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ファッションは繰り返さないが、韻を踏む。[ファッションリベラルアーツvol.09]

「History does not repeat itself, but it rhymes」
−歴史は繰り返さないが、韻を踏む−

これは作家である マーク・トウェインが残した言葉です。
歴史的に起きた事象や時代の変化がそのまま繰り返されることはないが、それらは韻を踏むかの如く、形を変えて再び人類の前に姿を現す。
そういった歴史観を端的に表現した言葉です。

たしかに、日本史や世界史を学ぶと、政治体制のあり方や社会情勢、具体的な出来事に至るまで、全く同じではないものの同質的なことが周期的に繰り返されていることが確認できます。

これはファッションでも同じこと。
ここ数年、ファッショントレンドとして呼び声が高かった“Y2Kファッション”はその名のとおり2000年代に流行したファッションのリバイバルです。
ヒッピースタイルからの引用やデニムの流行は1960年代後半-1970年代のスタイルの回帰と位置付けられ、周期的なトレンドの動きを窺い知ることができます。
また現在、第2次古着ブームとされ、洋服の選択肢のひとつとして「古着」が当たり前の時代になりつつありますが、その前段階にあたる第1次古着ブームは1990年から2000年にかけて巻き起こったムーブメントです。

しかし、これらのトレンドは当時のまま今に蘇っているわけではなく、当然、現在のファッションを受容する我々に最適化される形で繰り返されています。

1970年代、あるいは2000年代の人々に「SNS映え」のフィルターはなかったでしょうし、ファストファッションでもハイブランドでもない選択肢としての古着という認識もなかったでしょう。

「同じようなトレンドの繰り返し」でも、それを受容する私たちと私たちを取り巻く環境の変化によって、「類似した異なるトレンド」へと昇華され、次なる時代にバトンを渡すのです。

それはまさに

「Fashion does not repeat itself, but it rhymes」
−ファッションは繰り返さないが、韻を踏む−

ということに他なりません。

私たちが現在、そしてこれから目撃するネクストトレンドは一体どの時代を映し出し、どのような未来に影響を与えるのか。
何よりも、その時々の韻を純粋な気持ちで楽しみたいものです。


insomniaです。
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