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2021.8.4 日本とアメリカ、どちらかを選ぶとしたらアメリカ


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2021.8.4 女性 博士学生 研究員 リサーチアシスタント

「日本に一旦帰国しようと思ってアメリカから帰ってきました。別に理由はなかったけど、帰ってきました。最初は台湾経由で地元に到着する飛行機を予約したら、台湾が外国の人をシャットダウンしてしまったから一度キャンセルされました。

今回はカナダのトロント経由で帰ってきました。全ての時間を含めると19時間はかかっています。成田でも5時間くらい待たされました。もう、コロナが憎い。隔離期間中は役所から1日数回テレビ電話が来ました。

今、アメリカではワクチンを打っただけで確か1万円くらいもらえる州もあります。受けようみんな、のようなキャンペーンみたいなものが多い。お金が一番インセンティブが高いから。私もその時に打てば良かった。あと、どこの州だったかは忘れたけど、ワクチンを打った人の中から宝くじ的に1億円当たるとか。アメリカの大学ではワクチンを打っていないと教員にも学生にもなれないんです。

今のアメリカの家は家賃が高いんです。食べ物もすごく高い。納豆を1パック買うのに、安くて3ドル。アメリカ西海岸だったら日本食が多いから別の話ですけどね。エデュケーションの差が大きいかな。私が西海岸で育ったからかもしれない。全てが整っているというか、その分家賃や光熱費はえらい高いけど、それをカバーできるような住み心地。それと比べたら、今住んでいる街は家賃が高いのに、それをカバーできるものがない。

日本とアメリカ、どちらを選ぶかと言われたら、お金を抜きにして、治安を抜きにして、食べ物を抜きにしたらアメリカですかね。今は心配事があって、いろんなもの抜きですぐにでもアメリカに帰りたい。

日本は、元々は組織としてはうまくいっていない印象がありました。でも、今回のオリンピックを見ていると、日本は団体が強いですよね。そうなると、組織はうまくいっているのかもしれないですね。

私が通っていた日本の大学は、大学院生が野放しで、自由にやっていいよ、みたいな感じがしました。ありがたいことだけど。でも、それだとよほど自分が優秀でないとなかなか結果が出せない。アメリカに行って思うのは、「そんなんじゃダメだよ」とボスがすごく言う。一緒に論文を書いていて、ボスが「こうしなきゃ」と論文をまるまる書き換える。添削をすごくしてくれる。若い先生だからするのかもしれないし。年上の先生で1人の生徒に時間をかけられないという先生もたくさんいるし。それでも彼らもちゃんと身になるような意見を言ってくれる。日本の大学院の時は、アドバイスはくれるけど、あまり優秀じゃないと最早アドバイスの問題でもない。もうちょっと具体的なやり方を教えてほしい。私の場合は、分野が先生と被っていなかったというのもあるけど。他の生徒を見ていても自由にやらせるような風潮だったりする。パワハラ的というか、ズバッと言う先生がいるラボは、毎年学会やジャーナルに受かるような論文を綺麗に出している気がしました。

私の先生は神みたいな先生だったから、自由にやっていいよと言っていました。私も自由にやりたかったし。でも、この年になると、自由じゃなく、結果をちゃんと残していきたいというのが強いですね。普通は、若い時に不自由にやって、そこからどんどん自由にやっていくのが理想なのかもしれないけど、私はこうなっちゃった。

大学のクオリティや研究するパワーは、やっぱりアメリカが高いです。個人の意見ですけどね。

日本の大学で研究員をしていた時、事務の人がめっちゃ優しいと思いました。よく一人一人のことを聞いてるんだなと思った。私がいた大学の事務は、部屋に入って「わからない」みたいなジェスチャーをしていると、一番手前の席に座っている女性の人が出てきて、「どうしましたか?」と聞いてくれて、こちらが伝えるじゃないですか。そうしたらその女性が「聞いてきますね」と言って奥に行って。部屋の真ん中に男の人がぼーんと座ってて、そこに女性の人が聞きに行って「ちょっと難しいですね。」と。で、別の質問をするじゃないですか。また同じように女性がその男の人に聞きに行って。男の人、お前が出てこいよと思った。すごく変な感じで、縦社会があるんだろうなと思いました。」

この記事はBE AT TOKYOのプロジェクト、【BE AT TOKYO DIARY】で制作しました。

※感染症等の対策を十分行った上で取材しています。

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