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「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」から映画『シン・仮面ライダー』!原点回帰へのこだわりとは

今回はkayserが担当します。
先日、『シン・仮面ライダー』を鑑賞しました。この作品は、映画配給会社の枠を超えたコラボレーション企画「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」のひとつ。

東宝の『シン・ゴジラ』、カラーの『シン・エヴァンゲリオン劇場版』、円谷プロの『シン・ウルトラマン』、そして東映の『シン・仮面ライダー』という日本を代表する“ヒーローもの”4作品による夢のような企画のことです。今回は、この4つ目の公開作『シン・仮面ライダー』を紹介します。

映画『シン・仮面ライダー』興行収入20億突破!

「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」のこれまでの作品は、東宝の『シン・ゴジラ』を皮切りに、興行的にも作品的にも大きな結果を残してきました。そんな中公開された『シン・仮面ライダー』も公開前から、多くの商品タイアップなどで盛り上がりをみせることに。

ただ、公開当初はほかの作品に1位を譲るなど期待された結果ではありませんでした。しかしながら、その1か月後には、興行収入20億を超え、歴代『仮面ライダー』映画史上最高記録を打ち立てたのです。

このゴールデンウイークには、特別企画として、『シン・仮面ライダー』上映回の冒頭に、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』Blu-ray&DVD収録特典『EVANGELION:3.0(-46h)』が上映されます。入場者特典も「仮面ライダー」と「エヴァンゲリオン」がコラボしたスペシャルカードだそうです。

生誕50周年記念作としての『シン・仮面ライダー』

『仮面ライダー』の放送が始まったのは1971年。それまでのヒーローと一線を画し、等身大のヒーローとして登場したのが『仮面ライダー』です。

最初の頃のライダーは、怪奇的な要素を含み、ちょっと暗いイメージの作品だったといいます。続く、2号あたりから徐々に明るい作品へと移行し、子どもたちに人気のコンテンツへと変貌と遂げるのでした。

原作は石ノ森章太郎手塚治虫や藤子不二雄、赤塚不二夫など著名な漫画家たちがともに暮らしていたトキワ荘に、石ノ森も同時期に住んでいました。代表作に『サイボーグ009』『HOTEL』などがあります。

『仮面ライダー』は、すでにあった漫画を原作にしたのではなく、放送と同時に漫画連載としていた異色作でした。 

本作『シン・仮面ライダー』は、この頃の『仮面ライダー』をリスペクトした上で、新たな作品として作り出された作品。この最初のライダーの要素をふんだんに取り入れ、いきなりスプラッタな描写から始まります。なんと今回はPG12。明らかに大人をターゲットとした作品に。

現在放送中の『仮面ライダー』が当たり前と思っている人たちからしたら、かなりショッキングな表現かとは思いますが、初期のライダーを知っている人間からすると、これが『仮面ライダー』なんだなと妙に納得する部分も。そこは、『仮面ライダー』生誕50周年記念作!石ノ森章太郎のライダーがあってこその今ですよね。

ショッカーが送り出してくる怪人たちも、「仮面ライダー」のバッタのように、原作にも登場するクモやコウモリ、サソリやハチといったグロい動物たちから作られています。これらの怪人を演じる俳優陣の豪華なこと。誰が何を演じるかは、ぜひ劇場で確かめてください。さすが、「シン」シリーズと思うに違いありません。

『シン・仮面ライダー』の世界観

今回、監督を務めたのは庵野秀明。これまでの「シン」シリーズでは、『シン・ゴジラ』で企画・脚本として参加しました。本作では脚本も監督も庵野が担当し、『シン・ゴジラ』のような樋口テイストが全く加わらない庵野ワールドが独自に展開されています。

主要な役どころもそれこそ豪華な面々が集結しました。本郷猛役には池松壮亮、彼の恩師である緑川博士には塚本晋也、緑川の娘・ルリ子には浜辺美波、ルリ子の兄のチョウオーグには森山未來、仮面ライダー・2号こと一文字隼人には柄本佑とこれまた豪華キャスト!

特に本郷役は、藤岡弘、の印象が強すぎるため、それを払拭するキャストにこだわったとのこと。そういう意味でも池松壮亮に白羽の矢が立ちました。確かに、今回の本郷は、藤岡の頃よりも繊細な部分が際立っていたように思います。

賛否もある作品ではありますが、1971年当時のライダーへの完全なるリスペクトやこだわりをみると、庵野監督でなければできなかったのではないかとも思います。この庵野監督の熱い思いを見事に体現しているのは、出演者とスタッフたちのおかげですね。

現在の『仮面ライダー』とは異なる路線で、原点回帰したことで、特撮を知らない世代の人たちにも、その魅力を伝えることが大きな目的のひとつだといえます。この特撮と現代の最新技術を融合させることが、監督・庵野秀明の目指したところ。そういう意味でも、見事に達成できていたのではないでしょうか。

まとめ

今後ますます進むであろう映像の技術革新。そのスピードは日に日に増していきます。こんな時代だからこそ、今回紹介した『シン・仮面ライダー』など特撮ヒーローたちの映画が作られるということは非常に貴重なのではないでしょうか。

人の手で作り出す特撮もの。その時代を知る世代には懐かしく、知らない世代には新しい。新旧が融合することで、また新たな価値ある作品が誕生しました。ぜひ、おすすめしたい作品のひとつです!

kayser

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