見出し画像

vol.4 地方は社会をどう変える?地域に入り込むワーケーションで得たキザシ


はじめまして、キザッシャーズのホッパーです。
vol.4では、縁のない地方に行って仕事をするというワーケーション体験をしてみた中で、ローカルと都市の比較で見えてきたキザシを紹介します。


キザシ7.顔の見えるクチコミ一本釣り

”標準化されてない、個人の主観でばらつきがある情報、誰から聞いたかが、来訪者の行動を促す。相対的に1発信の価値が濃い地方だからこそ、地縁の薄い相手をも動かせるのではないだろうか”

画像2

今回出会った1人ひとりとのやり取りがとても濃いと感じました。もらう情報1つひとつも濃いのです。顔の見えない誰かに向けられた、バラマキ情報ではなく、1対1で感情を乗せて伝えられる情報は、単に「情報」とするには惜しい奥行きがありました。その人ごとの関心を教えてくれて、次の人や場所につながっていく。
FUUDOの受付でも、記憶を頼りに必死にSNSを探して、「すっごくステキな桃源郷のようなお店。ちょっとオシャレして行きたい所!」とその人の感情と一緒に伝えてくれました。そういう奥行きがあるから、「明後日SUP参加してみる?」に対して準備がなくても挑戦しようと思えたし、行きたい、と行動の原動力になりました。
1000ばら撒いて1伝わればよい、という薄く広く伝えるやり方に対して、1伝えて1アクションに確実につながる、そんな一本釣りの伝え方も改めて重要になっていくでしょう。情報拡散ツールが溢れる現代だからこそ、昔に逆戻りするかのような、クチコミよりさらに濃いカオコミによってもたらされる情報+αが、行動を起こさせるひと押しになるのではないでしょうか。

キザシ8.地方と来訪者のメリット交換

”地域課題、地域資産の掘り起こしを来訪者が行う代わりに、都市では得られない機会を地域が提供する。貨幣以外のメリット交換によってwin-winの成長ができるのではないだろうか”

画像3

その地域らしさは外からの来訪者の方が気づきやすい、というのはなんとなく想像できると思います。今回、移動手段の確保と解読に苦労しましたが、移住者の方はマイカーなので困ることはないそうです。移動中、アレを活用したら?こういうのはどう?とプチブレストが自然と盛り上がりました。もちろん課題だけでなく、その地域らしい良い面にも気づきます。
こんな風に来訪者の視点を地域の課題や資産発掘に活かす代わりに、地域が来訪者を受け入れる機会を提供する。ザ・観光のように完璧な接待をせず、もてなしすぎない。来訪者もそれを期待しない。そのフラットな関係によって、地域の力を活かせるのではないでしょうか?
当然、経済的側面は大事です。ですがそれだけだとやはり地方と都市に偏りが生じた現実があります。数値化できる効率や経済的価値で計ると、都市に機能は集中しました。それを越えるために、市場原理以外の方法をプラスしてみては?全てを金銭価値に変換する原則がシナプスにまで染みついている私たちの固定観念を変える必要があるかもしれません。金銭価値ではなくメリットを交換し合うことで、地域も、都市で働く人も成長できる、そんな風に切り替えられる地域や企業が難題を切り抜けてくのではないでしょうか?

キザシ9.楽しむ意志マーブルワーク

“個人の意思が企業での仕事に入り込むことで、個人と企業双方にとってそのモチベーションを活かすことができるようになるのではないだろうか”

画像4

企業の中で働いていると、「楽しい=不真面目」とされることが多いように思います。プロジェクト名をあえて無機質な名にしていませんか?「仕事は苦行。楽しむことはプライベートでやれ」という前提があり、楽しそうな名称だと不真面目だと思われる、自ら楽しんでやっていると思われてはいけない、大変そうに見せなければ、という無意識がありはしないでしょうか。
江田島で見たのは、仕事とプライベートは分けられるものではないということ。どちらも混ざり合う中で、自分がそうしたい、必要だと思うことを仕事としてもやっている。苦行自慢合戦ではなく、自ら楽しんで仕事をしている。そういう人たちがつくっているのは、生きて回っている「場」、根付いている「場」でした。誰かからやらされているのではなく、関わっている人それぞれがそうしたいという意思をもって動いている。だから、枠組みをつくっておしまいでなく、その中がちゃんと回り続け、噛み合っていくのだと思います。特に新たなことを始めようという時には、個人の意志の力なくして成り立たないでしょう。
これまで、ワークライフバランスと言うように、切り分けるのがうまい生き方だったかもしれません。でも地域の中の切り分けないマーブルな生き方は、自分がそうしたいと思う意志を湧き立たせてくれると感じました。そうしたモチベーションを仕事にも生かしたほうが、個人にも、企業にも、そして地域にもハッピーに続けられる原動力になるのではないでしょうか?

ばらつきや偏り、ユルさ。これまでネガなものとされてきたことを、むしろ活かしてみよう

今回のワーケーションは、事前の情報が少なく、正直不安もありました。ところが、結果的にガチガチのスケジュールがないおかげで、様々な経験ができました。普段つい効率よく立ち回ろうと予定を詰め込みがちですが、そうするとその時そこでしか得られない機会をかえって逃してしまいます。〇曜日定休とか、天候によって後日にと調整できたからこそ仕事も捗りました。パッケージプランのように完全無欠に計画せず、1週間地域に入り込んだからこそ、地域のリアルを知ることもできました。
そしてもう1つ、4人のゆるいまとまりで行ったことが、経験の幅を広げてくれました。家族旅行や団体行動のように常に一緒に動くわけではないけれど、同行者の関心も各自の行動に取り入れることができました。
こうしたユルさ、ムダな余白、個人や主観によるばらつき、地方と都市の偏りといった、これまでネガティブとされてきたことを、むしろ強みとして生かすことができるのではないか、そんな可能性を感じたワーケーション体験でした。
キザッシャーズは、これからもいろいろな可能性、キザシを見つけるべく、ユルさや未完成を許容してチャレンジしていきます!

キザッシャーズの自己紹介・ご相談について
ここまでご覧いただきありがとうございます。noteでは、主に自分たちが体験した新しい面白い体験から、”未来の兆し”をお伝えする記事を書いていきたいと思います。何かご相談などあればお気軽にご連絡ください。
kizassharz@gmail.com

メンバー紹介
スクリュー:新規事業やリサーチを主として活動しています。巻き込み型で様々な人や場所との出会いを大切に、新しいことをするのが大好きです。一児の母としての顔も持っています。

パッカー:UIUX・サービスデザインを経て、デザインの原動力の観察・洞察活動に注力中。フットワーク軽くをモットーに豊田の会社に出向した経験を持つ。まだ知らない世界に飛び込んでみたい、最近は野鳥観察にハマる。

ホッパー:新規事業創出やアイデア発想のツールや方法を考えてます。世の中のユニークな出来事を探索し、自ら体験してみることにしています。最近はいろんな場所で働いてみることを実践中です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?