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香りと音楽、そして『期間限定』に真空パックされた感情

「あ、この香り、あの人がつけていた香水やなぁ」

なんて記憶を辿ったことはないだろうか。ふとした瞬間に遭遇して、一気に当時の感情が蘇る。あの時の気持ち。

私は記憶力がすこぶる悪く、過去の色んなことを忘れている。
覚えていないことがあまりにも多すぎる。

そんな私でも、香りや音楽に触れることで、一気に忘れていた感情が呼び覚まされることがある。

「ああこの曲、一緒に行ったカラオケで、よく歌ってたなぁ」

「このケツメイシ、大学時代にみんなでドライブする時いつも聴いてたやつや」

「サヨナラバス、めっちゃ仲良かった男友達といつもハモってたなぁ。元気してるかな」

当時の想い出は眩しくて、心をぎゅっと掴む。
感情がそのまま真空パックされていたかのように鮮やかに蘇り、戸惑ってしまうほど。

香りや音楽には、当時の感情を呼び覚ます不思議な力がある。




そして同様に、『期間限定』にもそれがあてはまる場合がある。

夏の暑さが少しおさまり、秋の気配が漂い始めた。

そろそろ、あれやな。
そう、『月見バーガー』の季節。

なんだかしっとりした文章から、月見バーガーへとつなげて参ります。

この季節、私はマクドナルドの月見バーガーが無性に食べたくなるのだ。

はい、もう食べました~!


普段はそこまでマクドナルドに行きたくなることはない。子どもたちから激しめの「ハッピーセット!」コールが入った場合に、たまに行く程度。

しかし、月見バーガーへは熱い気持ちを抱いている。
シーズンには必ずしも食べたい。最低でも2回は食べたい。
これを食べないと秋は始まらない。シンプルに味が好き。


そして、期間限定『月見バーガー』からも呼び覚まされる記憶がある。

それは高校野球にはまっていた、高校2年生の頃の想い出。

私は中学3年生の夏、高校野球にドはまりして、そこから熱心に応援するようになった。
近くにあった球場で甲子園球児が期間中練習しているとあって、それを見に行ったり(有名選手を間近で見れることも)。甲子園にも足を運び、試合はもちろん輝く球児に胸をときめかせていたのだ。

道端で歩く、球児かどうか最早わからない、ただの坊主にも無条件反射でトキメク始末。かなりの末期と言えよう。

そんな中、近隣にあるまあまあ強い男子校の野球部の人を紹介してもらうことになり、グラウンドに足を運んだことがあった。

そこへ行く前に、同じく野球好き友人と人生初の『月見バーガー』を食べた。マクドナルドで野球トークに花を咲かせ「これ、うまいな」なんて言いながら、そのシーズン何回か食べた。


いまだに月見バーガーを食べると、道行くただの坊主にまで胸をときめかせていた、あの末期の頃の感情がほんのり呼び覚まされる。


とにかく野球部であれば良い、なんて思っていた当時の私よ。

あほやな。

その道行く坊主は、野球部じゃないと思うで。ただの坊主頭とちゃうか。
月見バーガーを頬張る高校生の私。美味しいか。美味しいよね。

そんなことを想いながら、今年も(チーズ)月見バーガーをいただいた。相変わらず美味しい。
とりあえず1回は食べたので、期間中後2回は食べたい(10月末までらしい)。真空パックされた坊主への想いが、ふわ~っと湧き出す『月見バーガー』。皆さんもぜひご賞味ください。


……ちなみに我が人生、結局1度も野球部とは付き合うことなく、なぜかほとんどがバスケ部(元も含む)の人ばかりだったということを最後に記しておく。


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