Sai - 差異を受容し、才をつなげる -

滋賀県庁職員の遠藤です。児童養護施設の担当です。児童虐待や施設の仕事こそ、行政が役割を…

Sai - 差異を受容し、才をつなげる -

滋賀県庁職員の遠藤です。児童養護施設の担当です。児童虐待や施設の仕事こそ、行政が役割を果たす仕事だと実感し、のめりこむようになり、自分にできることとして福祉人材の思い・実践・知恵の本質を描き出す「Sai」というメディアをつくりました。

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Saiとは ー企画概要と個人的な話ー

- 差異を受容し、才をつなげる - あらゆる人が協力しなければ、貧困や孤立、児童虐待といった困難が複雑に絡み合う社会課題の解決はありえません。 しかし、立場の違い、見えているものの違い、考え方の違いによって、本来協力すべき私たちの間に不要な軋轢が生じることがあります。 私たちの間にある「差異」をお互いに受容できれば、この問題は解消されるはずです。 Saiは、私たちの間にある「差異」を受容するきっかけをつくります。 そして、志を持つひとつひとつの「才」がつながり続

    • 過去の『私』は、今の『私』を生きる。~ 生い立ち関係なく、なりたい自分になれる ~ 一般社団法人ゆめさぽ 代表理事 田中 れいか 氏 (December 2023 Vol.010)

      インタビューコンセプト今回は「自分の人生を生きること」のお話です。施設で生活した過去を持ちながらも現在は華やかに活躍される田中さんですが、その背景にある苦悩や葛藤を、そしてそれらにどう向き合っているのかを伺いました。 インタビュイー紹介田中 れいか ⽒ 親の離婚をきっかけに7歳〜18 歳まで児童養護施設で⽣活。退所後は短期⼤学に進学し保育⼠資格を取得。その後モデルの道に。社会的養護から進学する⼦たちの受験費⽤をサポートする⼀般社団法⼈ゆめさぽ代表理事。 今のビジョンを支え

      • 母親を支える。社会を支える。 ~ 子育てがわからなかった助産師が向き合った「地域と母親」 ~ さつき助産院 YUMEMURA 代表 西村 さつき 氏 (November 2023 Vol.009)

        インタビューコンセプト今回は「母親支援」のお話です。母親はどういう悩みを抱えているのか。どうやったらその悩みを地域や社会で支えられるのか。なぜ母親を支えることが大事なのかを伺いました。 インタビュイー紹介西村 さつき ⽒ 産後のケア(母乳や骨盤のケアなど)を提供する助産院を開院。「学・休・集・結」をテーマに親になることを応援するYUMEMURA を設立。仲間と共に生まれた直後から一生涯の子育てを応援している。 私生活では3人の子どもと夫の5人暮らし! 子育てがわからない助

        • 言葉の奥にある「現場」との向き合い方 ~ 市町が行う相談支援の実践から見えたこと ~ ソーシャルワーカー 中島 円実 氏(October 2023 Vol.008)

          インタビューコンセプト今回は、市町が行う「子どもに関する相談支援」についてです。連絡・情報共有・アセスメン トといった基本的な要素が並びますが、中島さんの長年の経験から、とりわけ重要なポイントを伺いました。 インタビュイー紹介中島 円実 ⽒ 社会福祉士、精神保健福祉士。今年で還暦を迎える孫5人のおばあちゃん。2020年から施設等を退所した若者支援に携わり、かつて支援していた子どもたちと新たな関係性を築いている。 はじめに(用語解説)・要保護児童対策地域協議会(以下「要対協

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        Saiとは ー企画概要と個人的な話ー

          関係性から紐解く「しんどさ」の形 ~ スティグマ解消に取り組む精神科医が語る、精神疾患の見方 ~ 精神科医・医学博士 増田 史 氏 (July 2023 Vol.007)

          インタビューコンセプト今回は、普段接する機会が少なく偏見が持たれがちな精神疾患についてです。精神疾患や傷つき体験を「しんどさ」と捉え、それがどういうものなのか、どのような「見方」ができるのかについてお話を伺いました。 インタビュイー紹介増田 史 ⽒ 精神科医・医学博士。滋賀医科大学精神科助教。脳機能研究や児童思春期を中心とした臨床を行うほか、精神疾患に対するスティグマ(偏見)解消にも取り組む。二児の母。 記事本文「偏見」への気づきが精神科への道を開いた 遠藤: 福祉に

          関係性から紐解く「しんどさ」の形 ~ スティグマ解消に取り組む精神科医が語る、精神疾患の見方 ~ 精神科医・医学博士 増田 史 氏 (July 2023 Vol.007)

          市長を育てる人から学んだこと

          先日、谷畑英吾さんとお会いする機会をいただきました。 谷畑さんは、滋賀県庁職員を経て旧甲西町長、湖南市長を歴任。 現在は全国の首長を教育するための取組みをされています。 県職員時代には担当業務に捉われない仕事ぶりで様々な計画や制度をつくられました。 市長時代には現場の情報を集め、判断・行動し、学校現場における課題などを解決されてきました。 現在はそれらの経験を活かして首長を育てられています。 首長は商業や福祉、防災といったありとあらゆることに判断を下していかなければな

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          大津オルタナティブスクール「トライアンフ」谷川 氏 峯 氏 「多様性」と「ひとりの人生」~ 「多様性」を生み出す一人ひとりにどう向き合うか ~ (April 2023 Vol.006)

          インタビューコンセプト今回は谷川さん、峯さんからお話を伺いました。なんとなく良いものとして取りざたされることの多い「多様性」ですが、本当はどのような意味を持つのかが見えてきました。 インタビュイー紹介谷川 知 ⽒(右)  一般社団法人異才ネットワーク代表理事。滋賀県フリースクール等連絡協議会副会長。大津オルタナティブスクール トライアンフ主催。 不登校の子ども一男一女の母。自身の経験と現場から見た「本当の多様性」を実現するため活動している。 峯 真生子 氏(左)  大津

          大津オルタナティブスクール「トライアンフ」谷川 氏 峯 氏 「多様性」と「ひとりの人生」~ 「多様性」を生み出す一人ひとりにどう向き合うか ~ (April 2023 Vol.006)

          全国初!!滋賀県が児童養護施設等で暮らす小学生に対する塾代・習い事代を予算化しました!!

          令和3年12月のこと その時期、僕は「施設にいる小学生が塾や習い事にいける環境をつくれたらめちゃくちゃ意味があるな」と感じていました。 僕はその時まだ施設の仕事に関わり始めたばかり。 いや、そもそも福祉の仕事も初めてです。 そのような「ビギナー」が、なぜ全国に先駆けて施設にいる小学生の塾代・習い事代の予算化をしようと思ったのか。どう考えていったのか。 そのバックストーリーを描いていきたいと思います。 注) 令和5年2月8日、知事から令和5年度当初予算の公表が

          全国初!!滋賀県が児童養護施設等で暮らす小学生に対する塾代・習い事代を予算化しました!!

          NPO法人コレジオ・サンタナ理事 柳田 安代 氏 私たちは、誰と一緒に生きているのか ~ 違いを乗り越えて共に暮らすために必要なこととは ~(January 2023 Vol.005)

          インタビューコンセプト今回は柳田安代さんから、愛荘町にあるブラジル人学校サンタナ学園ついてお話しいただき、「多様な人が同じ場所で共に暮らすためにはどうすればよいのか」という問いについて考えました。重要なのは、「一緒にいる時間を増やすこと」だということが見えてきました。 インタビュイー紹介柳⽥ 安代 ⽒ ⼤学時代から4年間をアメリカ、イギリスで過ごし、「異質」や「多様性」を背景に持つ。NPO法⼈コレジオ・サンタナの理事であり、サンタナ学園の事務局機能を⼀⼿に引き受けている。

          NPO法人コレジオ・サンタナ理事 柳田 安代 氏 私たちは、誰と一緒に生きているのか ~ 違いを乗り越えて共に暮らすために必要なこととは ~(January 2023 Vol.005)

          長浜市議会議員 村山 さおり 氏 今、地域につながりをつくるために必要なものは何か ~ 「一人の母親」から出発し、議員に至った道のり・思いとは ~ (December 2022 Vol.004)

          はじめにインタビューコンセプト 今回は村山さおりさんから、自身の経験や市民活動、議員活動についてお話しいただき、「今、地域につながりをつくるために必要なものは何か」という問いについて考えました。重要なのは、必要とする人と必要とされる人をつなぐことであることが見えてきました。 インタビュイー紹介 村山さおり氏 「一人の母親」から出発し、子ども食堂やフードバンクなどの市民活動を経て、現在は長浜市議会議員を務める 記事本文5人目の出産で経験したつながりの大切さが原点 遠藤

          長浜市議会議員 村山 さおり 氏 今、地域につながりをつくるために必要なものは何か ~ 「一人の母親」から出発し、議員に至った道のり・思いとは ~ (December 2022 Vol.004)

          大津市社会福祉協議会 山口氏 井ノ口氏 どうすれば真に社会に貢献できる組織をつくれるのか ~ 成果を出す文化に秘められた哲学と日々の実践 ~(October 2022 Vol.003)

          はじめにインタビューコンセプト  今回は、大津市社協の山口さん、井ノ口さんから、全国に誇る大津市社協の組織文化についてお話しいただき、どうすれば真に社会に貢献できる組織づくりができるのか、という問いについて考えました。重要なのは、理念に貫かれた日々の積み重ねであることが見えてきました。 インタビュイー紹介 大津市社会福祉協議会 (左)事務局次長兼相談室長 山口 浩次 氏  大津市社協に32年勤務し、権利擁護や総合相談などの仕組みをつくり、その成果は多岐に及ぶ。多方面に社

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          作家・詩人 寮 美千子 氏 どうすれば子どもの存在そのものと向き合えるのか ~奈良少年刑務所で見出した言葉本来の目的とは~(September 2022 Vol.002)

          はじめにインタビューコンセプト 今回は、寮 美千子さんから、どうすれば子どもの存在そのものと向き合えるのかについてお話しいただき、どうすれば受容的な社会・文化がつくれるのか、という問いについて考えました。重要なのは、「関わり方」ではなく、「受けとめ方」であることが見えてきました。 インタビュイー紹介 作家・詩人 寮 美千子氏 毎日童話新人賞、泉鏡花文学賞を受賞。2007年~16年、奈良少年刑務所において行われた「社会性涵養プログラム」のなかの絵本と詩の教室(「物

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          龍谷大学社会学部教授 山田 容 氏 どうすれば困難に陥る子どもを減らせるのか ~多様な福祉関係者をつなぐ取組みの進め方とは~(August 2022 Vol.001)

          山田先生と、どうすれば貧困や孤立、虐待家庭といった困難な状況に置かれた子どもたちを減らせるのか、という大きな問いについて考えました。 困難が顕在化する前の関りや、立場を問わずそれぞれが自らの役割を果たし協力することが大切だということが見えてきました。 龍谷大学社会学部 教授 山田容氏 ソーシャルワーク(社会福祉援助)と、その実践としての児童虐待対応が専門。特に支援者をどう支えていくかに関心がある。県内複数の要保護児童対策地域協議会構成員を務めるほか、児童相談所職

          龍谷大学社会学部教授 山田 容 氏 どうすれば困難に陥る子どもを減らせるのか ~多様な福祉関係者をつなぐ取組みの進め方とは~(August 2022 Vol.001)