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全てのことが必要不可欠

夕日が山手線を照らしていた。
その美しさに見惚れていたら外国の男の人と目があって、優しく静かに会釈をしてくれた。うちは恥ずかしくて目を逸らしてしまった。こういうところがあかんのやなぁと反省した。

ライブ前にこういうことがあるとそれに引っ張られてしまうから、目一杯自分を甘やかす。好きな商店街を歩く。美容室の中をじっと覗き込む猫を見つけた。八百屋さんの軒先に置いてある野菜や果物が美しかった。
好きな喫茶店へ行く。値段を見ずに注文をした。禁煙になっていて以前より過ごしやすかった。

歌わせてもらえることも、歌を聴いてもらえることも、本当にとてもありがたい。だからどんな時でもどんな場所でも、いつも同じ気持ちでいたい。いつも丸裸でいたいんよ
丸裸で歌えんと意味がない。うちの全てを見せるライブをしていたい。自由でいたい。

今夜はそういうライブができた。
ありのままやった


昔「ゆうみちゃんの曲は振り幅がありすぎるねん。聴いてる方はついていかれへん。」と言われたことがあったけど、今夜は「距離感を自由自在に操っていて良かったよ。すごい遠くに行ったと思ったら、気づけばすぐ隣にいる感じだったよ。」と言ってもらえた。

生きてるんやから振り幅あって当然やろ
って思ってたけど、その「自分の振り幅」に一番ついていけてへんかったのは自分やったんや。ようやく自分で自分を歌えるようになったんやと思う。うれしかったな、とても。

認められるために音楽を始めたわけじゃないし、お金を稼ぐために音楽を始めたわけじゃない。ただただ歌いたくて音楽を始めたということを一生忘れたくないよ。誰にも認められなくても、お金を稼げなくても、一生歌っていたいよ。

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