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”尻ポン力"が日本を救う!?(シン・時事恋愛)

いまでこそ、コミュニケーションの専門家、という肩書きですが、10年ほど前は、恋愛コラムニストとしてバリバリやってました。その時できた、恋愛界隈の論者のみなさんとは、今でも仲良しです。

僕の中では、恋愛もコミュニケーションも変わらないというか、大きなコミュニケーションという枠組みの中に恋愛があるというか、もっとも繊細で難しいコミュニケーションが恋愛というか。

相手のことを思って、心理を思いやって、言語や行動をやり取りするという点では一緒です。

ともあれ、いまでは少し、恋愛界隈からは遠ざかってしまいましたが、未だに人の恋愛の話や、結婚の話、ひいては、そこにひもづいた、キャリアの話・ジェンダーの話は専門ですし、相談を受けることもしばしばです。

コミュニケーションとキャリアは不可分というのがスタンスで、「察しない男 説明しない女」「不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち」なども、必ず恋愛の要素を入れています。

さて、前置きが長くなりましたが、時事恋愛では、キャリア的話題、メンタル的話題もよく扱っていました。うーむ、つくづくユニークなコラムでした。

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みなさん、こんにちは! 

毎日楽しくチェックしている「日経ウーマンオンライン」で、僕が気に入っているのが「応援男」というコーナーです。いろんな職種・年齢の男子が次々と動画で登場、画面の前のみなさんを、癒してくれたり叱ってくれたりするこの企画。身の回りの女子からも「深夜に会社の机でひとりで見てると、なんだか涙が出そうになる」と評判です。

応援男のメニューは「癒す」「励ます」「怒る」「褒める」の中から選べるのですが、中でも、僕は「励ます」という行為に、最近とても注目しています。

みなさんが普段会社でプロジェクトを進めたり、キャリアについて考えたりするとき、「考えすぎてよく分からなくなってきた。とにかく動いてみないとラチが明かない。って、分かっちゃいるんだけど、ビビってしまって、最初の一歩がなかなか踏み出せない」、そういうことってありませんか?(僕はよくあります)

そんなとき上司に期待するのは、「だいじょうぶだから、やってごらん」と励ましてくれることや、多少ウソでもいいので(?)「責任は持つ」と言ってくれることだと思います。「どれどれ、ちょっと貸してみろよ」と出しゃばってほしいわけでも、「あぁん? こうすればいいんじゃないのぉん?」と無責任かつ”上から目線”のアドバイスが欲しいわけでもないはずです。

「いろいろ不安だろうけどやってみろ。ケツは持ってやるから」と包み込む。根拠なんかなくても「ま、だいじょうぶだろ」と言い切り、相手をその気にさせる。

イメージとしては、ピッチャーをマウンドで励ます監督で、不安を抱えたピッチャーのお尻をポンと叩いて、気持ちを少しだけ前へ進ませてくれるような、そういう力です。どうです? そんな上司がいたらよくないですか? 僕はこれを「不安解消能力」、またの名を「尻ポン力」と呼んでいます。

日本のビジネス社会では、その時々の世相や経済状況を反映して、さまざまなスキルが次々と注目され、関連したビジネス書や研修が大流行します。一昔前は「課題解決」や「ロジカルシンキング」がトレンドでしたし、最近では「部下の叱り方」「話の聞き方」など、コミュニケーションを見直す方向へシフトしてきています。

先の見えない社会情勢と吐きそうになるほどの情報過多に、誰しもがぼんやりと不安を抱えたまま、呆然と立ちつくしているように見えるこの世の中で、次に来るのは、この「尻ポン力」だと、僕は密かににらんでいるのです。

恋愛においても同様で、「恋と仕事のキャリアカフェ」を訪れる、元気で活発な働く女子たちと話していても、残念ながらそうやってお尻をポンと叩いて前へ進ませてくれる(比喩ですよ、もちろん)上司も彼氏も、まだまだ少ないようです。

あなたの上司は尻ポン上手ですか? あなたの彼氏は優しく尻ポンしてくれますか? あなたも時には”尻ポン返し”できてますか?

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