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POP/ROCK/NEW AGE 新譜レビュー 【2020.8 147】Seeing Through Sound(Pentimento Volume Two)/CAFÉ BRAIN/My Garden/Greenほか

2020年8月20日発刊のintoxicate 147、お茶の間レビュー掲載のPOP/ROCK/NEW AGEの新譜7枚をご紹介!

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intoxicate 147


セーリング

【NEW AGE】
Seeing Through Sound(Pentimento Volume Two)

Jon Hassell
[Ndeya BRNDEYA7CD]

今年3月にデビュー作の『Vernal Equinox』のリマスタリング盤を発売したミニマリズム、アンビエントの巨匠・ジョン・ハッセルの新作がリリース。オリジナル・アルバムは2 年を経ての発売になるが、前作に引きき“pentimento”(修正により見えなくなっていた元の画像が見えるようになる)シリーズの作品になる。ジョン・ハッセルといえば、ブライアン・イーノとの共演アルバム『第四世界の鼓動』で有名になった“第四世界”という音楽概念が有名だが、世界中の民族音楽のスタイルとエレクトロニックサウンドを融合させたサウンドは本作でも健在だ。 (荻原慎介)

カフェブレイン

【J-POP/J-POP INDIES】
CAFÉ BRAIN

山本精一
[ φ onon SPF-016]

SUPER DOMMUNEでのフレンチフルコース付きディナーショーも話題になった山本精一の、実に4年ぶりの新作。ライヴ用の素材や録音の断片からなるアルバムとのことだが、寄せ集め感はまったくもって聞き取れない。すべての音が運命的かつ感覚的に、そこで鳴らされるべき音として鳴らされているように聞こえる。かの傑作『Crown Of Fuzzy Groove』(02年)からの連続性を感じるいっぽう、『CAFÉ BRAIN』では〈グルーヴ〉のくびきが解かれ、反復が肝となるリズム&ビートはアンビエンスへとどろどろに溶解し、霧散している。つまり、聞いていてめちゃくちゃ気持ちいいのだ。奇想の音楽家が繰り広げる世にも稀な音の桃源郷、ここにあり。(天野龍太郎)

マイガーデン

【CLUB】
My Garden

John Carroll Kirby
[rings/stones throw RINC67]MQA-CD〈高音質〉

ジョン・キャロル・カービーが名門Stones Throwからファースト・ソロ・アルバムをリリースする。ジョン・キャロル・カービーといえば、ノラ・ジョーンズ、ソランジュやフランク・オーシャン、シャバズ・パレセズとの共演が有名だが、本作品ではジャズ、R & B、ソウル、アンビエントのスタイルを吸収した音楽を作り上げている。レコーディングにプロデュース、作曲の全てを自身で行なった本作は、鈴木良雄から多くのインスピレーションを受けたクールで聞きやすいジャズになっている。ボーナストラックを1曲追加。ハイレゾCD「MQA-CD」の仕様で発売になる。(荻原慎介)

グリーン

【NEW AGE】〈CD/LP/カセットテープ〉
Green

吉村弘
[Light In The Attic LIA A1922(CD)LIAA1921(LP)LIAA1924(cassette
tape)]

日本のニューエイジ/ アンビエントの再評価は、ディスクガイドの刊行、そして影響下にあるアーティストのリリースなどが今も進んでおり、それは国内外ともにピークを迎えている。やはり海外レーベルの功績は大きく次々と重要盤をドロップしているが、遂に本丸中の本丸、最重要盤のリイシューがLight in the Atticのサブレーベル〈WATER COPY〉の第一弾としてなされた。86年リリースの本作は商業作品を挟んでの2作目。静かな森に沁み込んでいく、あるいは葉から滴り落ちる水滴の中で漂っているような気分に。無駄な音が一切なくアンビエントのお手本のような作品。 (渋谷店 片切真吾)

エクストラズ

【J-POP】
エクストラズ

ザ・サーフ・コースターズ
[STEPS RECORDS STPR018]

“エレキ・ギター”に造詣が深い音楽ライターの近藤正義氏の監修ならではの企画コンピ。日本の音楽シーンの中では数少ないサーフ・インスト・バンド、ザ・サーフ・コースターズが2000年~2012年、ハードなサウンドでロックしていた音源で構成。Free Ride Edition第3弾、デビュー25周年記念盤。現代のサーフ・ミュージックを追求してきた中シゲヲのソリッドなギター・プレイに“エレキ・ギター”が本来持っている音色の美学を再確認できる。個人的にはフレッシュなギター・サウンドを聴いて、久々にギター・アンプにダイレクト・インしてギターを鳴らしてみたくなりました。 (馬場雅之)

レイドバック

【J-POP/J-POP INDIES】
レイドバック

Easycome
[motteke records NCS-10239]

70's日本フォークロック~ 80'sシティポップのエッセンスをふんだんに散りばめたサウンドと、伸びやかで、色気を湛えつつも、時にあどけなさを覗かせるヴォーカル、ちーかまの歌声が心地よい。曲数は5曲とコンパクトだが、サウンドは多彩。美メロを聴かせるミドルテンポな《スピーチ》 《タペストリー》 、一転ファンキーなベースが高揚感を煽る《 pass you by》 、ドライヴの効いたギターのリフが痛快な《描いた果実》、 洒脱なサウンドでファンに親しまれる《crispy crispy》 も遂に音源化。そしてジャケットのキュートさにやられる。街の真ん中にふと立ち現れるテーブル。日々の喧騒の中で、暫しのくつろぎ、"laid back"な席を与えてくれる一枚。(北花田店 伊藤博明)

コマ

【POP/ROCK】〈CD/LP〉
Comma

Sam Prekop
[HEADZ HEADZ247(CD)][Thrill Jockey THRILL524LP]

〈The Sea and Cake〉のフロント・マン、サム・プレコップの5年半ぶりの新作がついにリリース。サム・プレコップといえば最近はMuteGospelとスプリットEPを出したり、ジョン・マッケンタイアとのコラボ曲を発売したりと、ソロやグループ以外での活動が目立っていたので待望の1枚といえるだろう。本作は、全作品がインストゥルメンタルでありアンビエント色の強い内容であるが、かなりポップな音色に出来上がっている。ミックスはジョン・マッケンタイアが担当、マスタリングにはテイラー・デュプリーという豪華な布陣。日本盤のみボーナス・トラック1曲(新曲)を収録。 (荻原慎介)


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