いおかゆうみ

ギターを弾いてうたっています、家ではぼーっとしています

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最近の記事

安心しておやすみ

夜8時、電気を消してオルゴールの音楽をかけるとコテンと布団に転がって親指を吸い始める娘。 娘は暗闇の中をコロコロと転がりながら、私の腕の中に辿り着く。娘の呼吸を感じる。私は優しく抱きしめる。 どこかの国の、名前も顔も知らないお母さんもきっと同じ気持ち。娘を抱きしめながら世界を抱きしめている。戦争なんか無くなって平和になってほしいよ。言葉が通じなくてもわかる気持ちはたくさんあるのに。 毎晩必ず「今日もありがとう。愛してるよ。大好きだよ。大切だよ。安心しておやすみ」と娘に伝え

    • 323

      娘が産まれて今日で323日。 あっという間に過ぎた時間。どれもこれも大切で尊くてすぐに消えてしまうような儚い時間。 毎晩、腕枕で眠る娘。母である私の体温や柔らかさを無意識のうちに必要としてくれている。こんなことがあるんやな。こんな風に求められる日々が始まるなんて思ってなくて、かわいくて愛しくて大好きで大切。 いろんなことを教えてもらって、私は少しずつ母になり、娘によって育てられている。 好きなものはあんまり変わっていない 今も左腕が重い そろそろ動きたいけど動けない

      • お腹の中で子は動く

        予定日は17日。いつ産まれてきてもおかしくない。 出産は100%うちのエゴや、もうすぐ1人の人生が始まる、始めさせてしまう。子が望んだから産まれてくるわけじゃなく、うちが望んだから産まれてくる。 もう何度も何度も抱きしめた、ありがとうなあ、ごめんなあ、おはよう、おやすみ、かわいいねえ、を繰り返し繰り返し伝えてきた。子を守りたいと思う気持ちと同じぐらい、いやそれ以上の大きさで子に守られていると感じる。 不安ばかりの未来に子を産むということについて考える、お腹の中で子は動く、

        • 美しい街

          朝ご飯を食べながらニュースを見ていた 夫が作ってくれたオープンサンドは、具が絶妙なバランスで乗っているため非常に食べにくく、マヨネーズで手がベトベトした。だけどとても美味しかった。 私たちの元に子がやってきてから、随分と心が穏やかになった。あの人この人みんな誰かの子どもなんやなと思うと腹を立てることもなくなったし、許せるようになってきた。 だけど、どうしても、戦争は嫌 ウクライナの若い夫婦が「好きな仕事をして、家族を作りたい。それだけです。それだけなのにとても悲しいです

          ふるえる

          誰にも見せない日記に文字を書く ここに書くこととはまるで違う だけどどちらも大切なもの まだまだこの世界には知らんことがたくさんある、それをちゃんと知る度に優しくなれる気がするので当分の間は生きていくしかない 一番近くにいる人をちゃんと守れるように

          人間で女で妻で歌を歌う私はそれぞれの欲望があり向き合う時間が必要。 「やりたいことをやる」「なりたい自分になる」 そのために進めている諸々はなかなか大変、泣いたり困ったり考えたりしながら少しずつ進む。 大人になったのは心だけじゃなかった、体もちゃんと大人になっていて以前と少しだけ変わっている。それは数字になって現れる。 母親になりたいってずっと思っていた。今も思っている。今までの悲しみや寂しさはまだ見ぬ子のためにあるんやとそう思って生きてきた。2年前に作ったアルバムはい

          尖った正義のゆくえ

          電車の中 向かいの席に座る20代の女の子、胸まである黒髪にゆるいパーマを当てていて、流行りの化粧、スカートは膝上。なのに足が少し開いていて、私はソワソワしていた。 すると男の人が「電車の中で電話するな!」と叫んだ。 少し不安になったが、同じ車両といえどそんなに近くもないので、私は引き続き窓の向こうを眺めていた。向かいの席の彼女は、私の頭上をジーッと見て動かなくなった。何かついてるのかと手で払ってみたけど、全く動かない。 彼女の手が震えだした。その震えた手のままイヤホンを

          尖った正義のゆくえ

          夜が明けて、朝が来る

          朝方、トイレに行きたくて体を起こそうと思ったら「トイレ行きたいの?」と夫の声が聞こえてびっくりした。 嫌な夢を見て目が覚めたと言うので、どんな夢か尋ねると、大切な人が亡くなる夢を見たと少し言いにくそうに答えた。 あまりに悲しそうやったから、 咄嗟に「夢の中で亡くなった人は長生きするねんで、だから大丈夫!」と言ってしまった。 あ、嘘ついてしまったなと思ったけど、夫がとても安心していたから嘘も方便やと自分に言い聞かせた。 夫が夢から覚めた時、eastern youthの「

          夜が明けて、朝が来る

          全てのことが必要不可欠

          夕日が山手線を照らしていた。 その美しさに見惚れていたら外国の男の人と目があって、優しく静かに会釈をしてくれた。うちは恥ずかしくて目を逸らしてしまった。こういうところがあかんのやなぁと反省した。 ライブ前にこういうことがあるとそれに引っ張られてしまうから、目一杯自分を甘やかす。好きな商店街を歩く。美容室の中をじっと覗き込む猫を見つけた。八百屋さんの軒先に置いてある野菜や果物が美しかった。 好きな喫茶店へ行く。値段を見ずに注文をした。禁煙になっていて以前より過ごしやすかった。

          全てのことが必要不可欠

          どこにもいない

          最近は心のバランスが崩れた感じがする 自分の中の自分がとてもうるさい 親友にLINEを4回無視されている、もうトーク履歴は消した。大人になればなるほど、孤独は増していく、あんなにたくさんいた友だちも今やどこに行ったかわからん。大切にしようとしても上手くいかんのはうちの問題なんやろな 考えすぎて悲しくなって、ご飯も作れんかった だけど、友だちから大量の柚子とお米と柿、そしてお手紙が届いてとても救われた気持ちになった。行ったことのない中華料理屋さんに入ってみると、角煮丼がキテ

          どこにもいない

          ギザジュウ

          あと2ヶ月で30歳 あしたはバンドの初ライブ 30歳を目前にして初ライブがある人生、なんて素晴らしいんやろう 高校生の頃の軽音楽部のDVDを観た、16歳のうちが一生懸命演奏していた、緊張した時のことを思い出してめちゃくちゃ汗かいた けど、あの頃より、今の方がずっと青臭くて、大きな声が出るよ

          名前もわからない

          飼っていた猫が近くの八百屋のおじさんに虐待される夢を見た 爪は一本しかなくて、顔も傷だらけ どんな模様を持ってるのかさえわからんぐらいに汚れてた 目が覚めてあの猫が実家にいる猫たちじゃなかったこと、夫の実家にいる猫じゃなかったことに安心して気づいた、自分の残酷さ

          名前もわからない

          怒り

          夫に怒ったまま寝た時は必ず、喉が潰れるぐらい大きな声で泣く夢を見る その夢はいつも父に会う夢。 嬉しさと苛立ちがごちゃ混ぜになり、顔は涙と鼻水と汗でグチョグチョ、そして父をギューーーーーっと抱きしめる。あ、ボコボコに殴る時もあるな。 隣で寝ている夫がうなされているうち気付き、「大丈夫、大丈夫」と声をかけてくれている。その声のおかげで目が覚めて、ようやく泣いていたことに気づく 私は夫にまっすぐ深く感謝し、心の中で父のことを「あのくそじじいめ」と罵って、アラームが鳴るまで

          ラジオに混ざる声

          お気に入りの洋食屋さんはとても静か。 店を切り盛りしてるおじいちゃんとおばあちゃんは一言も話さん。聞こえる話し声は、ラジオぐらい。それが心地よいと思ってる人たちがお店に来てるから、口数が少ない人が多い。うちらはいつもうるさいと思われてるかも。わー。 カウンター6席ほど、四人がけのテーブルが2つ。 私たちの隣に座ったのは、お父さんと息子。ハンバーグセット2つとビール1つ。 「後期の授業もオンライン授業なの?」 「うん。そう。」 「体なまっちゃうね。」 「まあ、だけどバイト

          ラジオに混ざる声

          おかし、おいしかった

          夕方、トイレに入っていたら玄関のチャイムが鳴ってめちゃくちゃ慌ててトイレから脱出し、ドアを開けると若い男女が立っていた。 「隣の部屋に引っ越してきたんですけど、これ、わあああああ!!!でっけえ虫!!!!」といきなり叫んだから思わずドアを閉めた、一人でこっそり笑ってた。 ゆっくりドアを開けてみると、 「あぁあぁあああ!なんかこいつでっかいんすよ!」と傘を振り回す男の子。 「わー、でっかいですねえ。」と答える私。「ま、まだ開けない方がいいですよ!」と教えてくれる女の子。

          おかし、おいしかった

          はじめまして

          3日ぐらい前からベースを練習してる、銀杏BOYZのBABY BABYを弾けるようになりたくてコツコツやってる。弾き語りを始めてから、ずっと「ギターを弾いて歌う」ことだけをしてきた。ピアノもベースも弾いてみたいなあと思っていたけど、なかなか始められんかった。 毎日少しずつ弾けるようになるのが楽しいし、嬉しい。高校生の頃に戻ったみたい。バンドスコアと睨めっこをして、立って弾いてみたり、歌って弾いてみたり。初期衝動が戻ってきた。 弾き語りは当たり前に好きやし、歌うことはやめ

          はじめまして