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翻訳に関わる方に役立つ情報を発信しています。世界85言語対応、2,500名を超える翻訳者とともに、高品質な翻訳サービスをご提供。ISO、ISMS認証取得で工程、セキュリティ面も安心してご依頼いただけます。https://www.interbooks.co.jp/

マガジン

  • 10分でわかる知財最新事情

    弁理士で翻訳家である奥田百子氏による知財最新事情のコラム。2024年は「英語で語る日本の特許出願実務」から内容を変更し、特許、商標、著作権など知財にまつわるトピックスをお届けいたします。

  • 目からウロコの中国語講座

    NHK国際放送の中国語ネットニュース番組元キャスターで、明治大学、東洋大学等の中国語講師、通訳・翻訳を行う伊藤祥雄氏が、さまざまな視点で楽しく学べる中国語講座を連載します。

最近の記事

デジタル万引きは著作権侵害か?

書店で本のページを自分用の記録に残すために、スマホで撮影する行為は違法でしょうか? ルール違反とか道義的責任は抜きにして、著作権の問題を考えると、これは幸か不幸か写真を撮るだけでは著作権侵害ではありません。 自分のためだけに写真を撮るのであれば、「私的使用」になるからです。   著作権法30条1項1号 「著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(私的使用)を目的とするときは、その使用する者が複製することができる」 しかしこの撮影し

    • 花王の目元温熱シートの意匠をアイリスオーヤマが侵害しているとして、仮処分の申し立て

      花王(株)がアイリスオーヤマ(株)に対して、花王の「目元温熱シート」(1330629号)の意匠権をアイリスオーヤマ社の4製品が侵害しているとして、販売等の差し止めを求める仮処分の申し立てを東京地裁に行いました。 花王の製品は2007年に「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」という製品名で、約40度の蒸気で目を包み込むというコンセプトで販売されました。 この花王の商品は筆者も使っており、製品は次の通りです。 花王は、この知財は重要な経営資源であり、今回の侵害が疑われる件には

      • 【中国語講座】知られていない音読み

        Twitter、皆さんやっておられますか? 今は「X」ですね。名前が変わってしまってちょっと不便ですね。まだ「エックスやってます?」と尋ねても聞き取ってもらえなさそう(笑)。それはさておき、僕は結構楽しんでやっています。 僕のフォローをしている人の中に、いろいろな語学をやっているという語学の鬼みたいな人がいます。どんな言語をどんなふうに勉強しているかよく投稿しておられ、なかなか興味深いです。 その人が、ある日ふと「熊という字の音読みを僕は知らない。もちろん中国語の

        • ファミマと日清のコラボ投稿に問題

          コンビニ大手のファミリーマートが日清とコラボする告知をXに投稿しましたが、両者が握手しているイラストに、Adobe Stockのウォーターマーク(透かし)が入っていると、SNS上で物議を醸しています。 つまり、ライセンスを受けずにこの画像を使用したか、あるいはライセンスは受けたが見本の画像を使ったという疑惑が持たれています。 これを「カンプライセンス」といい、ウォーターマーク入りの画像を自由に利用することはできません。 問題の画像です。 一方で、Adobe Stockの

        デジタル万引きは著作権侵害か?

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        • 10分でわかる知財最新事情
          127本
        • 目からウロコの中国語講座
          70本

        記事

          氷川きよしさんの芸名を事務所が出願

          歌手の氷川きよしさんが芸能活動を再開するにあたり、彼の事務所((株)長良プロダクション)が「kiina」「KIINA」の商標登録出願をしました(商願2023-59092号、2023-59093号)。この名前は氷川さんの新しい芸名といわれています。 しかしこれは、彼の独立を阻止する意図で商標出願した、との特許庁の判断が下りました。 なぜ事務所がこれらの名前を商標登録することが、彼の「芸能活動阻止」につながるのでしょうか? 彼はこの芸名で今後も活動すると言われており、事務所が

          氷川きよしさんの芸名を事務所が出願

          【中国語講座】上课

          先日中国語検定の問題に解説を書いたところ、出版社の担当者からちょっと注文がつきました。 語順整序の問題だったのですが、中国語は英語と同じで「主語+動詞+目的語」という語順になる、と書き、例として“我 上 课。”と書いたのですね。そうすると、担当者は「初級では“上课”で1つの語として覚えるので、解説の仕方を変えるか、目的語が分かりやすい言葉にしてほしい」とおっしゃったのです。 確かに、これはいわゆる「離合詞」で、1語として扱われますが、その構造は「動詞+目的語」なので、問題

          iPS細胞から網膜細胞を製造する特許、使用認められる

          「網膜色素上皮細胞の製造方法」という特許(6518878号)を使用する権利を求めて、理化学研究所の元研究員らが国に裁定請求をしました。 簡単にいうと、iPS細胞から網膜細胞をつくる技術であり、加齢黄斑変性という眼の病気の治療に役立てることができます。この特許は理化学研究所、㈱ヘリオス、大阪大学の共有です。治療に有効であるため、使用させてほしいとの裁定請求を、理化学研究所の元研究員でビジョンケア代表(高橋政代 氏)らが求めていました。 しかしこの裁定請求は認められず、取

          iPS細胞から網膜細胞を製造する特許、使用認められる

          ラーメンチェーン店「AFURI」が吉川醸造を商標権侵害で提訴

          ラーメンチェーン店のAFURI(株)は、吉川醸造(株)に商標権侵害訴訟を提起しました。吉川醸造が日本酒に「AFURI」という表示をしているからです。 AFURI(株)のプレスリリースの赤枠で囲った部分のように、吉川醸造は「AFURI」を日本酒に使用しています。 AFURI(株)は、吉川醸造が「AFURI」の著名性にフリーライドしているため、吉川醸造の商品をすべて廃棄するように主張しているそうです。 SNS上では、ラーメン店がなぜ業界の異なる日本酒の表示に文句をつけるのか

          ラーメンチェーン店「AFURI」が吉川醸造を商標権侵害で提訴

          【中国語講座】句号まで続く

          日本語はダラダラと長い文は嫌われますよね。まぁ普段おしゃべりしている時は、あまり気にせず「~して、~したときに、~したと思ったら、~なんだけど、~みたいな、でも~」と、文字に起こしてみるとどこで句点「。」を打ったらいいんだろうと思うような文を言っていますけどね~(笑)。 でも中国語は結構長い文も多いですよね。4~5行くらいの分量の1つの段落が、よく見ると“句号(。)”1つしかなく、なが~~~い1文だった、ということも、そんなに珍しいことではありません。話が込み入ってくると、

          【中国語講座】句号まで続く

          ラーメンチェーン店「AFURI」の登録商標

          ラーメンチェーン店AFURI(株)は、自社の登録商標「AFURI」に、吉川醸造(株)の「雨降」が類似するとして、特許庁に無効審判を請求しましたが、無効であるとの判断は得られなかったため、さらに裁判所で争われました(令和5(行ケ)10122号、知財高裁)。 そして「AFURI」側が敗訴しました。つまり、吉川醸造の「雨降」の登録商標は無効ではない、との判断です。理由は、両商標が非類似だからです。 商標が類似するか否かは、外観、称呼(発音)、観念(意味)の3つで判断します。この

          ラーメンチェーン店「AFURI」の登録商標

          生成AIにより声の権利が浮上

          AIが声優の声を合成し、声質、喋りの癖、歌い方、話し方を再現できるようになっています。 これに伴い、声優の声を無断で使用されるという事件が多発しています。 ChatGPTの最新版には、女優のスカーレット・ヨハンソンさんの声に酷似した合成音声が搭載されていると思われ、ヨハンソンさんは怒りを覚え、ChatGPTのOpen AI社に抗議し、同社はこの声を一部、取り下げたそうです。 ヨハンソンさんにはOpen AI社から声のオファーがあり、ヨハンソンさんはこれを断り、同社からの再

          生成AIにより声の権利が浮上

          【中国語講座】「する」のか「受ける」のか

          コロナも一応収まりましたね。思い返すと、大学入試共通テストをはじめとする大学入試などはコロナの影響を大きく受けましたね~。 かつてセンター試験だった時は本試験の1週間後に追試を行って、病気などで試験を受けられなかった人にチャンスを与えていましたけど、コロナ禍で行われた第1回大学入学共通テストは新型コロナのことを考慮して、本試験の2週間後に行われ、翌年の第2回もそれにならって2週間後に追試を行うことにする、というようなニュースがあって、NHK中国語ニュースでも報じました。

          【中国語講座】「する」のか「受ける」のか

          博報堂がAIとの対話における仲介装置の特許取得

          (株)博報堂がAIに関する興味深い特許(7445108号)を取得しました。 人間とAIが会話する過程で、その仲介装置が人間(ユーザ)に対して広告を不自然でない形で提示するという技術です。 ここでいうAIの典型はChatGPT(OpenAI社)です。ユーザとChatGPTが対話する際に、ある広告を自然な流れで表示できるように、仲介装置がChatGPTに指示を出します。 この特許明細書に挙がっている会話の例です。 このように、最後は調味料Aの画像を表示できるように、会話を運

          博報堂がAIとの対話における仲介装置の特許取得

          AIが発明者と認められないとの判決が出る

          AI発明に関して画期的な判決が出されました(令和5年(行ウ)第5001号、東京地裁)。 AIを発明者とすることは認めないという裁判所の判断です。これは国際出願(PCT/IB2019/057809号)で日本に移行された特許出願(2020-543051号)です。 発明者の欄には、「ダバス、本発明を自律的に発明した人工知能」と記載されていました。特許庁は、この記載は認められないとして、「自然人の氏名を記載するように」との補正命令を出しましたが、出願人は「この補正命令には法的根拠

          AIが発明者と認められないとの判決が出る

          【中国語講座】固有名詞の仮名

          NHKの中国語ニュースに携わっていていつも困るのは、日本の地名や人名に含まれる仮名文字です。 中国語的には、できるだけ漢字にしたいわけですね。当たり前ですが。なので、中国のメディアを見ていると、結構漢字を当てているようです。 例えば旧社会党の「土井たか子」さんの場合は、本名が「多賀子」という漢字表記なので、中国のメディアではそれをきちんと調べて“土井多贺子 Tŭjĭng Duōhèzĭ”と表記していました。 つくば市は、元々は「筑波」という漢字表記がありましたので、中国

          【中国語講座】固有名詞の仮名

          左向きのワニ商標に対してラコステが勝訴

          ラコステといえば、右向きのワニのマークで有名ですが、これを左向きにした中国ブランド「カルテロ(CARTELO)」があります。 この右向きと左向きのワニマークの争いには、長きにわたる歴史がありますが、今回やっと決着がつきました。 カルテロのワニマークは中国で商標登録もされており、これに対してラコステが無効の訴えを起こしましたが、これが退けられたこと、 ラコステはこの企業に対し、商標権侵害であるとして約10年前に提訴したが、ラコステが敗訴したこと、 カルテロの前身であるC

          左向きのワニ商標に対してラコステが勝訴