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#628 何かを捨てる、そうすれば何かが始まる

 私は以前から、人の成長にとって、「環境」が非常に大切であると述べています。

 環境は、良くも悪くも人の成長に大きな影響を与え、特にその環境の良し悪しがこと幼少期であるならば、時としてそれが人生の決定的な要因になってしまうこともあります。

 最近起こった犯罪の中でも、その被疑者の生い立ちや背景は、非常に過酷。彼らが犯した罪は決して許されることはないけれども、もし自分が同じ立場であったならば、どんな人生を歩んでいたのだろうかと思います。

 一方、心理学者のアドラーは、「原因や過去があって、今の状況がある」という原因論を否定し、人間におけるトラウマは存在しないと語っています。彼は、人は現在の目的のために、「過去」を利用するのだからこそ、大切なのは、「あなたはこれからどうする?」という視点だと述べています。

 漫才コンビ「平成ノブシコブシ」の徳井健太氏は、小学6年生のころから高校を卒業するまでヤングケアラーだったという記事を見つけました。

 

 同氏は記事の中で、自身の「環境」が当たり前だと認識していて、それが自身の感覚麻痺に繋がったと言います。そして、今現在家族や家庭の環境で悩んでいる人に向けて以下の言葉を送っています。

 「残酷に聞こえると思うんですけど、僕は家族を捨てるのも1個の方法かなと思って。そんなにヤングケアラーで切羽詰まってパンク寸前で、もしかしたらパンクしちゃっている子もいると思うんですけど、だったら家族を捨ててどこか違う場所で生きてみるのもいいんじゃないって僕は思います」

 過酷な環境は、人に物理的・精神的に様々な負荷を与え、それが継続すればするほど積み重なり、人生を豊かに生きる障害となるのは事実です。

 しかし、そのような「過去」を利用して今の自分を哀れんだとしても、現状は何も変わりません。逆に言えば、どのような過去をもとうとも、人は自分の意思で必ず幸せになれるのだと。自分自身で自分の人生を「決めていくこと」の大切さを、アドラーと徳井氏が教えてくれます。


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