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ADHDの薬について

Hello! 👋 前回は診断について、お話を共有しました。

その診断後は、かなりオープンに色んな人に自分がADHDだということを話していましたが、そのたび、意外と一番よく聞かれたのが、
薬は怖くない?」「どういう効果なの?
やめられないんでしょう?」「本当に効くの?」
私は医者でも薬剤師でもないですし、同じ薬でも薬の効果は人それぞれなので… ここでは主観的な私個人としての体験をここで書くので、何かしら参考にできる人がいると嬉しいです。


薬を飲む前の脳内の状態をまずは説明します:

ADHDが一番ひどい時の[ 私の脳内 ]
・ドーパミンが足りないので仕事・家事などのやる気が出ない
・優先順位がつけられないのでどこから手をつければいいかわからない
・目の前のことしか集中できないので、slackの対応で大事なボールを落とす
・普段できることも、変なところでミスをする
・ミスが重なってパニックになり、自信がなくなる
・人間関係でも、過剰に反応するようになって、他人の言葉が棘のように刺さってくる(認知の歪み)
・ひどい時は朝起きられない
・インポスターシンドロームがひどい
・口頭の指示などわかりづらい、すぐ忘れる
・忘れ物(鍵・スマホ・財布など)がひどいので、家を出られない
・遅刻ばかりする(忘れ物と時間の歪み)

薬に関して一番恐れていたこと

  1. 一生薬が必要な人生ってどうなんだろう、という嫌な気持ちだった(薬がないと普通にできないって、弱さだよね? 花粉症の薬を飲み始めた時も似たような感覚だったが、先生には「目が悪い人が眼鏡をかける感覚だよ。我慢はしないよね」って聞いて、すごく納得した)

  2. 自分らしさがなくなったらどうしょう(ADHDもクリエイティビティのベースになっているかもしれないので)

  3. 依存性があったら嫌だなと怖かった(コントロールが効かないって怖い)

  4. 産後鬱だった友人が過去に合わない薬を飲んでいた時、状態が悪化して自らの命を絶った、という辛い体験をしていた(薬は絶対怖いってイメージがあった)

コントロールが効かなくなる、というイメージだった

薬を飲み始めた!

診断されてから、自分の状態をモニタリングしたかったので、自分にしては珍しく、細かくメモをしてました。
上のリストの2番に書いてあるように、私は美大でグラフィックデザインなどを学んでいて、現在はクリエイティブディレクションを仕事にしているので、薬が効きすぎても、自分が自分らしくいられなかったら、クリエイティブさが落ちるのかな?というポイントは一番気にしていたことかもしれないです。タスクなどミスを減らすけど、自分らしくいられる分量を一緒に追求しましょう!と先生に背中を押されました。

  • 1週目:25mg
    いきなり効果を感じて、「普通」の状態ってこうなんだって感じる

  • 2週目:40mg
    いい感じ!

  • 3週目:65mg
    調子良い

  • 4週目:80mg
    喉の渇きがひどくて、辛い。容量を減らしたいとリクエスト

  • 5週目:75mg
    最初はだるい感じ。喉の渇きは良くなった

  • 6-8週目:80mg
    慣れてきたので、また80mgに戻してみる。途中でめっちゃ落ち込む日もあったけど、タスクなどは調子良く、気持ちも前より安定している

  • 9週目:105mg
    効果が弱くなってきたので、アップすることに挑戦

私が感じた副作用:😓

・最初は寝る前の夕食後に飲んでましたが、夜飲むと、眠れなくなるので、朝に切り替えました 🌞
・普段は朝ごはん食べてなかったけど、ちゃんと食べてから飲まないと、むかつきや吐き気 🤢 がするので、かなりしっかり食べてから飲んでます。最近はちゃんと食べてるので、全くムカムカは無いです!
・飲んでから3時間後くらいにすごく喉が乾くので、水を飲まないと、かなり辛い。水分補給を増やせば、問題ない 💦
・飲んだ数時間後は食欲が無い(ランチは軽めに摂るようになった)
・調子悪い時は動悸が気になる(とてもレア)

副作用もありますが、効果の方がすごいので、個人的には気にならないです
2022年の2月から薬の量をメモってた実際のノート
(普段は適当なのに、怖かったから丁寧に進めていた)

自分を許せたきっかけ

上のメモの一週目というか、初日の初めてストラテラを口にした体験は忘れられないものになりました

他人の脳内って誰にもわからないので、上で書いた「ADHDのひどい時の脳内の状態」は地球にいる人間全員のデフォルトだと思っていました。「みんなこんなカオスの脳内なのに、それでもちゃんと結果を出してるなんて、多分私なんかより何倍もスタミナがあって、モチベーションがあるから、できるんだ!」って信じていたので、それができない自分に「なんでできないの?」「やる気足りないよね」って昔先生や会社のボス、親などに言われ続けた意地悪な言葉をずっとかけてました。

しかし、薬を飲んで数時間後、ザワザワしていた脳内(左の図)の声とタスクが書いてあるボールみたいな存在(下のイラスト参考)が今までだとすごい勢いの水でずっとぐるぐる動き続けていて、その水の勢いがなくなった状態(右の状態)になりました。

会社のチームメンバーなどに説明するために作った資料

「え?なにこれ!!?!」

まるで今までは混んでいる会場のパーティー状態だった脳内の空間が、突然みんないなくなって完全に静かになった状態。お子様がいる人は、保育園などに子供送った後の家の静けさに似てると例えたら分かりやすいと思いました。

自分に託したタスクが全て冷静に見れて、優先順位が決められる。しかも超落ち着いてる。部屋も静かになった。無駄なカフェの会話も気にならない。その時はっきり自分に言いました:

「この静けさがデフォルトの定型の人は、そりゃ結果出せるわ!よくこのカオスでも結果だし続けて、クビとかにならなかったね。すごいね。お疲れ様」と自分で自分をハグすることができました。今までどれだけ大変だったか、自分でもわかっておらず、40年くらいしてからやっと、こんな自分を許せて、受け入れることができました。うまく言えないくらいずっと感じてた罪悪感、恥、出来損ない、インポスターの気持ちが身体を抜けて、とても軽くなった感覚があります。もっと早く知りたかったけど、そういう悔しさはそんなになかった。軽くなりすぎて感動の方が強かったかも。


今は薬が115mgに落ち着いていて、すごく自分に合っている量だと思っています。今までバラバラだったルーティンも確定してきて:

  • 朝起きて、子供を保育園に送った後、朝ごはん 🍞 を食べて、薬を飲む。

  • コーヒー ☕️ 飲みながら薬が効いてくるのを待って、作業に取り組む。

  • 薬の効果がmaxの状態(朝〜午後の4-5時くらい)でタスク管理周りの仕事を片付ける

  • クリエイティブ系、out of the box、カオスから生まれるアイディアなどは、夜などに変えてみる

  • 週末だと、土曜日は家事などに集中する場合は薬飲んで、日曜日など、タスクが少ない日は薬を飲まないで、自分らしくゆるい日にする(新しい人に会う、大きなイベントがある場合は飲む時もある)

こうやって上手く薬に頼ると、自分の特性の強みを活かしたり、弱みのところは薬に頼ったりすることで、気持ちのコントロールのダイヤルを操れるような生活が最近ではできています。小さな成功体験 ✨ を増やしてハピネスも上がる。自己肯定感も、今だと人生で一番高い状態です(3歳くらいの、無邪気に自分でいて生きてるだけでハッピーだった時に近い)。

次は何について書こうかな…


おまけ(そもそもの脳や神経の仕組みなど)

多様な脳と神経の仕組み
まずはそもそも、人間ってどうやって考えたり、感じたり、判断したり、学んだりしているのでしょうか?「神経伝達物質」です。脳内の神経細胞から神経細胞へと色々な情報(電気信号)を伝える役割を持っています。

代表的な神経伝達物質はそれぞれ精神活動への影響の仕方が異なります:
ドーパミン → 快感、興奮、幸福感
セロトニン → 落ち着き、安定感
ノルアドレナリン → やる気、集中、積極性

ADHDは多動や衝動で知られているので、脳内でやりとりされる情報が多すぎて多動になったり、衝動的になったりするという印象が強いですが、その説明は少し違います。放出された神経伝達物質の一部は取り込まれて再利用される仕組みですが、その取り込み口に神経伝達物質が再吸収されすぎて、神経細胞間の神経物質が少なくなっている、あるいは受け取った神経伝達物質が漏れ出して情報が効率的に伝わらない、というのが実態です。

神経伝達物質の動き:正常 vs ADHD

ADHDの場合、不足しているのは脳内の「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」で、これらの不足が特有の行動につながると考えられています。そこで、送信側の神経伝達物質の再取込口を塞ぐことで受け皿に届く「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」の量を適量に調整したり、受信側に届いた神経伝達物質が漏れ出さないようにし情報がしっかり伝わるようにしたりするのがADHDのお薬の役目です。

日本で処方できる薬の効き方

私がまず最初先生に勧められたのは、ADHDとして一番一般的なストラテラ(アトモキセチン)です。その効果が弱くなった頃は効果に興味があったので、インチュニブも試したことありますが、コンサータは通っているクリニックで出せないので、試してないです。



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