に住んでみたいと思い続けて十年弱、重い腰を上げてやっとこさ海外生活に向けての準備をし始めたのは2023年4月のことだった。このセルフプロジェクトには、海外MBA準備と駐在枠獲得の二つが含まれている。結局大学院には合格せず、後者の方法で海外生活を始めることになった。

国内か海外か、大学か大学院かにかかわらず、世間では多くの合格体験記が存在するが、不合格体験記は見たことがない。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ということなら、不合格体験記の需要はきっとあるだろう。ということで、今回は私が海外大学院に向けて勉強に励み諦めた軌跡を紹介し、より多くの受験生が効果的な方法で受験を突破できるよう反省ポイントを共有したい。私の屍を越えてゆけ…!


いつ何をした?私の全体スケジュール

まずは全体スケジュールから。黒の矢印が私のスケジュールで、青色は一般的な受験スケジュール。私はちょうど1年の歩みだった。

海外MBA挑戦の全体像(理想と現実)

海外MBAへの準備の過程で多くの受験仲間と知り合ったが、入学時期の1年半~2年半前から準備を始める人が多かった(反省ポイントの1つ目)。今回の記事では主に反省ポイントの共有をメインの趣旨とするため、各プロセスの詳細(スクール情報収集、コーヒーチャットの依頼方法の詳細等)については別記事で紹介したい。

私のIELTSとGMAT/GREスコア

出だしの遅かった私のスコアは以下の通り。
IELTS OA7.5
GMAT/GRE 600点(旧GMAT換算)
IELTSは有名海外大学の要件を満たす水準である一方、GMATもGREも中位ランキングの学校の要件を満たせぬ程度。3か月でIELTS7.5を取得できた私の勉強方法は別記事で紹介する。

GMAT/GREでスコアメイクできなかった理由

さて、私がなぜGMAT/GREでスコアメイクできなかったのか、自分なりに分析してみた。ここは反省ポイントの2つ目。

①GMATとGREで迷い、どちらも中途半端になった

私が留学準備をしていた2023年は、GMATもGREも旧形式から新形式へ移行した最初の年だった。いずれも受験時間の短縮とテスト内容の変更がなされた。最初の数か月は旧GMATの対策をしていたが、途中から新GREへ切り替えたり、志望校の要件が変わり新GMATを受けてみたりと最後までブレブレだった。おそらく最初からGMATで一貫していればより高い点数が取れたのかもしれないが、GMATのVerbalのスコアが勉強前後で変わらなかった(20点前後)ことと、秋までにはスコアメイクしたいという焦りから楽そうな選択肢に逃げてしまった(しかも、実際は楽ではなかった)。

②GMATよりもGREのほうが得点しやすいという勘違い

GMATよりもGREがスコアメイクしやすいと言われる理由として、一般的には受験者層の違いとテストの難易度が挙げられる。
・受験者層の違い
GMATはビジネススクール向けで受験生全体のレベルが高く、相対的に良いスコアを取りづらい。一方、GREの受験生は玉石混合で、自分が標準よりも上のスコアを取りやすい、と言われている。
・テストの難易度
GMATは数学が難しい。GREは英語が難しいが、単語さえ覚えればスコアメイクできる、と言われている。

にもかかわず私は特段対策をしなかった新GMATと数か月対策をした新GREでスコアは変わらなかった。
1つ目の受験者層のレベルは意識する場面がなかったので何とも言えない。
2つ目のテストの難易度に関する通説は実態と異なるように思う。まず、私は数学が苦手だが、GMATでは満点のスコアを取れた一方、GREでは旧GMAT換算40点前後のスコアしか取れなかった。GREはGMATに比べて計算ミスによる影響が大きいのかもしれない。また、GREの英語はGMATよりもはるかに難しく、IELTSのリーディング満点の私でも歯が立たなかった。

具体的に何がGRE英語を難しくさせるのか?それは単語の難易度だけではない。GREはGMATに比べ、回答にあたって求められる文章の理解レベルがはるかに高いのだ。リーディングの問題のタイプを直接型(AはBか?という問いに対し、AはBであるという内容が本文にはっきりと書かれているもの)、間接型(AはCか?という問いに対し、AはBであり、Bでない場合はCである。ゆえに、AはCではないという内容が本文に書かれ、間接的に答えを導くもの)の2つに大別される。直接型の問題のほうが間接型よりも難易度は低いのだが、GREはGMATに比べて間接型の設問が多いため、リーディングの難易度が高いのだ。
また、GREにはGMATにはない単語問題があるが、いくら単語を勉強したとしても単語問題を得点源にするのは困難なため、結局長文読解で点数を稼ぐしかない。というのも、GREの単語問題は文章に含まれる1~3つの空欄に文脈上あてはまる英単語を選ぶ必要があるのだが、単語のレベルが高く意味が取りづらい上に、文脈を理解した上ですべて正しいものを選んで初めて正解になる。限られた時間で文脈を理解し、全て正しい単語を選ぶのはいくら英単語を覚えたとしても難しいのだ。

GRE単語問題イメージ。(1)~(3)全て正しいものを選べば正解だが、単語がとにかく難しい!

もちろん、上記の内容は私が実際に両方を勉強してみた体感に過ぎず、すべての受験生に当てはまるわけではない。
しかし、「数学が苦手だからGREにしよう」「単語を覚えるのが好きだからGREにしよう」といった決断はいささか性急すぎるということを心にとどめ置いてほしい。試しにGMATとGREを両方受験し、相性の良さそうなテストを決めたら(その選択が合っていそうかどうかにかかわらず)とりあえず半年はぶれずに勉強を続けることが大事だと反省している。

さらに補足すると、私のGMAT/GREのスコアで中堅以上のビジネススクールに入学している人を知っている。あくまでもスコアは審査要件の一つに過ぎず、エッセイやインタビューで巻き返すことができれば合格は可能だ。

反省ポイントまとめ

以上から、反面教師である私の反省ポイントは以下の通りだ。
①留学準備は入学希望年の2年前から開始する
②GMATかGRE、どちらか選んだら半年は継続して勉強してみる
③数学が苦手でも、単語の記憶が得意でも、GMATのほうがスコアメイクしやすい場合もある

以上の反省を踏まえ、これから海外MBAを目指す受験生にはより効率的に合格を勝ち取ってほしい。かくいう私も海外生活の中で再度MBAを受験する予定なので、この経験を踏み台にハードルを乗り越えて行きたい。


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