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Vol.2 - ウソタテマエ[エレクトロダンスロック風ポップス]『生き地獄復帰リーマンが自己セラピー兼ね楽曲制作』

お疲れ様です。IRAKAです。

初めましての方へ、“Vol.0 - 自己紹介”からお読みいただけると、楽曲をよりお楽しみいただけると思いますので、もしお時間がございましたらご検討いただけると幸いです。
(能書きは良いからさっさと曲を聴かせろ、と言う奇特な方は、目次から一番下の“楽曲リンク”へどうぞ)

Vol.0-1から続けて読んでくださっている方へ、本当にありがとうございます。vol.1の「あした」はいかがでしたでしょうか。もし、お聴きいただいて、少しでも楽しんでいただけていたら、何よりの喜びです。

今回も、誰に頼まれた訳でもないセルフ解説とともに、私の作った楽曲をご紹介させていただきます。
読んでから曲を聴いていただいても、先に聴いてからお読みいただいても、もちろん読まなくても、ご自由にお楽しみください。

願わくば、この曲が必要な人へ届きますように。

詞について

この曲は最初に「嘘と建前で生きてきた」のフレーズがメロディと一緒に思い浮かびました。ちょっとダサい感じだし、ありきたりな感じもするし、イマイチかなと最初はアイデアをスルーしたのですが、翌日になっても頭の中でリフレインが収まらず、後続パートのメロディも思いついてしまったので、やっぱり曲として完成させることにしました。

詞のテーマを何にするか、決まるまであまり時間はかかりませんでした。制作当時、一番のストレスとなっていた仕事での(顧客からの)パワハラ、これをテーマにすることにしました。
問題顧客のパワハラ体質は社内および関係会社間でも昔から有名な話として知られており、悪しき不文律、暗黙の了解事項として長年放置されている状況でした。(この顧客からの売上がかなり大きいため、偉大な先輩方が“ことなかれ&よしなに”でやってきてくれたおかげで、パワハラを容認せざるを得ない現在の関係性が構築されたようです)

私のような一介の下請け社員は悲しいかな、黙って顧客からの無茶なオーダーを(嫌々)こなすことしかできないので、せめて音楽制作で思いの丈を表現して溜飲を下げよう、と考えました。(誰にも届かないので意味はないですが、自己セラピーですから)
また、「嘘と建前で生きてきた」の一節が『言いたいことも言えない状況』を表現しているようにも思えたことが、パワハラをこの曲のテーマとして選んだもう一つの理由です。

歌詞を練り出す前に、私の置かれていたパワハラ状況について熟考しました。なぜ、この担当者さんはこんなにも高圧的なのか、なぜ感情任せ(ご機嫌ななめな時がほとんど)のコミュニケーションしかできないのか、なぜ自分の非を絶対に認めない(何があっても謝らない)のか、物事を円滑に進めるための会話(ねぎらいや同調、世間話など)がなぜできないのか、そして、そういった担当者さんがいたるところに何人もいる(私の体感では全体の半数近く、チームに必ず一人はいる)のは何故なのか…。

じっくり考えて、私は一つの結論に辿り着きました。きっと、どの担当者さんも元からパワハラ人間だった訳ではなく、問題顧客の会社へ入社して悪しき体質に染まってしまったのだ、と(思うことにしました)。
新入社員でフレッシュだった頃の担当者さんは、上司からの叱咤叱責を毎日受け、先輩社員の背中を見てパワハラ仕事術を学び、ある人はそれを社会人の作法として疑うことなく吸収し、ある人は心を病みながらも生き残る術として自身もミイラになることを選び…そうしてパワハラモンスターが一人また一人と誕生し続けているに違いありません。(妄想たくましすぎますかね?)

しかしそうなると、一番悪いのは誰なのか…
部長?社長?会長?その先にいる消費者?いや、資本主義のシステムそのものが元凶なのでは?とはいえ自然界の弱肉強食とそう大して変わらない気もする…そうなるとパワハラも肯定されて然るべき営みなのか?人間社会の歪みは解決できない問題なのだろうか…。
と私には話が大きくなりすぎて迷路から抜け出せなくなったので、そこで思考を停止して詞を書き上げました。

パワハラは職場だけではなく、年齢や立場を問わず、社会の様々な状況下で発生しうる問題だと思うので、シチュエーションを限定しない表現を心がけました。

曲について

この曲の制作当時は、Vaundyさんが次々とリリースする多彩で瑞々しい曲の数々に感銘を受けている真っ最中だったので、私もフレッシュなJ-pop風の曲を作ってみたいと考えました。(いい年こいてフレッシュて、書いていて自分でも気持ち悪いですが…)
「詞について」で書いた通り『嘘と建前〜』の部分のボーカルメロディが最初に出来たので、そこから膨らませていって、まずボーカルライン全体を歌詞と同時進行で書き上げ、ボーカルに合うようにバックトラックを構築していきました。

ちなみにこの曲は、私がDTMを始めてから、曲の形になるまで漕ぎ着けた素材として4曲目になります。自分の中で「作詞作曲の黄金パターン」がなんとなく出来上がってきた時期だったので、そのパターンに従って作曲していきました。
と、興味を引くような書き方で恐縮ですが、どのような工程かと言うと特殊なことは何もないので、詳細は割愛いたします。(先ほど、試しに作業フローを書き出してはみたのですが、あまりに普通で面白味がないうえ長ったらしいだけでした…)
それでも気になる方がいらしたら申し訳ないので概要だけご説明しますと、ボーカルに合うようにまずビート(ドラム)を作り、それに合わせてベースラインを作り、コードを作り、リード楽器を作り、あとは全体見ながら適宜修正変更調整、という感じです。(普通ですね…)

この曲でこだわった点ですが、イントロ/間奏(no more〜の部分)が聴き方によっては大サビに聴こえるように、サビ(嘘と建前〜の部分)からなだれ込むような疾走感を意識して、シンコペーションぽいリズムパターンにしてみました。なだれ込む雰囲気は、藤井風さんのGRACEをリファレンスにして仕上げていきました。(遠く及ばないですが…)
逆に試行錯誤したわりに上手くいかなかったのがサビ部分なのですが、ちょっと不協和音ぽく聴こえるのと、思ったようなグルーヴ感が出せなかったのが、悩みどころでした。

不協和音ですが、ボーカルのメロディラインとコード楽器(エレピ)とベースラインの音が、どことなくぶつかる感じがするのがお分かりいただけますでしょうか。不思議なのは、ボーカルとエレピ、ベースとボーカル、エレピとベースというように1対1で聞く限りでは違和感ないのですが、3つを合わせるとどこかしっくりこない。。
音源を変え、コードを変え、ルート音を変え、ベースラインを作り直したり色々試しましたが、オリジナルより良くなる方法が見つからず…『不協和音ぽさもこの曲の味だ、ありっちゃあり』と半ば無理矢理、自分を納得させて完成としました。(音楽理論が分かっていれば、こういうとき話が早いんでしょうね…)

グルーヴ感については、mabanuaさんのトラックのようなノリを目指したのですが、私の拙いスキルでは全く似ても似つかず、狙ったグルーヴ感が全く出せませんでした。
善後策として、トラック構成に当初予定していなかったギターを追加して、上物でグルーブ感を上乗せ(誤魔化し?)することにしました。
当初イメージしていたものとはいささか異なる仕上がりになりましたが、怪我の功名か、ギターのドライブ感が曲に勢いと爽やかさを与える形になったのではないかな、と思います。(私がギター好きなので、そう聴こえてしまうだけかもしれません)

それと、この曲に限らずですが、曲作り(音作り)のポイントとして”1つのパート(楽器やボーカル)に対して音源/トラックを2個以上重ねる”ことをしています。といっても、このテクニックは私のオリジナルでも何でもなく、DTMerあるあるというか常套手段だと思われます。(現に私もTV番組かなにかでtofubeatsさんが仰ってるのを見て真似してみた記憶があります)
とはいえ私なりのノウハウというかコツがあるので、DTMer初心者の方に向けてご紹介したいのですが、話すとまた長くなるので、またの機会ということでご容赦ください。(MIDIとオーディオでは重ねる意図が違うとか、その程度のお話でしかないですが)

歌詞

no more little white lie

アナタが受けた仕打ち
そのまま誰か他所に
繰り返される過ち
悪者は誰?

嘘と建前で生きてきた
堪えて笑うことにもう慣れた
嘘と建前で生きてきた
騙し騙されにもう飽きてきた

no more little white lie

私が見てた景色
見て見ぬふり茶飯事
いびつな力のカタチ
もうやめてくれ

どこからきたの?
この世の中の
強い者たちのルール
大人になれぬ
私は抜ける
それでいいですか?

嘘と建前で生きてきた
ホントの気持ちどこか消えてった
嘘と建前はもうやめた
アナタ向ける本音が透けるさま

no more little white lie

楽曲リンク

※ご注意:iPhoneなどapple製品で試聴される方へ
「ステレオを空間化」の機能は”オフ”にしていただくことを推奨しております。
原因が分からないのですが、リバーブが過剰にかかったようなこもった感じになり、曲によってはミックスのバランスが極端に崩れてしまうことを確認しております。 

また、YouTube動画はデフォルトで字幕が表示されるよう設定していますが、万が一表示されない場合、大変お手数ですが手動で表示設定をお願いいたします。(右上の歯車マーク⇨字幕:オン)

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IRAKA

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