仕事が上手くいかず、またどこかいじめ被害や毒親育ちの影響からなのか人があまり信用できず壁を作ってばかりの自分にとってネット上、ツイッターでの人間関係ややりとりが全てであった。小学2年の頃に絵を描いていて、クラスのいじめっ子に馬鹿にされそこから絵を描くことをあきらめた。                                  代わりに中学生からひたすら音楽にのめりこみ中2の途中から母に買ってもらったギターで独学で練習し高校は軽音楽部でふと読んだ小説が面白すぎて卒業後は作家になりたいと思った。そう思いつつも総菜の販売職に就職し、上司とそりが合わずにあっさりと1ヶ月で社会人をドロップアウトし、短期のアルバイトを転々とする日々。結局今日の今日まで安定した職も得られず、もがいては先の見えない現状にもがきつつも子供の頃であった漫画家にいまさら挑戦しようとしている。

ある事情で入院することになり、3ヶ月世間に取り残されたくなくて自分にできることは漫画雑誌を買いながら様々な先生の絵を練習しつつ今自分の描ける画風で一生懸命微妙な画力のマンガを描く入院生活。発達障害の女の子がサッカーで親友を作り熱血監督の元で地域のトップを目指すサッカー漫画、ラップ好きな女子高生が道すがら飼い猫を連れ歩きつつ同じような子と出会い両者の飼い猫とJKそれぞれがラップバトルするギャグマンガ、酒に溺れたおっさんが所持金をほとんど使い果たしつつ泥酔しては思春期の失恋を思い出して泣く独特な前衛マンガを描いた。

退院してからは仕事探しをしつつもやはり絵や漫画を描く毎日。同級生との縁などとうの昔になくなっている自分にとってはネット上だけが防波堤で唯一の居場所である。出版社からの連絡を必死に待っても、現実は厳しくそれなりな力作を応募したはずなのに・・とヤケ酒を飲みそうになるのをこらえながら覗くツイッター。あるメールによって過去のトラウマがフラッシュバックして生きてられないくらい悲しくなっていた時に絵描きのアカウントの知人が励ましてくれていることに気付き、また漫画家先生にダメ元で相談してみたところ絵をけなすメールは無視した方がいいと適切なコメントを返してくれていたことに数日後に気付いたり。

「詩を読むような漫画と、優しい絵本みたいなかわいらしい犬の絵が何だか優しくも切ない感じですね。柔らかい独特の優しい絵柄と、詩的文書で、私は続きも読みたいです」

「描き続けられるのって、才能だと思います!友人は、学生時代の人はほとんど居なくて。ご縁で繋がってくださる方に感謝してます」

自分と同じような境遇の人からのコメントや漫画を読んだ絵描き系の知人からこんなにあたたかい手紙をもらっていることに数日経って気付いた。苦労続きでお前の絵には才能がないみたいなメールが来てそれを気にしすぎてネット上に浮上することにだいぶ疲れを感じていたからか、今読んで「手紙」の威力に夢と紡いだ線が忘れられなくなってくる。

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