尖った正義のゆくえ

電車の中

向かいの席に座る20代の女の子、胸まである黒髪にゆるいパーマを当てていて、流行りの化粧、スカートは膝上。なのに足が少し開いていて、私はソワソワしていた。

すると男の人が「電車の中で電話するな!」と叫んだ。
少し不安になったが、同じ車両といえどそんなに近くもないので、私は引き続き窓の向こうを眺めていた。向かいの席の彼女は、私の頭上をジーッと見て動かなくなった。何かついてるのかと手で払ってみたけど、全く動かない。

彼女の手が震えだした。その震えた手のままイヤホンを鞄から取り出し、絡まったコードを解き、耳にイヤホンを刺した。震えた指が音楽に合わせて踊っていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?