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感謝のマガジン

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#短編小説

20年前のシネマスクリーン

 将人はこの巨大なシネマスクリーンを見上げるたびに同じ大きさの真っ白なキャンパスを想像す…

瓦
1年前
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(短編小説)タクシードライバー

私は中国のある町に住んでいて、プライベートでよくタクシーを使う。 中国は基本スマホでタク…

蘇泉
1年前
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【超短編小説】 夢へ誘う電車

ガタンゴトン、ガタンゴトン… キキーッ 電車が止まる。 少し大きめの揺れで目が覚める。 …

夏川檸檬
1年前
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【詩】世界線をまたぐ声

テレパシーではなにも伝わらないよ あなたの怒りや悲しみを湧きあがらせて 声になる 澄んだ歌…

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【詩】逃げても

私は聞いた 間違いなく あなたの心の声を聞いた あなたの痛みの音を聞いた あなたの孤独の…

久住ハル
2年前
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タイムスリップして人生やり直そうぜ

独り暮らしの僕はいつも通り朝ごはんを 食べて会社に出勤しようと立ち上がると 目の前に広がる…

Dr. Hide
2年前
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【短編小説】彼の身の上話【前編】

 霧のような小雨で街が白くけぶるなか、時計台の前に傘を差さずにたたずむ彼の姿は、さながら映画の主役みたいにさまになっていた。遠目からでもわかる、質のよいグレーのチェスターコートに黒いタートルネック、下は濃紺のパンツを合わせて黒いスニーカーを履いていた。センター分けにした長い前髪から、わたしの姿を認めたとき、彼はどう感じただろう。女として、ではなく、身の上話をする相手として。 「――すぐわかりました? 僕はなんとなく、そうじゃないかなと」  事前にメッセージで送ったわたしの顔写