見出し画像

未経験からメディアの編集者になる方法

「編集者になりたい!」という人は、かつての僕がそうだったように一定数いるかと思います(ライター志望者ほど多くはないにせよ)。

僕は大学時代から、編集者になりたいと思っていて、新卒入社ではない方法で未経験から編集者になりました。そんな僕の経験をもとにした「未経験から編集者になる方法」を書いていこうと思います。

実を言うと現在の僕は、編集者ではありません。マーケターを経て、小規模なWeb広告代理店で営業兼プランナー兼プロデューサーのような立ち位置で働いています。

ですが、軸が薄れてきている感覚を持つようになってきて、一度、「書く」を武器にした編集者に立ち戻りたいと思うようになりました。

そんな自分自身のためにも、今一度、編集者としてのキャリアを棚卸ししておきたいと思い、編集者の経験をもとにした記事を書いていこうと思った次第です。

そもそも編集者ってどんな仕事?

出版社やメディアに関わりのない人からすると、「編集者って何してる人?」と思う人が多い気がします。YouTuberが登場してからは、編集者と聞くと、動画編集者を思い浮かべる人も多いくらい、あまり知られていない仕事かもしれません。

編集者は大きくわけると、雑誌・メディア編集者書籍編集者文芸・漫画編集者の3種類に分類されます。僕が携わってきたのは、雑誌・メディア編集者の方なので、この記事ではこちらの編集者になる方法になります。

ちなみに、書籍編集者は雑誌・メディア編集者と近く、文芸・漫画編集者は別物というイメージです。

雑誌・メディア編集者の仕事は主に、記事コンテンツの企画制作と進行管理になります。記事の企画を立てて、構成を作り、必要な人材を集めて、原稿の編集〜入稿まで、制作物のクオリティを担保する。そして、その全ての工程と関わる人たちを進行管理していくという仕事です。

それでは、「未経験から編集者になる方法」を書いていきます。

■出版社やメディア会社に入る

編集者というのは、基本的にはメディアに所属しているので、まずはメディアを持っている出版社やWeb系の会社に入るのが一番近道です。未経験であれば、なおさらでしょう。

とはいえ、新卒や第二新卒ではない社会人で、未経験の方であれば、なかなか入るのは難しいのが事実。その場合、方法は次の3パターンくらいあるかと思います。

1.アルバイトなどで入社する
2.ライターとして実績をつくって転職する
3.今の職種で転職し、異動する

1.アルバイトなどで入社する

僕の場合は1でした。アルバイトで最初、ファッション誌に強い出版社に入社しました。アルバイトであれば、ハードルが低く、未経験でも入れます。ただ、当然収入は低いですし、年齢的にも若くないとなかなか難しいものがあるので、あまりおすすめはできません。

出版社時代を振り返ると、雑誌編集者という仕事ができていることにやりがいを感じていましたが、やはり収入が低く、ほかのバイトを掛け持ちしたりしてつらかった記憶があります……。

2.ライターとして実績をつくり転職する

これはありだと思います。編集者は記事を作る仕事なので、ライターとして記事を書いてきた実績があれば、編集者の採用でも経験として見做す会社もあります。

今の会社を続けながら、副業でライターをはじめるというのはかなり現実的な選択肢かと思います。

未経験でライターをはじめる場合、「どんなメディアの編集者になりたいか」を考えて、書くメディアを選ぶといいでしょう。そして、そのメディアに載っているような記事をnoteなどで書いてみましょう。それをポートフォリオにして、ライター募集などに応募してみる、という順序がいいかと思います。

僕の場合、大学生の頃、エンタメ系メディアでインターンとしてライターをしていたのですが、そのときの面接で見せたのがアイドルやアニメについて書いた批評もどきのブログ記事でした。反応としては「文章は固いけど論旨はちゃんとしてる」というような評価だった気がします。

こんな風に、目指すメディアのイメージに合った記事をnoteなどで個人的に書くと、未経験でもちゃんと書ける人と思われて、ライターとして採用されやすくなるかと思います。

3.今の職種で転職し、異動する

収入を下げたくないのであれば、この選択肢一択かと思います。たとえば、営業職や事務職をしている人であれば、同じ職種でメディアを運営している会社に転職し、「編集者がしたい」と言い続けるわけですね。

その際、2で書いたライターとして実績をつくる方法とかけ合わせた方がいいでしょう。「編集者がしたい」と言い続けているだけよりも、ライターとして実績がある方が異動もしやすくなるはずです。

実際に、知り合いでメディア企業の営業をしていた人が、社内で手を挙げてWebメディアの編集者に異動していました。こういうケースはよく耳にします。

ライターの実績づくりをはじめるタイミングですが、転職前にはじめるのがベストです。メディア企業への志望動機に使えますし、面接の時点で編集者への興味をPRできるからです。職種が違うので、あまり編集者がしたいアピールをしすぎるとネガティブに捉えられかねないので、言い方には気をつける必要がありますが。

この方法で注意が必要なのは、会社選びです。結論からいうと、「今の会社で転職し、異動する」方法が使えるのはベンチャー・スタートアップのメディア企業だと思います。

出版社のような昔からある会社の場合、別職種からクリエイティブ職への異動は僕が知っている限り聞いたことがありません。これは出版社に限った話ではなく、専門職への異動というのは、歴史の長い会社ほどできないことが多いように思えます。

一方で、ベンチャー・スタートアップのメディア企業であれば、職種ごとの役割が明確に定まっていない場合も多く、職種間の異動や兼務がしやすい傾向があります。実際に僕が以前いたメディア企業では、営業で入った人がコンテンツディレクターになったり、その逆もいました。

とはいえ、会社によって異動や兼務のしやすさ・しにくさはあると思います。なので、志望する会社に在籍している人に内情を聞いたり、カジュアル面談などの場で聞いたりして、入社前にリサーチした方がいいでしょう。

なお、ベンチャー・スタートアップのメディア企業への転職先を探すには、indeedで「編集者」と検索してひたすら探すか、「CINRA JOB」のようなクリエイティブ系に強い媒体で探すか、

「マスメディアン」のようなエージェントを利用するなどがおすすめです。

ここまでが「出版社やメディア会社に入る」ことで、編集者になる方法でした。続いては、今いる会社で編集者になってしまおう、という方法をお伝えします。

■今の会社でオウンドメディアを提案する

出版社やメディア会社でなくても、今やどの企業もメディアを持つ時代になりました。企業のブランディングのため、採用のため、リード獲得のためなど、目的は異なりますが、企業が直接情報を発信することが必要とされています。

僕は以前、オウンドメディア支援会社で編集者をしていたり、BtoBの事業会社でオウンドメディアの立ち上げ〜運用に携わったりしたことがあるので、その必要性はよく理解しているつもりです。

<立ち上げ〜運用に携わったオウンドメディア>

オウンドメディアというと、トヨタやアサヒやキリンのような大企業が運用しているイメージが強いですが、実は中小企業やベンチャー企業ほどオウンドメディアは必要だと思っています。

というのも中小企業やベンチャー企業は、広告宣伝や採用に大企業ほどお金をかけられないんですね。それでも、お客様に自社を選んでもらうためには、何らかの情報発信が必要です。そこで、お金をかけずに情報発信ができるオウンドメディアのニーズがあるというわけです。noteやInstagramでもオウンドメディアはできるので、費用ゼロからでもスタートできるんですね。

ですので、もし今いる会社がそれほど大きくない規模の会社で、情報発信に課題を抱えている場合は、オウンドメディアを提案してみると、案外通ったりします。

実際に僕が前いたBtoBの事業会社では、自社ブランディングとリード獲得を目的としたオウンドメディアを上長とともに提案し、実現に至りました。

もちろん、提案する側がある程度のメディア経験がないと、社内でも通りにくいでしょう。そこで、前述したようなライターとして実績をつくる方法を実践しておくことで、ライター経験がある人としてオウンドメディアを提案できます。すると、提案が通ればいきなり編集長になる、なんてことも可能なわけですね。

メディアの編集者は結局のところ、どこかの組織に所属してメディアを運用していく仕事なので、会社で実現する方法がメインになってきます。もちろん、フリーランス編集者としてWebメディアやオウンドメディアに外部から携わるということもあり得ます。

スーパー編集者のような人たちの中には、ずっとフリーランスでライターをしてきて、編集者になるような人もいますが、それは本当に一部のすごい人くらいです。

未経験に限定した場合、まずは会社に就職して実現していく、というのが再現性のある方法かなと思います。

未経験だけど編集者になりたい!と思っている人のお役に立てれば幸いです!

この記事が参加している募集

ライターの仕事

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?